『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』グランドフィナーレイベントが4日、都内・丸の内ピカデリーにて行われ、佐藤健、武井咲、青木崇高、土屋太鳳、村上虹郎、北村一輝、江口洋介、大友啓史監督が登壇した。
『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』グランドフィナーレイベントが実施された。イベントは二部構成となっており、第一部では『The Final』より佐藤健、武井咲、青木崇高、土屋太鳳、江口洋介、大友監督が登壇。イベントの第二部では、装いを着物に変えた佐藤健とともに、有村架純、村上虹郎、北村一輝、江口洋介の『The Beginning』キャスト陣と大友監督が登壇した。また両イベントの模様はライブビューイングで全国の映画館に生配信された。
先ずは第一部。緊急事態宣言を乗り越え、全国でThe Finalを観ることが出来るようになった《真の初日》を迎えられたことに佐藤は「『The Beginning』の初日ではありますが、『The Final』の初日のつもりで立っております。The Finalが先の公開ではありましたが、僕の気持ち的には2つで1つの作品ですので、同時に観て頂き、堪能して頂ければと思います」と挨拶。大友監督は「改めて今日は東京、大阪などの皆さんにお披露目できることを凄く嬉しく思います。ここにいたるまで地方の皆さまが、“東京、大阪の皆さまに届けるまで、自分達が「るろうに剣心」を届けるために頑張るんだ!“と何度もThe Finalを観てくれました。今日からThe Beginningが始まりますが、どちらから観て頂いても大丈夫です。The BeginningからThe Finalを観てもらえれば感情がより伝わってくると思いますし、その逆も新たな発見があると思います、表裏のコインのような作品です、可愛がってください!」と観客に呼び掛けた。
イベント当日の東京はあいにくの雨模様。「京都大火編」の野外イベント時も雨だったということで、佐藤に雨男疑惑がかけられると、佐藤以外のキャスト、監督は全員一斉に晴男、晴女だと主張。佐藤は「自分の主演作品の完成披露とかほぼほぼ雨なんですよ。だから今日も想いが天に通じたのか!よかった今日も雨だ!と思って朝出ました(笑)」と語って笑いを呼んだ。
「The Final」の興行収入が33億円突破と大ヒットしていることについて周囲の反響を聞かれた武井は「The Finalを観てくれた友人が、1作目からまた観直したくなったと言ってくれて、全部見返してからもう1回観に行ってくれました」とコメント。青木は「友人から映画館で観てこの上なくスカッとしたと聞いて嬉しかったです」と答え、更にその友人から左之助が映画の最後で恵に治療されている時のやり取りがウケていたと聞いたとのことで、「実はあそこは台本に無いシーンだったので、これでウケてなかったら10年で最後のシーンなのに恥ずかしいなぁって思っていたので、胸をなでおろしました(笑)」と語った。土屋は「今まで初めましての方から“朝ドラ見てました~”と言って頂くことが多かったのですが、最近は“るろうに剣心”観てます!と言われて、海外の方からも言われたりします」と『るろうに剣心』シリーズが自身に大きな影響を与えていると語った。
本作は非常にリピーターが多く、大友監督の元には何と35回も観たという猛者からのメッセージも届いたとのことで、「35回だと俺より観てる(笑)俺より知っているんじゃないかなと思うので直さなきゃなと思っています」と大友監督が答えると、佐藤も「節分方式で自分の年齢の数だけ観てる方だと思うので、節分の様に皆様も年齢の数だけ観て頂ければと(笑)」と会場の笑いを誘った。
第二部『The Beiginning」の舞台挨拶に登壇へするキャスト、監督へ質問したいことを聞かれた武井は「薫としては巴さんに思い入れがあるので、有村さんにお聞きしたいことがあるんですけど。縁にとって薫は巴がフラッシュバックするトリガーになる存在だというのもあり、撮影中、巴さん寄りの髪形にしてくれって言われていて(笑)有村さんに是非、巴に似せた薫はどうだったか、私合格でしょうか...?って聞きたいです(笑)」とコメント。青木は「江口さん、佐藤さん、監督に聞きたいんですけど、『The Final』と『The Beginning』を同時期に撮影していて、どこにそんな気力が残ってたんですか?って(笑) 『The Final』だけでとんでもないんですよ。同時期にあれ撮れるかね?と」とコメント。土屋は「大友監督は役の心をすごく感じ取ってくださるんですけど、台本上では台詞が終わっていても、役として呼吸しているなと思った時はカットをかけない印象があるんです。なので『The Beginning』でカットをかけたくないっていう瞬間はありましたか?というのをお聞きしたいです」と答えた。
『The Final』と『The Beginning』が同時に劇場で公開されている今、二作を続けて観る意義について聞かれた佐藤は「結果として『The Final』⇒『The Beginning』という公開順になりましたが、実は撮影中は順番が確定していなくて、なんならThe Beginningを観てもらったという体で『The Final』のラストシーンの撮影をしていたりもするので、観る順番に正解はないんです。ただ間違いなく言えることは、『The Final』を観た後に『The Beginning』を観てもらうとより面白く感じるし、逆も然りです。それだけは間違いないので、そういった楽しみ方をして頂ければなと思います」と語った。
続いて第二部。佐藤は第一部でのスーツスタイルから一転、着物姿で登場。
「The Beginning」初日を迎えた気持ちを「やっとこの日が来たかと嬉しい気持ちです。この公開を持ちまして、『るろうに剣心』シリーズは完結となります。ただ、完結という言い方よりも、『るろうに剣心」シリーズが『The Beginning』公開と共に“完成する”という言い方が正しいのではないかと思っています。今まで1~4までやらせて頂きましたが、それぞれどこか未完成な部分があって、それがこの剣心の過去のエピソードを知っていただくことで、完成するんじゃないかと思います。『The Beginning』公開と共に、シリーズを丸々愛して頂ければと思います」と、シリーズの完結作の公開日を迎え、万感の想いを込めて挨拶。
佐藤同様に着物姿で登壇した有村は「『るろうに剣心』の取材や舞台挨拶の日はいつも以上に緊張するのですが、一個一個丁寧にお答え出来ればと思います」と話し、佐藤から着物姿を褒められると「ありがとうございます」と照れながら答えた。
大友監督は「僕は10年前テレビの世界から映画の世界に飛び込んできました。映画ってクランクインしておめでとうございますと言われて、クランクアップ、初号、初日でもおめでとうございます、もしヒットするとまたおめでとうございますと言っていただけて、映画って“おめでとうございます”の連続で出来ていて、一つ一つの奇跡を積み重ねてここに辿り着くんですね。劇場で皆様にお披露目できるというのは作り手にとっては僥倖の瞬間であり、今回こういう状況でもありますので、“おめでとうございます”という言葉をいつも以上に嚙みしめる日々です。本当に映画館で観てほしいです。感情の震え、眼の中に潜む小さな感情、アクションも勿論です。大スクリーンでこの作品を観てもらうために、今日ここに立っていない人間も含めて必死で作り上げた作品です。今日から『るろうに剣心」の映画が始まると思っておりますので、応援何卒よろしくお願いいたします」と、会場にいる「ファンはもちろん、全国のライブビューイングで繋がったファンにも熱く語りかけた。
本作は、究極のアクション映画であると共に、美しく、儚く、切ない、究極のラブストーリーでもあるということで、美しさ、儚さ、切なさをどう表現したかと聞かれた佐藤は「剣心は心を持っていなくて、人間じゃなかったんです。人を斬って目標に突き進むことしか知らなかった剣心が、巴と出会って、幸せを知って初めて人間になっていく過程が悲しく、美しく映ればいいなと思って演じました」と撮影を振り返った。巴という役をどう作り上げていったかを聞かれた有村は「準備段階から衣装一つ、メイク一つにしても練りに練って考えてくださった巴のビジュアルがあって、その段階を一緒に過ごしていく中で、監督やプロデューサーの方々から頂いた言葉、漫画原作、アニメーションなどの情報を自分の中で咀嚼して準備していきました。現場に入ってからは監督と確かめ合いながら感情を丁寧に紡いでいきました、あと、一番大きかったのは健さんが演じる剣心が傍にいてくれたことが大きかったです」と、一言一言真摯に語った。
新撰組の沖田総司を演じた村上は、『るろうに剣心」に参加したことを振り返り、「原作の方だと(沖田総司が)出てくるシーンはそんなに多くはなくて、原作の髪形とも違うんですよね。その髪型と衣装で江口さんと衣装テストをやった時に、10年間紡がれてきたシリーズがある中でも圧倒的に違う方向性で今回の『The Beginning』を作るんだと思いまして。明治という時代がファンタジーという訳では無いんですけど、剣心という架空のキャラクターが生きている世界で、実在した人物を演じるという中、”幕末”という時代が下手なキャラクター感では許してもらえないんだなというのを心に刻んで現場に行きましたね。少しだけ原作と雰囲気は違うかと思うんですが、実写ならではの沖田総司と新撰組ということで観て頂ければと思います」と自身の役柄について語った。
ここで第一部で武井、青木、土屋から預かった質問について第二部キャストが回答することに。
武井からの《撮影中、監督が縁が巴をフラッシュバックするという演出で薫の髪形を巴に似せていました巴に似せた薫は如何でした?》という質問を受けた有村は「とても美しかったです。理由がありまして、巴と薫さんの性格は違ったものがあると思うんですけど、巴から見た薫さんはすごく無邪気だったり、素直だったり、巴に無いものをたくさん持ってらっしゃるので、とても眩しい人なのではないかなと思っていました」と回答。青木からの《The FinalとThe Beginning同時期に撮影していて、どれだけ体力あるんですか⁉》という質問に佐藤は「気合ですね。気合ですし、違った作品すぎたからこそ逆に出来たというのはあります。『The Final』だけをやっていたらきつかったと思いますね。『The Beginning』に入ってかなり新鮮な気持ちになりましたし、現場の空気が全く違うので、改めてエンジンをかけ直してもらったような。逆に『The Beginning』で得たものを『The Final』の最後の戦いである縁戦にぶつけられたりもしたので、相乗効果でどちらも良かったですね」とコメント。江口も「現場に行けばセットから何から全く違いますし容姿も変わるので、意外とすんなり。あとは気力だけ笑)」と《雰囲気の違い》と《気合、気力》で乗り越えられたと回答。大友監督は「2本撮るのは前回みたいな前後編ならまだできるんだけど、作る下ごしらえをするという意味では今回相当大変でしたね」と逆に2作が全く異なるからこその苦労を語った。
土屋から大友監督への《役者の呼吸が続いている内はカットをかけない印象だったのですが、The Beginningの時はどうだったのでしょうか》という質問には、「今回はそうでもないですよ。大変だったので早くOKして次の日の準備をしなきゃいけなかったので(笑) 普通は役を捕まえるまでの時間を取るために、少し本番の尺を長くしたりするんです。役でいる時間を増やす必要がある時はカット尻を長くしたりするんですけど、今回は皆さんスッと入っていたのでそこまでやらなかったですね」と答え、佐藤も「基本的に台本通りやろうという現場ではないことは確かですね。台詞が終わったからカット、ではないんですよね。芝居を続ける限りはカットをかけないので」と答えた。
ここで司会から登壇者に対して感じている“謎”を教えて欲しいという質問が飛ぶと、佐藤は北村に対して、「北村さんが誰よりも気を遣う人なんです。北村さんの役が食事をしている時に持っているお茶碗が欠けていて、これは美術さんや小道具さんの細かい仕事なんですけど、その細かい仕事を画に映そうという気の遣い方をする人で、めちゃくちゃ欠けている部分が正面に来るようにお茶碗を持っているシーンがあるんです。あれ、見せてやろうと思ってやってませんでした?」と質問、北村は「皆さんに一生懸命作ってい頂いているので...ってそこを観てる君がすごいよ(笑)」とまさかの角度からの質問にに笑いながら答えた。有村は村上に対して、「共演シーンのなかった虹郎くんと江口さんは謎です(笑)でも虹郎くんは10代の頃に共演させて頂いて、カメラを撮っていたのを覚えています。まだカメラ好きですか?」と質問。村上は「やめちゃいました!情熱を注ぎこんで尽きちゃいました」と回答し、有村を驚かせた。
最後に佐藤は「この『The Beginning』の公開をもって、いよいよ終わってしまうんだなと、宣伝活動しながら寂しい気持ちを抱えていたんですけど、少し気持ちが変わってきて。今まで終わりに向かって、この作品を皆さんに届けて『るろうに剣心」終わっちゃうなと思っていたんですけど、『The Beginning』を皆さんに観て頂いて、シリーズはやっと始まるんだなと今では思っています。その完成したシリーズを末永く愛して頂きたいですし、作品が映画館で観られるこの時期は僕にとって非常に特別な幸せな時間ですので、嚙みしめながら、出来る事なら皆さまと共有しながら、過ごしていけたらと思っております」と『るろうに剣心』シリーズとの歩み、そして『The Beginning』の公開日を、噛みしめるように挨拶をし、イベントを締めくくった。
『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』大ヒット上映中
(C)和月伸宏/集英社 (C)2020映画「るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning」製作委員会