アメリカ現地時間26日(日)に開催された第89回アカデミー賞受賞式。司会者を務め、abcに自身を冠した看板番組を持つジミー・キンメルが、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のプロデューサーを務めたマット・デイモンと"おなじみ"の罵り合いをオスカー授賞式全編に渡って繰り広げた。
キンメルは司会を始めるや否や「マットは自分勝手な奴なんだ。一緒に働いてたことのある人は皆知ってるだろうけど」と切り出し、「だけど、そうじゃないこともあるんだよ。マットがプロデューサーを務め、オスカーに6部門ノミネートしている『マンチェスター・バイ・ザ・シー』については主役を演じることができたんだけど、その役を幼馴染みのケイシー・アフレックに譲ったんだ」とマットの自己犠牲的な行為を評価。だが、「マットはその代わりに中国のポニーテールの髪型の役で映画に出たんだ…マヌケな奴め」と興収の振るわない『グレートウォール』に掛けて酷評した。
その後も、デイモン主演の『幸せへのキセキ』についてキンメルが語る映像が流される。「劇場は全くと言っていいほどガラ空きだったんだ。もうそれは僕とマットと動物しかいないようだった」とまたしても辛口なコメント。劇中のエモーショナルなシーンが映ると、さらに追い討ちをかけるように「もうほとんど優れた才能というものがない。でも、そう彼の演技はこの映画では生きているのさ」と畳み掛ける。
さらにアカデミー賞脚本賞のプレゼンターとして長年の友人であり、『グッド・ウィル・ハンティング』で共に脚本賞を受賞したベン・アフレックと共にプレゼンターとして登場したデイモンを「ベン・アフレックとゲスト」と紹介した。そして、デイモンが口を開くや否や楽屋でBGMの指揮を執っては、デイモンの邪魔をしようと奮闘した。
まさかの受賞式でキンメルとの罵り合い(一方的な攻撃?)を受けたマット・デイモンだったが、自身がプロデューサーを務めた『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は見事ケネス・ロナーガンに脚本賞を、ケイシー・アフレックに主演男優賞をもたらした。
このジミー・キンメルとマット・デイモンのおなじみのおふざけだが、受賞者の人生を変えるともいわれる受賞式であるだけに、観客はもちろんノミネーションを受けた映画人の緊張をもほぐすことができたのではないだろうか。
参考:http://www.hollywoodreporter.com/news/jimmy-kimmel-matt-damon-feud-escalates-at-oscars-2017-watch-980423