秋吉理香子の同名小説を、清水富美加×飯豊まりえW主演で映画化した『暗黒女子』が4月1日に全国公開される。この度、本作のメイキング映像が解禁になった。
原作は、読んでイヤな気持ちになる最悪の結末だが、後味が悪ければ悪いほど“クセ”になってしまう秋吉理香子が描いた魅惑のミステリー。学院の経営者の娘で全校生徒の憧れの的だったカリスマ美少女・白石いつみが、ある日校舎の屋上から落下して謎の死を遂げる。彼女が主宰していた文学サークルでは、部員自身が書いた物語を朗読する定例会を開催する。今回のテーマは「白石いつみの死」。それぞれが“犯人”を〈告発〉する作品が発表されていく。
このメイキング映像が捉えるのは、それまでは他の生徒を照らす太陽のような存在であったいつみがメンバー達を屋上に呼び出し、恐ろしい“裏の顔”を初めて露わにするシーンだ。撮影当日、作品全体を牽引する存在として、他のキャラクターや観客を“ちゃんと”裏切り、“完璧に美しく”身を投げることが求められた飯豊は、朝から誰とも口を利かずナーバスになっていたという。さらに、強風と雨が吹き荒れ時間的にも切迫し、場合によっては身の安全も保証もできない難しい条件の中で、飯豊は一発OKでこの場面を完璧に演じきった。様々なものがうごめくいつみの内面や飯豊の生々しい息遣いを映画本編とは違った形で味わうことができる貴重な映像となっている。
耶雲監督は、飯豊の性格をよく知るゆえいつみを演じるに当たり自信を持てていないことに気付いていたといい、「この屋上のシーンを撮った日が飯豊さんが自分の殻を破った日ではないかと思います」と振り返る。さらに、「『い・や・だ』というセリフにすべてを駆けるという彼女の意気込みや、そこまでにため込んだものをここで爆発させようというムードがすごく伝わってきました。あのセリフを完璧に演じられて、キャラクターを完全に裏返す演技ができたことで、彼女の中でもこの日で変わったような気がします」と彼女の変化について語り、「物語の主役として勢いよく飛び降りるということを、こちらから何も言わずともやってくれました」とこの場面を演じきった飯豊を称えた。
映画『暗黒女子』は4月1日より全国公開
【CREDIT】
出演:清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、玉城ティナ、小島梨里杏、平祐奈、千葉雄大
原作:秋吉理香子『暗黒女子』(双葉文庫)
監督:耶雲哉治 脚本:岡田麿里
制作プロダクション:ROBOT 配給:東映/ショウゲート
公式サイト:ankoku-movie.jp
©2017「暗黒女子」製作委員会 ©秋吉理香子/双葉社