『花戦さ』野村萬斎、森川葵、佐藤浩市が“いけばな発祥の地”で献華「身の引き締まる思い」

映画『花戦さ』完成奉告(奉納)イベントが27日、京都・紫雲山頂法寺『六角堂』にて行われ、野村萬斎、森川葵、佐藤浩市が出席した。

花戦さ

作家・鬼塚忠の同名小説を映画化した本作は、16世紀後半の戦国時代を舞台に、時の天下人・豊臣秀吉の圧政に苦しめられていく町衆を救うべく、京都の花僧・池坊専好が単身立ち向かう姿を描く痛快エンターテインメント。花を生けることで、戦乱に生きる人々の心を救う花僧・池坊専好役に野村萬斎、天下人・豊臣秀吉役に市川猿之助、織田信長役に中井貴一、前田利家役に佐々木蔵之介、茶人・千利休役に佐藤浩市が名を連ねるほか、高橋克実、山内圭哉、和田正人、森川葵、吉田栄作、竹下景子が共演する。

花戦さ
花戦さ

この日は、映画の舞台となった“いけばな発祥の地”京都・六角堂にて、“映画完成奉告”及び “ヒット祈願”として、僧侶が読経するなか、萬斎、森川、佐藤らがオクロレウカを献華(けんげ※献花の意)。また、朝6時から詰めかけた一般観覧約600名に対し感謝を込めて、“紅白餅”やコスモスや朝顔などの“幸せの花の種”をプレゼントした。

野村萬斎 コメント


六角堂は、人々に愛されているお堂だと改めて今日感じました。身の引き締まる思いです。池坊555年の歴史の重みを感じながらも、この映画が池坊の発展に寄与できたらという思いで演じました。いけ花は、シンプルな中にも奥深さがあり、私たちの能・狂言の世界にも通じると思います。

自身の役柄について
浩市さんと前回ご一緒したときは“でくのぼう”を演じて、今回は“いけのぼう”ということで(笑)どちらもボーッとした感じの人ではあるのですが、専好は、一生を花と共に生きた天真爛漫な人物として演じました。彼は利休という友と、れんという同志を得て、人間の根源になる芸術や文化の力を以て権力者に立ち向かいます。皆と一緒に楽しく笑いあうシーンはエンターテイメント。秀吉の悪政が及んでくると悲劇的になり、専好たちがそれをまた跳ね返していく。笑って泣けて、最後は両方一緒になるというような映画になるかと思います。

佐藤浩市 コメント


六角堂を訪れるのは実は2度目です。先日、中に入って色々な花の歴史を興味深く聞かせていただきました。そういったものが全て映画の中にフィードバックされていると思います。萬斎さんともまたご一緒させていただいて、様々なご縁の中で映画が完成しました。

自身の役柄について
当時の武家や庶民の中での茶道・華道・そして利休という存在は、身近なものだったのではないでしょうか。僕が表千家に習いに行ったときにも“まるみ”という言葉で表現したんですが、その言葉に表されるような 温和な“まるい”利休さんを演じられたらと思っていました。ちなみに茶をたてるシーンでは、手元しか写っていませんが私が全部やっていますので、ぜひ劇場で確認してください。

森川葵 コメント


この映画が皆さんの元に届くまで、六角堂が映画の大ヒットを見守っていてくれるんじゃないかという気持ちで今日はここに立っています。 撮影期間中、時間があったので京都の街を歩いてみました。ドーナツや豆乳ソフトクリームを食べに行ったり、京都を満喫させていただきました。

大先輩方との共演について
これまで時代劇経験が少なく、作法も所作もわからない状態で現場に入りました。萬斎さん演じる専好さんのお茶目な姿や動きを横で見ていて、時代劇だからと構える必要はないんだと気づきました。その時代に普通に生きていた人なんだから、縛られずにどんどん動いていいんだと感じました。

花の力について
クランクアップでお花をいただいたりすることも多かったのに、今まで私は花の力を忘れてしまっていたような気がします。花が実際に生きて、支えてくれているということ。お花を通して、心が優しく、豊かな気持ちになっていくのをこの撮影の中で感じました。

映画『花戦さ』は2017年6月3日より全国公開

【CREDIT】
出演:野村萬斎 市川猿之助 中井貴一 佐々木蔵之介 佐藤浩市 高橋克実 山内圭哉 和田正人 森川葵 吉田栄作 竹下景子
脚本:森下佳子 原作:鬼塚 忠「花戦さ」(角川文庫刊)
音楽:久石譲 監督:篠原哲雄
配給:東映

©2017「花戦さ」製作委員会

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