『八日目の蝉』『紙の月』で知られる直木賞作家、角田光代の同名小説を初音映莉子×高良健吾W主演で映画化する『月と雷』が10月7日に公開される。この度、新たなキャストとして草刈民代、藤井武美、黒田大輔、市川由衣、村上淳、木場勝己の名前が発表された。
原作は、一つどころに定住しない根無し草のような女・直子と息子・智、その母子と過去に一緒に住んだ男の娘・泰子を主軸に描くヒューマン・ドラマ。幼少の時に母が家出し、“普通”の家庭を知らぬまま大人になった泰子を『ノルウェイの森』『終戦のエンペラー』の初音映莉子が、彼女の父の愛人の息子・智を『横道世之介』の高良健吾がそれぞれ演じる。監督を『海を感じる時』『花芯』の安藤尋が務める。
新たに発表されたのは、智(高良健吾)の母親であり自由に流転して生きる女・直子役に草刈民代、泰子(初音映莉子)の異父妹にあたる佐伯亜里砂役に藤井武美、泰子の婚約者・山信太郎役に黒田大輔、泰子の友人で一緒のスーパーマーケットのレジで働く吉村役に市川由衣、泰子の父親役に村上淳、田舎町を流浪していた直子を拾い、一緒に暮らし始める初老の男性・岡本役に木場勝己が発表された。
草刈民代 コメント
運命に抗わない人。台本を読んで直感的に感じた直子の印象です。 直子はいわゆるダメな人です。「この役、なぜ私に?」と思いました。でも安藤監督とお話をさせていただき、「できる? やってみよう、やってみたい!」と気持ちが動き出しました。今までにお見せしたことのない私の姿が、直子として皆様の目に映れば幸いです。
「泰子」を演じる初音映莉子さんの率直な演技は、この作品を象徴しているものだと思います。そして、高良健吾さんが演じる息子「智」には、 撮影初日から母と子として共鳴するものを感じました。 葛藤を抱えながらも健気に生きる泰子の姿から、いつも見落としている何かが掘り起こされるのではないでしょうか。ぜひ多くの方々にご覧いただきたいと思います。
安藤尋監督 草刈民代キャスティングについてのコメント
草刈さんと初めての顔合わせで、「なぜ、直子役に私を選んだのですか?」と、問われて、「僕の中で、直子は『パリ、テキサス』のハリー・ディーン・スタントンです。彼のように、風景を背負って、スクリーンの中を歩ける女 優は草刈さんだけです!」と、緊張マックスで答えました。意味不明な答えに、笑顔で頷いてくれた草刈さんが素敵でした。やっぱり直子はこの人しかいないと確信しました!
映画『月と雷』は10月7日よりテアトル新宿ほか全国公開
【CREDIT】
出演:初音映莉子 高良健吾 藤井武美 黒田大輔 市川由衣 村上淳 木場勝己 草刈民代
監督:安藤尋 原作:角田光代(中公文庫)
脚本:本調有香
©角田光代/中央公論新社 ©2017「月と雷」製作委員会