第69回カンヌ国際映画祭
本作は、時速300キロで疾走し続ける高速鉄道の車内で突如起こった感染爆発(パンデミック)と、乗り合わせた人々の生き残りを描いたノンストップ・サバイバル・アクション。校内暴力を題材にした『豚の王』、新興宗教を扱った『フェイク』で国内外の高い評価を受け、社会派アニメーション作家としても活躍しているヨン・サンホ監督の実写長編デビュー作品だ。
場面写真では、圧倒的なオープニングを飾る第⼀感染者の姿が捉えられている。夜明け前のソウル駅、KTX101号は定刻5時30分に駅を後にするが、その発⾞直前、挙動不振な⼥が列⾞に駆け込んでいた。何者かに⾜を噛まれた⼥はトイレに駆け込み「ごめんなさい…ごめんなさい…」と呟き続けるが…。
第⼀感染者役でカメオ出演を果たしたのは、⽇本をはじめ全世界で続々リメイクされた映画『あやしい彼⼥』のシム・ウンギョン。雰囲気がガラリと変わった彼女の役に、試写では「シム・ウンギョンだって気づかなかった!」との声が多数寄せられた。
この役の為に数ヶ⽉間アクションスクールに通って準備を行ったというシム。感染者の演じ⽅についてキャストや監督が悩むなか、撮影の序盤、⾒事に第⼀感染者役を消化した。彼⼥の演技があったからこそ、感染者の動きに確信を持ったという監督の声もあがり、あらゆる意味で本作の感染者は彼⼥からスタートしたと⾔っても過言ではないだろう。
シムは本作の前⽇譚にあたる『ソウル・ステーション/パンデミック』では声優として出演し、ヨン監督の次回作では主演を務めている。今後、⽇本でも本格的にデビューすると発表された彼女の本気の演技に注目したい。
映画『
出演:コン・ユ、チョン・ユミ、マ・ドンソク