一般的に俳優は映画に出演すると報酬が支払われますが、たとえハリウッドの大作映画やヒット作であっても、誰もがアイアンマンのスーツを着るたびに5000万ドル（60億円、1ドル＝120円換算）のギャラを手にすると言われるロバート・ダウニー・Jrのように高給を得られるわけではありません。『6才のボクが、大人になるまで。』で今年度アカデミー賞助演女優賞を受賞したパトリシア・アークエットは、その出演料とオスカー受賞式で得た報酬よりも、その撮影に費やした12年間でベビーシッターや犬の散歩係に支払った額の方が大きかったことを認めています。
以下の15人もまた、大作映画で主役（級）の役やいい役であるにもかかわらず、まだキャリアが浅いためか、まだ無名なためか、あるいは独自の美学による出演作選びを行っているためか、その役に見合った十分なギャラが支払われなかったと言えるでしょう。
マシュー・マコノヒー ─ 『ダラス・バイヤーズ・クラブ』20万ドル（2400万円）
1500万ドル（18億円）の高額なギャラでTVドラマ「私立探偵マグナム」のリメイク映画のオファーを断り、20万ドルで『ダラス・バイヤーズ・クラブ』の出演依頼を引き受けた。本作のプロジェクトに3年間を費やした彼は、第86回アカデミー賞主演男優賞を受賞しました。
ジョナ・ヒル ─ 『ウルフ・オブ・ウォールストリート』6万ドル（720万円）
『22ジャンプストリート』などのコメディ映画では数百万ドルのギャラを支払われているジョナ・ヒルですが、マーティン・スコセッシの『ウルフ・オブ・ウォールストリート』では出演料が6万ドルだったことを明かしています。スコセッシのファンだからこそ、そのギャラでも喜んで承諾したのだとか。
クリス・エヴァンス ─ 『キャプテン・アメリカ』30万ドル（3600万円）
マーベル映画は出演者への報酬がタイトなことで知られており、クリス・エヴァンズは初の主役作『キャプテン・アメリカ』では3600万円の出演料でした。しかし、『アベンジャーズ』ではギャラは200〜300万ドルに上がったと言われています。また、マーベル映画は、ハリウッドでは珍しく、メイン俳優よりもメイン女優の方が出演料が高く、マーベルのソロ作品がないにもかかわらず、スカーレット・ヨハンソンには400〜600万ドル（4.8億〜7.2億円）支払われています。
ジョン・トラボルタ ─ 『パルプ・フィクション』15万ドル（1800万円）
かつてスターであった俳優にしては非常に低い報酬ですが、当時低迷していたトラボルタはタランティーノの『パルプ・フィクション』出演をきっかけに再ブレイクをしました。
ライアン・ゴズリング ─ 『Half Nelson（原題）』1週間1000ドル（12万円）
ライアン・ゴズリングに初めてオスカーノミネートをもたらした作品ですが、日本未公開。当時無名のゴズリングには、この低予算インディペンデント映画に僅かなギャラが支払われました。
ジェイミー・ドーナン ─ 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』8万ポンド（1440万円、1ポンド＝180円換算）
当初予定されていたチャーリー・ハナムが125000ドル（1500万円）の低報酬を理由に作品を降板したため、その主演枠はジェイミー・ドーナンに渡されたが、より知名度の低い彼にはより低いギャラが条件だったと言われています。作品は世界中で5億ドル以上を稼ぎ出すヒット作となり、ジェイミー・ドーナンとダコタ・ジョンソンの主演2人は続編のギャラアップを交渉しているという。
ジョージ・クルーニー ─ 『グッドナイト＆グッドラック』12万ドル（1440万円）
ギャラに対して非常にスマートなクルーニーは12万ドルという少ない報酬で『グッドナイト＆グッドラック』の監督・脚本・出演を引き受け、オスカー6部門でノミネート、うち2つはクルーニーへのノミネート、という結果を残しました。そして、彼は『オーシャンズ12』では1500万ドル（18億円）の報酬を引き出しました。
ビル・マーレイ ─ 『天才マックスの世界』9000ドル（108万円）
超有名俳優であるにもかかわらずエージェントを持たないビル・マーレイは風変わりな役を好んで、ギャラのいい大作よりも小さな作品によく出演しています。
スペンサー・レイシー・ガーナス ─ 『アナと雪の女王』926ドル（11万1120円）
10代のエルサ役の声を務め、1日のギャラとしては十分な額でしょうが、史上最大にヒットしたアニメ映画の報酬としては安いのではないか。しかし『アナと雪の女王』の大成功により、幸運にもガーナスは残額として定期的に10000ドルを受け取っているらしい。
リンジー・ローハン ─ 『ザ・ハリウッド』6480ドル（77万7600円）
世界最大の十代のスターとして活躍していていた頃は、映画1本につき750万ドル（9億円）の出演料を稼いでいたリンジー・ローハンだったが、その人気の低下に相まってポール・シュレイダー監督が低予算で製作した『ザ・ハリウッド』では、ピーク時の100分の1以下の報酬の出演に。
トビー・パグワース ─ 『ハリー・ポッターと死の秘宝』40ポンド（7120円）
ハリー・ポッターの赤ん坊役。
バーカッド・アブディ ─ 『キャプテン・フィリップス』65000ドル（780万円）
海賊のリーダー、アブディワリ・ムセ役を務めた彼は、製作費5500万ドル（66億円）のうちの65000ドルだけを受け取った。
ショーン・アスティン ─ 『ロード・オブ・ザ・リングシリーズ』25万ドル（3,000万円）
サム役のアスティンは三部作の撮影契約を事前に25万ドルで承諾した。しかし、シリーズが大当たりするにつれ彼や他のキャストは相当な額のボーナスが支払われた。ちなみに、イライジャ・ウッドは、『ホビット』のたった2分間の出演で100万ドル（1200万円）を稼いだ言われています。
ミニー・ドライヴァー ─ 『007 ゴールデンアイ』5000ドル（60万円）
この作品の出演依頼が来た時、ミニー・ドライヴァーは一文無しでウルグアイのビーチ沿いに住んでいたそう。
オプラ・ウィンフリー ─ 『カラーパープル』35000ドル（420万円）
今では彼女は約3000億円の資産があるとされる世界唯一の黒人億万長者である女性オプラ・ウィンフリーも無名時代に、スピルバーグの『カラーパープル』に約420万円で出演。
source:http://www.telegraph.co.uk/culture/film/11449841/hollywood-actor-low-salary.html
