10月25日(水)より開催の第30回東京国際映画祭・コンペティション部門審査員記者会見が行われ、審査委員長のトミー・リー・ジョーンズと、審査員のレザ・ミルキャリミ、ヴィッキー・チャオ、マルタン・プロヴォ、永瀬正敏が出席した。
先日行われた、オープニングセレモニーで華やかな登場を飾った面々。審査委員長を務めるトミーは「私だけではなく、私たち全員にとって非常に光栄な機会を頂いていると思います」と挨拶。続けて「私はこの5人の中で唯一のアメリカ人です、そしてイラン人、中国人、フランス人、日本人と居ますが、私たちは世界を代表しているわけでも、ある特定の地域を代表しているわけでもありません。それはとても良いことだと思っています。そして私にとってはとてもハッピーな嬉しい冒険となるでしょう。願わくば、とてもうまく巧みに作られている映画であったり、観客に強制することなく、それぞれの想像や理解を招くような作品を見たいと思っいます」と語った。
またイラン人の映画監督であるレザ・ミルキャリミは「著名な映画祭と美しい国に来れて嬉しく思います。芸術作品に対して最善な審査の結果を出すのはとても難しいと思いますし、色々な要素によって、異なるでしょう。なので集中して最善を尽くしたいと思います」と話した。
中国で女優だけでなく、映画監督も務めるヴィッキー・チャオは「今回の東京国際映画祭は観客の皆さんと我々審査員のために、非常に豊かな、多種多様なジャンルの映画を選んで頂いていて、とてもありがたいです。我々は、観客の皆さんと一緒に映画の旅をしたいと思っております。映画を一生懸命見て、最適な判断をし、観客の皆さんに最善の映画をオススメしたいと思っています」と述べた。
フランス人映画監督のマルタン・プロヴォは「映画を審査する立場は非常に責任を負うものと考えております。なるべく客観的であろうと思っておりますし、作品自体は勿論、その裏側にどういった意味合いが含まれているのかまでを考えながら審査をしたいです。また世界でどういったことが起こっているのか、そんな温度感を体感できればと思います」と期待を込めた。
そして日本を代表する国際的俳優の永瀬正敏は「記念の年に審査員を務めることが出来てとても光栄に思っています。既にノミネートされている15本はそれだけで、大変素晴らしいと証明されていると思います。僕が気をつけることは全部の作品にグランプリを与えないようにすることです。楽しみつつ、観客面からも、作り手面からも、素晴らしい作品を選べればと思います」と意気込みを話した。
また質疑応答で審査基準を聞かれ、レザは「シネマティックの価値観ですね。そのあとに内容について注目したいです」と回答し、ヴィッキーは「それぞれの映画が求めている方向性、全体として映画の完成度を重要視しております」と応えた。続けてまたマルタンは「審査員という役割を一旦忘れてなるべくオープンな心を持って映画を拝見したい。いい映画であれば、心に直接届くものがあると思っています。全ての人に共通する大事な部分に響くものを持つ映画と出会えることを祈っています」と話し、永瀬も「自分の心がどれくらい動いたか、衝撃を受けたかがポイントになってくると思います。その気持ちを他の審査員の方々と共有しながらやっていければと思います」と語った。
最後に、審査委員長のトミーは「5人の異なる視線がありますが同じ考え方を持っていると思います。とにかくうまく完成度の高い映画を求めています。そしてフォーカスの視点があっているもの、さらに物語の構成や、色の使い方まで、映画作りの全ての要素が成立しているもの。うまく整合性が取れているもの。あとは人間味という要素ですね、審査員全員、本当に誠実に、深い関心を持って、人間の持つ知的な、感情的な人生の送り方や共通した要素を求めて見ていくと思います」と締めくくった。
第30回東京国際映画祭は2017年10月25⽇(⽔)〜11⽉3⽇(⾦)にわたって六本⽊ヒルズ、EXシアター六本⽊ほか開催
公式サイト:www.tiff-jp.net