李相日『怒り』撮影中は宮﨑あおいが「逃げられないようにしていた」【第30回東京国際映画祭】

映画『怒り』が1日、都内・TOHOシネマズ六本木にて開催中の第30回東京国際映画祭・Japan Now部門「銀幕のミューズたち」にて上映され、トークショーに宮﨑あおい、李相日監督が登壇した。

怒り

観客からの質問に答えるコーナーで、本作で宮﨑が演じた「『愛子』という役柄にぴったりと嵌った瞬間はありますか?」と聞かれた宮崎は「私は自分は愛子ちゃんと全く違う人間だと思っていたので、自分の中に愛子ちゃんがいる気がしていなかったので、ずっと悩んでいました。撮影に入る1ヶ月くらい前から、現場入るの怖いな、なんでやろうって思っちゃったんだろうって(笑)それくらいわからなかったんです。リハーサルでもつかめることはなくて、現場でもちょっとずつ掴めたのか、最後まで掴めなかったのか自分でもちょっとわからなかったですね」と当時の気持ちを振り返った。

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そんな宮﨑をキャスティングした李監督は「宮崎さんのいう通り、確かに違う人間なんですけど、1番繋がって欲しいところが、繋がっていると思っていました。また、それを本人が自覚していないから良いことかなって。1人の人間として色んなことがあって、皆後悔した記憶に蓋をしたり、トゲとして残したりしますけど、そこの向き合いとか。あとは、人に揉まれるうちに失ってしまいそうなものをちゃんと持っていたりとか。だから心配はしていなかったです」と宮﨑への信頼を語った。

さらに李監督は「それより問題は本人が『逃げない』ってことが1番大事だったんで(笑)千葉からでれないように、撮影現場とホテルしか行き来できないようにどうするかを、みんなで考えました(笑)」と笑いまじりに告白した。

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また、「30代の宮﨑あおいへの期待を教えてください」と言われると宮﨑は「あんまり先のことも過去のことも考えないので、今できることをコツコツやって言ったら良い30代になるのかな。と思っています。新しいことにチャレンジをしていけるといいなと。今まで自分がやったことない役に出会っていきたいです」と意気込みを語った。

その話を受けて、李監督は「僕も年齢を見てキャスティングしないので(笑)でも、チャレンジって、宮﨑あおいの口からチャレンジって言葉が出るってことじゃないですかね?楽しみです」と話し、宮崎の表情をみて「脅すわけではないよ?」と付け加えると、宮崎は冗談まじりに「怖い(笑)」と応え、笑いを誘った。

第30回東京国際映画祭は2017年10月25⽇(⽔)〜11⽉3⽇(⾦)にわたって六本⽊ヒルズ、EXシアター六本⽊ほか開催

公式サイト:www.tiff-jp.net

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