役所広司「近年ない日本映画ができた」、主演映画『孤狼の血』完成に自信!

映画『孤狼の血』合同記者会見、映画完成後全国初のイベントが27日、本作の舞台となった広島にて行われ、主演の役所広司をはじめ、共演した阿部純子、原作者の柚月裕子、監督の白石和彌が出席した。

孤狼の血

主演の役所は「広島・呉のみなさまにお世話になり、やっと映画が完成しました。映画が完成して初めての会見を広島でできたこと本当に幸せに思っています」と感謝の気持ちをあらわに。質疑応答では、映画への熱い感想が飛び交う中、白石監督に「何を目指して映画を作っていたのか」との質問が。

白石監督は「東映のプロデューサーの方から、『仁義なき戦い』のような東映が過去作っていた、『エネルギーのある、勢いや力強さ』を映画に取り戻したいというお話しをいただきました。とても監督冥利につきる思いでしたし、そのプロデューサーの方々の熱量に自分が感染してできた作品でした。ただ『仁義なき戦い』など過去の作品と同様の物を作り上げるのは難しいので、その中で何ができるのかを考えました」と語った。

孤狼の血

そんな監督の気持ちを受け止め、どのように役に取り組んだのかを聞かれた役所は「監督と初めてお会いした時に、『近年の日本映画は元気がないから元気な映画を作りたい』と言われ、脚本を読むとそのエネルギーを感じました。監督からテレビではできないような演出を指示されることもありましたが、シートベルトをしなくていい、映画ならではでしかできないことも多く、とても男らしい映画ができたと思います」と明かし、「役づくりというところでいうと、呉弁を撮影間近まで繰り返し練習し、言葉を体にしみこませて挑みましたが、大上に自分を近づけていくことができたので、呉弁は大きな味方でした。呉のみなさんに恥じないように頑張ったのですが、みなさんどうでしょうか?(笑)」と笑いを誘った。

原作にないキャラクターを演じた阿部は「現場では監督や指導の方々に支えていただけて、私としてはこの作品に携われたことがまずとてもうれしく思いました。現場で呉弁を練習していたら、役所さんが私の台詞のイントネーションまで覚えてくださっていて、現場でフォローしてくださったんです。役所さんが演じる大上は頼りになる男性なのですが、今まさにここに『大上がいる!』と感じました」と本作へ参加した思い出を明かした。

原作者の柚月は、自身の小説が映像化された感想を聞かれると「映画は圧倒されるぐらいの熱量で、いい意味で驚きました。小説では活字でないと、なりたたないミステリー要素の部分があるので、どうやって表現するのかと思っていたのですが、『このように演出するのか』というようにとても感動しました。キャストの方々はスクリーンの中とでは別人で、まさにプロでとてもすごいことなのだと、実感いたしました」と言及した。

孤狼の血

また、本作を広島でのオールロケで実施した決め手を聞かれた白石監督は「実際に現場に来てまさに昭和63年の時代のような空気感を感じられたところが大きいです。また『仁義なき戦い』は呉を舞台にしながら、呉での撮影がほとんどできてないので、何か一つでも『仁義なき戦い』のエネルギーをこの映画にもたらすには、オールロケでの撮影がひとつの方法なのではないかと思いました」と語った。

印象に残った撮影現場を聞かれた阿部は「撮影で使われた商店街がとても親しみやすく、ロケ現場と思えないぐらいでした。あとは広島焼きがおいしかったのが印象に残っています(笑)」と話し、役所も「呉の街はとても画になる街で、映画にするととても魅力的な場所だなと思っていました。撮影が休みの日はスーパーでお惣菜とか買ってました(笑)」と広島での思い出を語った。

最後に役所は「 『昭和の男』を演じてほしいと監督に言われたのですが、この作品の登場人物たちはそれぞれ『必死に美しく生きている』のだと思います。そういったところが映画全体の熱になっているのではないかと思いました。こういったぎらぎらしたものも映画のいいところだと思います」とコメントし、会見を締めくくった。

映画『孤狼の血』は2018年5月12日(土)より全国公開

【CREDIT】
出演:役所広司 松坂桃李 真木よう子 滝藤賢一 田口トモロヲ 石橋蓮司 江口洋介 ほか
原作:柚月裕子「孤狼の血」(KADOKAWA)
監督:白石和彌
配給:東映

©2018「孤狼の血」 製作委員会

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