映画は心のオアシス 注目の新作!(5月22日号)

みなさんは考えたことがありますか。果たして自分が今生きているここはどこなのか、一体自分は何なのか、そして何が真実なのかが分からなくなる…。そんな映画が今週は登場します。

THE MAZE RUNNERまずはアメリカで大ヒットを記録したティーン向け小説から誕生した『メイズ・ランナー』(5/22公開)。記憶を失った青年が目にしたのは、周囲が巨大な迷路となり、その謎を解明しないと外の世界に戻れない場所…しかもその迷路の扉は夜になると閉ざされて、一晩で迷路自身が変化してしまう。そんな恐ろしい場所にいきなり放り込まれた青年と、同じように連れてこられた若い男女たちの脱出劇を描いた、スリル満点過ぎるサスペンス。スケール感たっぷりな映像で、手に汗握る体験が味わえます。

WEB用_イニシエーション・ラブ _サブ01(PC壁紙画像・携帯待受画像には使用できません)同じくベストセラー小説を映画化して話題を呼んでいる日本映画が『イニシエーション・ラブ』(5/23公開)。一見純粋なラブストーリーが、最後の2行に仕掛けられたどんでん返しで驚愕のミステリーに!驚くべき内容ですが、はたしてどんでん返しを映像でどう表現するのか…。バブルまっただ中の1980年代後半の静岡で、就職活動中のウブな大学生・鈴木が、合コンで知り合った女性との日々で変わってゆく物語と、就職して東京に出てきた鈴木が、会社の同僚女性に恋心を抱く物語が平行して描かれますが…。主演は松田翔太と前田敦子。「最後の5分、すべては覆る」。原作とは異なる衝撃のエンディングということで、『SPEC』『TRICK』シリーズの堤幸彦監督の仕掛けは必見ですね。

1251623 - Chappieそしてもう1本の話題作『チャッピー』(5/23公開)は、自ら考え、感じて成長する人工知能(AI)を搭載したロボット“チャッピー”を巡る物語。犯罪都市ヨハネスブルグ。ロボット開発者が作ったロボットがストリートギャングに誘拐されてしまい、驚異的な吸収力でギャングとしての生き方を学びますが…。『第9地区』『エリジウム』のニール・ブロムカンプ監督が、リアルで生々しいドラマ部分を土台に創り上げるSF世界の現実感はまさに異色。自分が何者かも知らない無垢の子供のような主人公チャッピーの愛らしい姿と、激しいアクションやリアルな描写がドラマの世界に入り込ませ、彼の衝撃の運命が心を打ちます。シガーニー・ウィーバー、ヒュー・ジャックマンらの名演もドラマの深みを増しています。
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ここからは心を打つ名作2本をご紹介。

main『ロゼッタ』『ある子供』でカンヌ映画祭パルムドール賞を受賞した名監督ダルデンヌ兄弟の『サンドラの週末』(5/23公開)は、マリオン・コティヤールを主演に描く、等身大のひとりの女性の物語。体調不良で休職し、ようやく復職できる矢先の金曜日に、上司から解雇すると通告されるサンドラ。解雇を免れる方法は16人いる同僚の過半数が、ボーナスをあきらめてサンドラを再び迎えること。それを知ったサンドラは家族に支えられながら、週末、同僚たちを説得してまわりますが…。名監督の研ぎ澄まされた演出と、華やかさを封印したマリオン・コティヤールの確かな演技が光ります。

メイン画像そして日本の名作は、名監督・岡本喜八を長年プロデューサーとして支えてきた妻の中みね子(岡本みね子)が、76歳にして挑戦した初監督作品『ゆずり葉の頃』(5/23公開)。彼女のために、八千草薫、仲代達矢、岸部一徳、風間トオルら岡本喜八作品でおなじみの豪華名優が集結しています。主人公の市子が少女の頃に思いを寄せていた人は、今では国際的な画家となっていました。彼の個展の記事を目にした市子は、秋深まる軽井沢へと旅立ちます。思い出の一枚の絵を求めて…。後を追う息子の進はまだ知りません、戦後の貧しさの中で封印した母の思いを…。優しい視線に満ちた、思いを描く人生賛歌です。

バカヴォン_キービシュアル最後に楽しい笑いをお求めの皆さんに!『天才バカヴォン 蘇るフランダースの犬』を勧めちゃいましょう。天才マンガ家・赤塚不二夫の傑作「天才バカボン」を、『秘密結社 鷹の爪』などのFROGMANが長編アニメーションとして制作。感動の名作「フランダースの犬」の物語を加えることで、まさにFROGMANの奇妙でばかばかしく、可笑しくてたまらない世界が出現!ネロとパトラッシュは天国にゆかず、悪の手先となって現代に蘇りますが、バカボン一家に出会い…ぜひ笑って下さい!

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© Les Films du Fleuve - Archipel 35 - Bim Distribuzione - Eyeworks - RTBF(Télévisions, belge) - France 2 Cinéma
(C)岡本みね子事務所
©天才バカヴォン製作委員会

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