是枝裕和が総合監修、オムニバス映画『十年』に杉咲花、國村隼、太賀ら集結

10年後の社会、人間を描く国際共同プロジェクト「十年 Ten Years International Project 」の日本版、『十年 Ten Years Japan』が2018年秋に公開される。

十年

本作は、香港で社会現象となったオムニバス映画『十年』を元に、日本、タイ、台湾それぞれで、自国の現在・未来への多様な問題意識を出発点に、各国約5名の新鋭映像作家が独自の目線で10年後の社会、人間を描く国際共同プロジェクト「十年 Ten Years International Project 」の日本版。

日本版のエグゼクティブプロデューサーは、6月8日公開の映画『万引き家族』が第71回カンヌ国際映画祭に自身5度目のコンペティション部門への出品が決定した是枝裕和監督。若手監督の育成を日頃より実践している是枝監督だが、オムニバス映画の総合監修を務めるのは自身初の試みとなる。

家族の個人データをデジタル遺産として受け継いだ家族の物語『DATA』(津野愛監督)の主演に杉咲花。産まれてすぐに亡くなった母の面影を求め、デジタル遺産によって明らかになる母の知られざる一面をたどる女子高生を演じる。

AI知能で道徳を刷り込まれた特殊学区の子供達を描く『いたずら同盟』(木下雄介監督) の主演に國村隼。『美しい国』(石川慶監督)で主演を務めるのは、『海を駆ける』など話題作への出演が続く若手実力派俳優の太賀。自衛隊徴兵制が義務化された日本で、徴兵制告知キャンペーンを請け負った広告代理店で働く若者を好演する。

75歳以上の高齢者に安楽死を奨励するという未来版“姥捨て”を描く『PLAN75』(早川千絵監督)の主演に川⼝覚。大気汚染によって地下への移住を強いられた母娘の姿を描く『その空気は見えない』(藤村明世監督)の主演に池脇千鶴がキャスティングされた。

杉咲花 コメント


記憶のなかにあるもの、自分だけが目にしたものは、その他のどんなものにも変えがたいかけがえのない宝物で、たったひとつの秘密で。それを誰かに教えてみたり、逆に知ったり、信じたりしながら生きてゆく私たちの命は、とても尊いものなのだな、と改めてこの「DATA」という作品に思わせていただきました。確かに存在したはずの小さな光にいつまでも目を向け続ける、舞花のピュアでまっすぐな人柄にとても魅力を感じました。優しい空気の流れる津野組はとても居心地が良く、とても幸せな時間でした。

國村隼 コメント


10年後の母国を想う…。現在、アジアそれぞれの国で起こっている様々な問題や出来事、自然の事象。それらを踏まえて激動する東アジア各国の10年後を見据え、これを映画で描きだしていく。このアイデアにとても興味を持ち、共感も出来ました。またその作品群の先鞭をつけたのが、僕のキャリアにとても縁の深い香港だという事も参加への大きな後押しとなりました。この企画に関わった国々がお互いに共感したり影響しあったりして、そこからまた何かが生まれるだろうと、それもまた楽しみにしています。

太賀 コメント


「美しい国」の脚本を読んだ時、途方もなく突き放された気持ちになりました。それは主人公と同じような、自分自身の無自覚さへの失望でした。出演を即決しました。近い将来がどうなってしまうのか、映画でさえ必要とされているのかもわかりませんが、変わりゆく日本でこうした作品がいま産み落とされる事にとても意義を感じます。石川組に参加出来た事を誇りに思います。

川口覚 コメント


人間は、自分以外の人の本当の心の中を一生知らずに死んでいくものなのかもしれない。そんな事を感じながら、今、この時代に生きる者として、10年後というテーマを掲げた映画に俳優として携われた事にとても感謝しています。早川監督はじめスタッフの皆様と、素敵な共演者の方々と「PLAN75」のテーマを切実に受け取り、撮影に臨みました。ぜひ沢山の方にご覧いただきたいです。

池脇千鶴 コメント


どんなプロジェクトであろうと、本が面白ければ参加したいと常々思っております。「その空気は見えない」も、とても短いお話ゆえに、想像をかきたてられる本だったので、面白そう、やってみようと思いました。撮影期間は短かったですが、もっとじっくりやりたかったと思わせてくれる現場でした。監督のことも、スタッフのみなさんのことももっと知りたかった。その儚さも短編の良いところでしょうかね。わくわくする現場をありがとうございました。

映画『十年 Ten Years Japan』は2018年秋、テアトル新宿ほか全国順次公開

(C)2018 “Ten Years Japan” FilmPartners

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