映画『君が君で君だ』上映後トークイベントが12日、都内・新宿バルト9にて行われ、高杉真宙と松居大悟監督が登壇した。
高杉は劇中で、ヒロインであるキム・コッピのダメ彼氏役・宗太を演じているが、イケメン俳優という面影は微塵もなく、今作では無精髭を生やし髪の毛も無造作。見るからにダメ彼氏役を好演している。
MC から初めて脚本を読んだ感想を聞かれると、高杉は「最初はびっくりしました。ただ松居監督の作品をいくつか見させていただいていたので、監督とご一緒したいという気持ちはありました」と語り、「自分がやったことのない役でもあり、キャストの皆様も素敵な方ばかりだったので、どんな作品になるのかなと思いながら読ませていただきました」とコメント。
高杉へのオファーの理由を聞かれた松居監督は、「この世代で、いわゆる王子みたいな役者さんの真宙ってほんと貴重だなと思って、あまりこういうタイプの人はいないなと思いオファーしました。そして、一緒に読み合わせやリハーサルをしていく中で、狂気というか底力のようなものを感じた」と語った。また、高杉への役作りの依頼について「とにかくクズになってもらいたかったので、パチンコ屋やゲーセンとかに入り浸ってほしい、あと髭を伸ばしてくれとお願いしました」と明かした。
共演者との撮影について聞かれると、高杉は「激しい撮影でした。迫力のあるキャストの皆さまですし、演技もすごかったです。自分がその中にいることができたのが幸せで、現場ではずっと緊張していました」と撮影現場の緊張感を振り返った。特に覚えているシーンについて「満島さんに連れていかれて、羽交い締めにされて首輪をつけられるところです。なかなか無い経験ですし今後も首輪をつけられることはないかな」と貴重な体験を語った。
本編を見た印象について、高杉は「泥臭くて、男3人の愛情で気持ち悪さとかもあるのではと思っていて、もちろんそれはあったのですが、松居監督の作品って、どれも綺麗だなっていつも思うんです。気持ち悪さはあるけどその中で青春がある感じがして、最初見た時にやっぱり綺麗だなと思いました」と明かす。高杉の凄みを聞かれると、松居は「この3人(池松、満島、大倉)が、がっつり組んでやっているとすごい圧があると思うんですけど、この圧に対して全く物怖じしないでいるのって結構なエネルギーがいると思うんですけど、最初からそれをスッとやっていてすごい現場力というのを感じた」と高杉を褒めたたえた。
最後に「この作品を見て、これまで僕自身は“自分が自分で自分だ”だったのですが、ここまで人のために尽くして生きていくって素晴らしいなと考えさせられました。皆さんがこの映画をどのように感じるのかとても気になりますが、感情が伝染すればいいなと思っております」と高杉が締めくくり、会場は大きな拍手に包まれた。
映画『君が君で君だ』は新宿バルト9他にて公開中
(C)2018「君が君で君だ」製作委員会