映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』
クリストファー・マッカリー監督インタビュー
2015年公開『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』で、主人公のイーサン・ハントを演じるトム・クルーズから絶大な信頼を得たクリストファー・マッカリー監督。同シリーズで初めて同一監督による続投となった最新作『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は、トム本人がヘリコプターを操縦したり、成層圏に近い高度7,620mからの“ヘイロージャンプ”を実際に行うなど、度肝を抜くスタントシーンがてんこ盛り。プロモーションで来日したクリストファー・マッカリー監督のインタビューをお楽しみください。
──前作『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』とは全く違うスタイルに変えることに挑戦されたそうですが、具体的にどのように変えたのでしょうか?
クリストファー・マッカリー監督(以下、マッカリー監督):前作よりダークなもの、そして“よりエモーショナルな映画に”なるように工夫しました。これは非常にリスキーなことです。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』と前作(ローグ・ネイション)は、どちらも成功した映画。にも関わらず、この2つのパターンを壊して、新しいものを作り上げるのは容易いことではなかったんです。作曲家からプロダクション・デザイナー、コスチューム・デザイナーなど、クリエイティブチームのメンバーをほとんど変えて、これまで一緒に仕事をしたことのなかった人達を集めました。その中には、こういう大作映画に関わったことのないスタッフもいたんですよ。
──超人ヒーローが世界を救う大作シリーズもありますが、「M:I」シリーズは大勢を救うのと同時に、目の前にいる人や仲間を救いたいという気持ちをイーサン・ハントが持っているところが“人間らしくてカッコいいヒーロー”だと思わせてくれます。監督の思うヒーロー像とは?
マッカリー監督:エクセレントな質問ですね。僕がイーサンを好きなのは、スーパーヒーローじゃないところ。彼はヒーロー的な行動をとるしかないから、そうしているのであって、必ずしもやりたくてやっているのではないんですよね。それに、トム自身もイーサンとして弱さや脆さを見せることを恐れません。それこそがイーサンを人間らしく魅せているところなんじゃないかと。あと、超人的なこともやってはいますが、あくまでも技術やテクノロジーに助けられているからできることなんですよね。そう考えると、イーサンもヒーローですが、技術能力の高いベンジーも同じようにヒーローなんです。観客の中にはイーサンみたいにはなれないけど、ベンジーがやっていることなら“自分にもできるかも”と親しみを感じてくださる方もいますしね。このシリーズは、チームの仲間がお互いにとってすごく大切な存在で、だからこそそれぞれを人間らしいヒーローとして描くことを大事にしながら作っていきました。
──もしかすると、次回作の監督も務めることになるのではありませんか?
マッカリー監督:前作(ローグ・ネイション)でエアバス社の軍用輸送機A400Mにイーサンがしがみつくシーンを撮り終えたときに、「これ以上のことはできないから次回作の監督はすごく可哀想だね」なんてシネマトグラファーと話していたんです。そしたら自分に次回作の監督の話がきてしまった(苦笑)。今までの型を破って作った今作も、公開されたあとの評判を聞くと非常に良いので、次回作のことを考えると恐ろしいです(笑)。とりあえず2週間ぐらいバケーションが欲しいですね。次回作はまだわかりませんが、まずはゆっくり休みたいと思います(笑)。
映画『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』は8月3日(金)より全国公開
© 2018 Paramount Pictures. All rights reserved.
取材:奥村百恵/撮影:小宮駿貴