「“女優・深川麻衣”を多くの人に知ってほしい」乃木坂46卒業後に抱いた“目標”|第10回TAMA映画賞 最優秀新進女優賞 受賞インタビュー

深川麻衣「第10回TAMA映画賞」最優秀新進女優賞 受賞インタビュー

深川麻衣
深川麻衣

2016年6月に乃木坂46を卒業し、その後はドラマや舞台などで女優として活躍の幅を広げてきた深川麻衣。映画初出演にして初主演を果たした『パンとバスと2度目のハツコイ』(以下、“パンバス”)では“恋愛こじらせ女子”の主人公・市井ふみを魅力的に演じ話題となった。今作で「第10回TAMA映画賞」の“最優秀新進女優賞”を受賞した深川に、受賞の報告を受けての感想や女優としてチャレンジしたいことなどを聞いた。

──今年最も飛躍した女優や顕著な活躍をした新人女優を表彰するTAMA映画祭の“最優秀新進女優賞”を受賞されましたが、今の心境をお聞かせ頂けますか。

深川麻衣
深川麻衣

深川:このような素敵な賞を受賞したと最初に聞いたときはもの凄くビックリしました。私にとって“パンバス”は思い入れのある大切な作品なので嬉しかったですし、今泉力哉監督も最優秀新進監督賞を受賞されたと知って喜びが倍増しました。

──映画初出演にして初主演ということでプレッシャーも大きかったと思いますが、いま改めて撮影を振り返ってみていかがですか?

パンとバスと2度目のハツコイ
(C)2017映画「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会

深川:今泉監督のオリジナル脚本なので、完成が見えている状態というよりはその場その場で監督と話し合いながら進めていった現場でした。ラストをどうするか最後まで監督が悩んでらっしゃって、 “どう思う?”と私に意見を聞いてくださる事もあって。そんな風にひとつひとつのシーンをじっくりと相談しながら撮影したのは初めての経験でしたし、のびのびと演じさせて頂けたと思います。初めての映画の現場でわからないことだらけだったんですけど、監督やスタッフさん、キャストの皆さんが温かい雰囲気を作ってくださって、全員でひとつの作品を作っているんだということを実感することができました。

──今泉監督の作品に対してはどんな印象を持っていましたか?

深川:“パンバス”もそうですけど今泉監督の作品は恋愛だけではなく、登場人物達の日常も凄く丁寧に描いている印象を持っていました。見知らぬ人の生活を覗き見しているようなリアルさを感じさせてくださいますし、登場人物達と近い感覚になれるのも面白いですよね。リアルな日常を描くことでより共感できたり、観る人の気持ちに寄り添ってくれる作品になるんだなと、“パンバス”の撮影を通して改めて感じました。

──ご自身の姿をスクリーンで初めてご覧になったときはどう思いましたか?

深川:正直、自分のお芝居を観るのは苦手なんですけど(笑)、自分が演じているのに自分じゃない人を観ているような不思議な感覚になりました。それと同時に撮影の時のことを思い出して色々な感情がこみ上げてきましたし、エンドロールで自分の名前が出た瞬間はもの凄く嬉しかったです。

──客観的に今作を観てどんな感想を持ちましたか?

パンとバスと2度目のハツコイ
(C)2017映画「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会

深川:誰かが誰かのことを想っていて、その誰かをまた別の誰かが見ているというのがとても興味深かったです。監督のこだわりが随所に散りばめられているのが観ていて伝わりましたし、ふみと「三代目 J Soul Brothers」の山下健二郎さん演じるたもつと志田彩良さん演じる二胡の3人が次々とトイレに行く長回しのシーンも面白くて笑ってしまいました(笑)。この長回しのシーンの撮影は今でも凄く印象に残っています。

──“パンバス”は女優としての大きなステップアップになった作品だと思いますが、お芝居に対する意識は変わりましたか?

深川:最初は主演というのは現場を盛り上げたりまとめる役割も担っていると思うので凄く責任感を感じました。でも、自分の中で “主演とはこうあるべき”という固まったイメージや役作りしていったものをそのまま出せばいいというわけではなくて、現場で監督が演出してくださったことに対応できる力が大事なんだということを学びました。自分では気付かなかった引き出しを開けて頂いたり、自分の考えとは全く別方向からアドバイスして頂けたことも大きかったです。ふみは普段の私に近いキャラクターではありますけど、先ほどお話しした“自分なのに自分じゃない感覚”というのは今泉監督が新しい引き出しを開けてくださったからなんじゃないかなと思います。

──今年ももう少しで終わりですが、2018年を振り返ってみていかがですか?

深川麻衣
深川麻衣

深川:沢山の出会いの中で色んな言葉やアドバイスを頂いたのですが、それが今後の自分にとって凄く大事なものになっていくんだろうなと感じた一年でした。舞台「椿姫」の原画を担当させて頂いたり映画の主演を務めさせて頂いたり、自分の好きなことがお仕事に繋がっていくのはとても幸せなことだなと実感したので、これからもやりたいことを少しずつ実現できたらいいなと思っています。

──女優としての今後の目標を教えて頂けますか。

深川:ひとつひとつ頂いたお仕事としっかりと向き合って、それが他のお仕事にも繋がっていくように全力でやりきりたいと思っています。あと、いつか時代劇にも挑戦してみたいです。

──時代劇がお好きなんですか?

深川:時代劇に出てくる女性は命がけで毎日を生きていたり、自由ではないけど強く生きていてカッコいいイメージがあるんです。そういうカッコいい女性を演じてみたくて(笑)。

──カッコいい女性には憧れてしまいますよね。ちなみに憧れの女優さんはいますか?

深川麻衣
深川麻衣

深川:憧れの女優さんや尊敬する女優さんは沢山いるんですけど、この女優さんみたいになりたいというよりは、まず“女優・深川麻衣”を多くの人に知ってもらわなければと思っています。“深川麻衣にこの役を演じてもらいたい”とか“深川麻衣が出ているなら観てみよう”と思って頂けるような魅力のある人になるのが目標です。というのも、ずっとグループで活動していたので、女優としてやっていくにはセルフプロデュースも必要なんじゃないかなと思っていて。

──乃木坂46で活動されていたときは個性を全面に出すというよりもグループ感が大事だったりしますしね。

深川:そうなんです。もちろん自分が何かを懸命に頑張ることでグループに還元できることもあるんですけど、チームとしての一体感も大事にしなければいけなかったので“これがやりたい”と主張することは少し怖かったんです。でも、乃木坂46を卒業して一人になってからは、自分が思っていることを言葉にすることの大切さを感じるようになりましたし、セルフプロデュースというか、自分をちゃんと発信していくことも大事だなと思うようになりました。

──今後の深川さんの活躍がとても楽しみですが、来年の春には今泉監督と再びご一緒された『愛がなんだ』の公開が控えていますね。

深川麻衣
深川麻衣

深川:まさかこんなに早く今泉監督とまたご一緒できるとは夢にも思ってなかったので驚きました(笑)。来年も色んなことに挑戦していきますので、新たな一面を観て頂けるような年になればいいなと思っています。楽しみにしていてください!

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深川麻衣
『パンとバスと2度目のハツコイ』初回限定版

映画『パンとバスと2度目のハツコイ』Blu-ray&DVDは11月21日(水)発売
商品の詳細は公式サイトDVDページ(http://pan-bus.com/dvd/index.html)まで。

(C)2017映画「パンとバスと2度目のハツコイ」製作委員会

取材:奥村百恵/撮影:小宮駿貴

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作品情報

パンとバスと2度目のハツコイ

パンとバスと2度目のハツコイ

4.2
2018/2/17 (土) 公開
出演
深川麻衣/山下健二郎(三代目J Soul Brothers)/伊藤沙莉/志田彩良/安倍萌生/勇翔/音月桂 ほか
監督
今泉力哉