映画『ばるぼら』製作発表会見が20日、都内・帝国ホテルにて行われ、キャストの稲垣吾郎、二階堂ふみ、監督の手塚眞が出席した。
禁断の愛とミステリー、芸術とエロス、スキャンダル、オカルティズムなど、様々なタブーに挑戦した問題作「ばるぼら」。手塚治虫“禁断のアダルトマンガ”、その独特な世界感から“映画化不可能”と言われた本作が、手塚治虫生誕90周年を記念し初映像化。
監督は、手塚治虫の実子であり『白痴』『ブラックキス』など独特の映画美学により国際的に評価される手塚眞が務める。撮影監督には、ウォン・カーウァイ監督作品などの映像美で知られる鬼才クリストファー・ドイル。稲垣吾郎が異常性欲に悩まされている売れっ子耽美派小説家を、自堕落な性格のフーテン女を二階堂ふみが演じる。
日本・イギリス・ドイツのクリエイター陣が集結し、国際共同制作をしていく本作。手塚監督は「父親の原作は自分にとって家族のようなもの。父親の漫画を原作として、実写の映画を撮るのは今回が初めてとなります。『ばるぼら』は私にとって特に思い入れのある作品です」とコメント。
数多ある手塚作品の中から「なぜ『ばるぼら』を選ばれたのか」「時代設定について」質問が及ぶと、手塚監督は「大人に漫画を子供の頃から読んでいた、いけない子供でした(笑)今まで私が監督として表現してきたこと、父親のこの作品に何か接点を感じたからです」と明かし、時代設定については「内容については触れることはできませんが、観ていただければ“なぜ今作られたのか”がわかるかと思います。時代は70年代から現代に置き換えています」と言及した。
稲垣は「とても刺激的な作品。愛と欲望に取り憑かれていくキャラクターを演じます」と話し、手塚作品の実写版に参加して「本当に光栄に思います。自分にとって新しい挑戦になりましたし、今のタイミングでなければ演じられないキャラクターでした。すごく感慨深いです。愛がむき出しになった僕を皆さんに楽しんでいただけると思います」と胸の内を明かした。
二階堂は「原作は非常に力強く、不思議な物語だったので、色んなことを考えながら参加させていただきました」と話す。「鉄腕アトム」「火の鳥」などとは違ったテイストの原作を手にして、「どちらが本当の手塚先生なんだろうと。すごく不思議で、ちょっと謎ができるような感覚になりました」とコメントした。
最後に稲垣は「手塚監督とクリストファー・ドイルさんのコラボレーションによる世界観が、本当に美しく甘美的で、それでいて少し退廃的でいて。自分の好みにもあっていたし、そこで演じられた時間は夢のようでした。今思うと『現実なのかな?』って思うくらいフワフワとしています。そう誘ったのは“ばるぼら”を演じた二階堂さんであって。今までに経験したことのないような出来事でした。壊れゆく中でしか出せないような、色気や尊さがあって、そう言ったものも感じていただけるような作品になっていると思います」と振り返った。
映画『ばるぼら』は2019年全国公開
(C)2019 Barbara Film Committee