映画『ギャングース』初日舞台挨拶が23日、都内・TOHOシネマズ日比谷にて行われ、キャストの高杉真宙、加藤諒、渡辺大知、林遣都、山本舞香、篠田麻里子、MIYAVI、監督の入江悠が登壇した。
講談社『モーニング』で連載していた同名の人気漫画を実写化した本作。今年の1月からの撮影を振り返り、印象に残っているシーンを聞かれたサイケ役の高杉は、「最初のタタキのシーンです。霧も出て雰囲気が良くて、サイケも僕自身もすごくテンションが上がって“生きてる”って感じがした瞬間です」と答えた。
続いてタケオ役の渡辺は本作がアクション初挑戦となったが、「綺麗なパンチやキックじゃなくて、しがみついたり必死な、リアルな喧嘩。泥臭いアクションができて良かったです」と振り返った。
また、本作でサイケたちと対峙する反グレ系組織のトップ・安達役のMIYAVIとのシーンについてカズキ役の加藤は、「MIYAVIさんは安達そのもの。オーラがすごくて、僕ら3人は演技じゃなくて本当にビビってました。カメラがカットになった瞬間、氷をガリガリ食べてて、まるで恐竜みたい、って話をしていました」とMIYAVI本人を前に語り、会場は爆笑の渦に。
そんな安達役のMIYAVIは、「前日にアクションをやると知って驚きました。でも、主人公達3人がまっすぐぶつかってきてくれたので、その心の骨をどう折るか考えながら安達を演じました。タケオが何気に力が強かった」と言うと、渡辺は委縮しながらも「すみません、MIYAVIさんからほとばしる想いがすごくて、気持ちで負けないように鼓舞してぶつかりました」と語り、MIYAVIは「ミュージシャン同士なのでセッションしてた感じ」と楽しそうに語った。
続けて、入江監督の前作『ビジランテ』から二度目の参加となる篠田は、「入江監督は人見知りみたいで、2作目にしてちょっとだけ目を合わせてくれるようになりました。入江監督は、自分の中のブラックな部分を引き出してくれて、人間の裏の見極める力がすごい」と語った。
本作で、サイケたちにタタキの情報を渡す情報屋で道具屋の高田役を演じた林は、「サイケたちの面倒を見ながらも裏社会の人間として、馴れ合いから一線引いた得体の知れなさを意識しました。高杉くんの鬼気迫る雰囲気に圧倒されないよう、高田として僕も上に立ちたかったので「殴っていい?」と聞いたら「なんでもきていいですよ」と答えてくれたので、撮影に臨みました」とエピソードを語った。
また、今回キャバ嬢のユキとしての出演した山本は「キャバクラに行ったことはもちろんないけど、周りにいた本物のキャバ嬢の方をお手本に演じました。カットされたけど、高いピンヒールで走るシーンがあって本当に辛かった」と幻の未公開シーンを暴露し、会場を沸かせた。
漫画作品の実写化ということで、監督の入江は「エンターテインメントだけど、社会の貧困などはリアルに描こうと絶対に決めていて、娯楽だけど生々しく。映画はキャスティングが7割というけど、本作はその一瞬に懸ける集中力がすごい人が本当に多くて。でも、今回ミュージシャンが多かったのはたまたまです」と語った。
最後に高杉は、「この話をいただいたときに、自分がいる世界なのにこの国の社会問題を知らないことが多く、衝撃を受けました。僕らはそれを伝えられる職業だから、それを演じて伝えていきたい。劇場を出るときに見える世界が変わってくれたら嬉しいです」と映画のヒットと共に、未だ知られずにいる社会問題の認知を願い、イベントを締めくくった。
映画『ギャングース』は全国公開中
©2018「ギャングース」FILM PARTNERS ©肥谷圭介・鈴木大介/講談社