映画『ヒューマン・フロー 大地漂流』公開記念 初日トークイベントが12日、シアター・イメージフォーラムにて行われ、丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)が出席した。
いま最も世界に影響力があるとされている現代美術家、アイ・ウェイウェイが監督を務める本作は、23カ国40カ所もの難民キャンプと国境地帯を巡り、貧困、戦争、気候変動などで増え続ける難民たちの今をカメラに捉えたドキュメンタリー。
TV番組「クレイジージャーニー」(TBS系列)にて、世界中のスラム街や犯罪多発地帯を渡り歩く“危険地帯ジャーナリスト”として出演している丸山ゴンザレス。映画を鑑賞して「予備学習0で観るよりは知識はありましたが、この映画に収められていたもの全てを把握していたわけではなかった。これ以上のことが現実に起きているんだろうと思います」とコメント。
難民支援活動を行っているUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が先日、「望まぬ結婚を強いられていた」中東の若い女性が自身の置かれている現状をSNSで発信したところ、UNHCRが情報をキャッチして彼女をサポートしたエピソードを話す。丸山は「この映画では団体を主にしていますが、個人に対してもUNHCRは対応している組織だということを念頭において観ていただきたい」と述懐。
また、2015年冬にギリシャからドイツまでを陸路で難民の方々と旅をしたという丸山。「見た目を難民寄せしようと思い作業着を着ていたんですが、びっくりしたのが難民の人たちは現地ですでに支援を受けていて、服装がすごく綺麗だった。逆にわざとボロボロにしていた僕が浮いているような状態(笑)イメージしていた難民と違う第一印象を受けた。その後も、皆さんFacebookやスマホを使って情報をキャッチしていたり、炊き出しが不味くて手付かずな状態だったり…」と実体験を明かす。
さらに、「アフガニスタンやシリアの人たちが多く、比較的お金持ちだったであろう人が難民になっていたんです。今日僕らがこの国にいられなくなって、着の身着のまま海を渡ってどこかの国にたどり着き、いきなり不味い飯を食べなければいけなくなるかもしれない。難民は僕らと何も変わらない。特別な存在じゃないんです。特殊な環境に置かれた僕らだと思います」とコメントした。
映画『ヒューマン・フロー 大地漂流』はシアター・イメージフォーラム他にて公開中
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