映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』トラ泣き感謝!御礼舞台挨拶が5日、都内・TOHOシネマズ日比谷にて行われ、主演の北山宏光(Kis-My-Ft2)をはじめ、多部未華子、筧昌也監督が登壇した。
約500名の観客で満席状態となった会場に加え、47都道府県を含む全国70の劇場にて生中継された本日の舞台挨拶。熱気に包まれた場内に北山らが登場すると、各劇場からは割れんばかりの拍手と黄色い歓声が送られた。
本作で映画初出演にして初主演、そして初猫役に挑んだ北山は、報道陣からの大量のフラッシュを浴びながら、全国の劇場に集まった観客に対して手を振り笑顔で挨拶。続く多部、筧監督も、「今日は楽しんでいってください!」と喜びを語った。
初めにMCから、本作が映画サイトやSNS上で高い鑑賞満足度を記録し、多くのリピーターが劇場に足を運んでいる現状が伝えられた北山は、「もちろん(反響の声は)届いてます!先日も、ムキムキの元マネージャーさんから「泣いた!」と連絡いただいて。普段、泣きそうじゃない方からも泣いたという声をいただけるのは、嬉しいです」と感謝の気持ちを告白。続く多部も、「親友がこれから観に行くと言っていたので、感想はこれからですが、楽しみです」と期待を寄せる中、筧監督が「『ハリウッドリメイクしたら?』って勧められたりもしました。こんなに大胆な猫表現は世界中探しても中々無いから、意外といけるんじゃないかなって(笑)」と豪語すると、北山もすかさず「What‘s!?」とハリウッド化を意識したジョークを飛ばし、笑いを誘った。
北山は改めて、各界から“ハマリ役”と評判だった<トラさん=猫役>への挑戦について、「斬新だったので、1シーン1シーン楽しみながらやらせていただきました。猫の動画を見て研究したりはもちろん、猫すぎず、猫と人間のバランスを取っていくのが難しかったかなと思います」としみじみ述懐。一方、北山演じる寿々男を支える妻・奈津子役で本格的な母親役に初挑戦した多部は、和やかな現場の様子を明かしつつ、猫姿の北山に向かって演技することについては、「寿々男として一緒に居る方が違和感があるくらい、北山さんの猫姿がすごく馴染んでいた」と飄々とコメント。
多部の発言に、「寿々男としては違和感あったの!?」とツッコミ、「本当に猫スーツを着ている方が、みんな優しくて。それ以外はあんまり構ってくれなかった(笑)」と嘆く北山に対し、「いつも現場を盛り上げようとしてくださっていたので、私もこーちゃん(平澤)もすごく楽しかったです!こうして楽しい撮影を経て、映画が公開を迎えることができたのも、北山さんのおかげです!!」と焦った多部がフォローを入れると、会場は再び笑いに包まれた。
トーク中には、作品公式twitterにて一般応募された、鑑賞者の「#トラさんイチオシシーン」を発表する企画も行われ、最も反響の大きかったという【寿々男と奈津子が最後に笑い合うシーン】に話が及ぶと、北山は「僕の感覚ですけど、寿々男と奈津子のどっちが先に笑い出すか、という“かけひき”みたいな空気が実は撮影中には漂っていて。多部さんから先に笑い出してくれたんです。大事なシーンだったのでよく覚えています」とエピソードを披露。一方の多部は、「私はそのかけひきが記憶にないのですが…(笑)」と申し訳なさそうに笑いつつ、「でお、あのシーンは台本を読んだ時に、『なんで2人は笑い合うんだろう』と、結構考えを巡らせたシーンでした」と、感慨深い様子で語った。
また、次に反響の高かった【トラさんが、スーパーに向かう途中で歌う、“アブリサーモンの唄”】ついては、監督が「僕が前半部分にラップを入れようと北山くんに提唱して、後半は北山さんが考えてくださっったので、まさに2人の共作で生まれました」と誕生秘話を明かした。
終始盛り上がりをみせたトークに加え、イベントでは特製“トラ猫”ケーキのお披露目も行われ、ケーキが壇上に運ばれるとひと際大きな歓声が。キュートなトラさんが寝そべる特製ケーキに、北山や多部も揃って「可愛いし、美味しそうですね!」と笑顔を見せた。
さらに、イベントの後半には、北山への“スペシャルサプライズ”を実行。今回、番組出演や取材等で100媒体を超えるメディアに出演、公開後には、筧監督とともに2日間で2,372kmもの距離を横断し、全国5カ所計10回の舞台挨拶に登壇した<座長・北山>に対し、筧監督がサプライズの手紙を披露した。
北山は「手紙はちょっとずるいですよ…!」と驚きつつ、映画初出演ながら真摯に役に向き合った北山に対し、筧監督の口から手紙を通して感謝の言葉が送られると、感激した様子で「『監督がどう思ってるのかな』って日々思いながら、撮影中はコミュニケーションを取らせていただいていたところもあって…。こんなにありがたいお手紙をいただけて、嬉しいです。映画って本当にみんなで作るものなんだなって、改めて感じました」とコメント。手紙とともに、監督自らが書き下ろした、トラさん姿の寿々男(北山)、奈津子(多部)、娘の実優(平澤)ら“高畑家”が描かれた、温かなタッチのイラストがプレゼントされると、「可愛い!これは家のリビングで飾ります」と目を輝かせた。
最後に、「すでに多くの皆さんに観ていただいて、沢山の声も届いていますし、本当に嬉しいです」と、喜びを噛みしめた北山は、「素晴らしいスタッフ・キャストの皆さんと愛情をこめて作った映画ですので、これからご覧になる方も、ぜひ劇場で楽しんでもらえると嬉しいです」と締めくくり、作品を改めてPRした。
筧昌也監督からの手紙・全文
北山君へ
北山君、この度は「トラさん」の主演を担ってくれて、ありがとう。
映画初出演にして、初主演、そして初猫。オファーが来たら、誰もが何度も聞き返すであろう、この斬新すぎる企画。最初から最後まで前向きに取り組んでくれたこと、本当に感謝しています。また、撮影している間も、多部さんや宏々路ちゃんと本物の家族をつくるべく取り組んでくれたのは、本当にありがたかったです。
つまり、北山君は、自分の頭に演出家を持っている俳優さんです。良い俳優さんは、皆頭の中に小さい演出家を抱えています。つまり、“リトルみっくん”です。その、“リトルみっくん”をこれからも大切に育てていってください。ちなみに僕も“リトルまーくん”を大切にしていきます(笑)
数多くの宣伝取材や収録も本当にお疲れ様でした。全11回に及ぶ舞台挨拶ツアーも楽しかったです。
舞台上で2人で話していく内に、次第に息もあってきて、僕等は来年あたりM-1も出られるんじゃないかなと思っています。
「トラさん」は、沢山の方に観ていただき、熱い感想や映画的な評価をいただいています。それは、多部さんを含め、出演者のみんな、スタッフの力でもあるけれど、最も大きかったのはやはり、北山くんの存在です。北山宏光という新鮮な存在に、皆さん驚き、感動を覚えているようです。それは、寿々男、そしてトラさんを真摯に生きてくれたからだと思っています。数年前、僕らに映画人としての期待を寄せた人はほとんどいなかったと思います。しかし、この映画で新しいスタート地点に立てたのではないかと思います。
またいつか共に作品を作れることを楽しみにしつつ、今後の役者・北山宏光の活躍に期待しています。
2019年3月5日 筧昌也
映画『トラさん~僕が猫になったワケ~』は全国公開中
(C)板羽皆/集英社・2019「トラさん」製作委員会