『きみの瞳(め)が問いかけている』
吉高由里子×横浜流星インタビュー
10月15日(木)先行上映、10月23日(金)より全国公開される映画『きみの瞳(め)が問いかけている』(監督:三木孝浩)。不慮の事故で視力と家族を失った女・明香里と、罪を犯しキックボクサーとしての未来を絶たれた男・塁、光を失って生きてきた2人が織りなす運命のラブストーリー。今作でW主演を務める吉高由里子×横浜流星の2人に、初共演となったお互いの印象や刺激を受けたところ、役を通して感じたことなどを聞いた(取材・文:矢部紗耶香/撮影:金山寛毅)。
──はじめに、お互いの印象についてお聞かせいただけますか?
吉高:テレビ越しや作品を通して観ていた印象とは全く違い、すごく落ち着いている方だなと思いました。声が優しく、居心地も良くって、お芝居も本当にワンシーンワンシーン真剣に考えてくれていたので、私もすごく信頼しながらお芝居をすることができました。
──もともと抱いていた印象とは少し違ったのでしょうか?
吉高:年齢が23歳と聞いていたので、もっとキャピキャピしていると思っていたんですけどすごく落ち着いていて。でも、ちょっと子供っぽいところもありましたね(笑)。
──それはどんなところでしたか?
吉高:家族の話をしているときとか・・・あとはこういう急なドンッ(横浜さんを驚かすように)みたいなやつとか(笑)。
横浜:わ、びっくりした!(笑)。
吉高:ふふ(笑)。いろんな顔を持っている方だなって思います。
──横浜さんは、吉高さんとご一緒されていかがでしたか?
横浜:僕は逆にテレビで観ていた印象とあまり変わりませんでした。現場でもいつも明るくて皆さんを和ませてくれるような方でしたね。心を許してちょっと悪ふざけすることができたのも、吉高さんが明るくあたたかい空気を作ってくれていたからですし。現場はとても居心地が良く、とても濃密な時間を過ごせました。
──何か距離が縮まるようなやり取りがあったのでしょうか?
横浜:クランクイン前に三木監督と3人で食事に行かせてもらったのですが、そのときに吉高さんが僕の中の固い扉を強引にバーンと開けてくれたんです(笑)。それがすごくありがたかったですね。現場でもたくさんお話できましたし、写真もたくさん撮ったんです。
──今回が初共演ということで、ご一緒してそれぞれ刺激を受けた部分はありましたか?
吉高:私が演じた明香里は、彼の空気感を信用して惹かれていったと思うので、そういう雰囲気を出してくれていましたし、お芝居も臨機応変に対応してくれたので安心していろいろ試すことができました。あと、フットワークが軽く、どんなところでもキャッチしてくれそうな感じもありましたね。
横浜:僕は本当に刺激を受けっぱなしでした。もし映画を観てくれた方が僕の芝居がよかったと言ってくださるとしたら、それはすべて吉高さんのおかげだと思います。
吉高:やめて~(笑)。
横浜:明香里が塁に光を与えてくれたのと一緒で、僕も吉高さんからもらいっぱなしでしたね。だから、その受け取ったものをしっかり返せるように意識をして演じていました。
──素敵ですね。では、吉高さんから見ていて、横浜さんと塁の似ていると感じるところはありましたか?
吉高:塁と流星は、どっちも貫くタイプだなって思います。意志が強く、追い込まれても立ち向かえるメンタルをもっている感じがしますね。
──それはどのような時に感じたのでしょうか?
吉高:撮影期間中、本当に寒かったんですよ(笑)。流星はそのとき体脂肪率も5%くらいだったのに、震えながら水を浴びたり、体から湯気が出ていたりして……。自分のことを追い込んでいるのか、追い込まれているのか、立ち向かっているのかっていう。それでも倒れないし、めげなかったですし、本当にすごいなと思いました。
──横浜さんから見て、吉高さんと明香里に共通している部分や似ていると感じたところはありましたか?
横浜:吉高さんは、いろんなことを考えて、いろんなものを背負っているけれど、そのことを周りには見せずにいつも明るく居て太陽みたいな人なんです。だから僕の中で勝手に、吉高さんと明香里は結構似ているのかもって思っていました。
──お2人とも役と共通する部分があったのですね。
吉高:自分よりも、周りにいるマネージャーさんや共演された方のほうが自分のことをよく見ているし、知っているのかもしれないですよね。
──明香里と塁が距離を縮めていくシーンや触れ合うシーンなど、今作は三木監督の優しさがとても表れているように感じました。三木監督とご一緒していかがでしたか?
吉高:画のやわらかさとか、三木さんの懐の深い優しい部分が表れている描写が多いですよね。三木さんはクランクイン前にいつもお手紙をくださるんです。役のことや私のこと、2人の共通する部分や三木さんがこの映画について想うこととか。そういうことを手紙に書いて、役に向かう方向などを最初に調節してくれるので、スムーズにスタートを切らせていただける環境を作ってくれる方なんです。
──お手紙、素敵ですね。現場での演出はどんな感じなのでしょう?
吉高:現場に入ってからは、言葉だけでは伝えるのが難しい微妙なニュアンスのところとかを、お芝居をしながら教えてくれるんです。特に今回は目が見えない役で、三木さんも私も初めての経験だったので、2人で探りながら「こういう感じかね」みたいなやり取りをしました。辞書には載らないような、擬音のような言葉で三木さんとお話をしていたような感じがします。
──そうだったのですね。三木監督も実際に横浜さんのお顔を触って……?
吉高・横浜:触ってた触ってた(笑)。
吉高:三木さんも流星の顔めっちゃ触ってたよね(笑)。こういうイメージ~って(笑)。
──横浜さんは三木監督とご一緒してみていかがでしたか?
横浜:僕もその手紙がすごく有り難かったです。自分でも役作りや作品に対することをいろいろ考えていたのですが、自分で考えていたことにプラスして、三木さんからいただいた手紙に書かれていた作品に対する想いや方向性、塁に対することなどを知れたので。その手紙が作品や役へと導いてくれましたし、三木さんの想いにもちゃんと答えたいなと思いました。あと、毎回僕らにすごく寄り添って、気持ちもちゃんと読み取ってくださるので、とても芝居がしやすかったです。ワンシーンワンシーン大切に現場を作ってくださったので、とても心強かったですね。
──今作では、吉高さんも横浜さんも目の芝居がとても印象的でしたが、どんなことを意識されていたのでしょうか?
吉高:クランクインする前に、盲目の方たちにお会いしてお話を聞いて、喋っている顔の動かし方や目の動かし方を見ながら、探りながら演じていきました。音が鳴ったとき、目から動くのではなく首から動かしていたな、とか。
──話すとき、ついつい相手の顔を見たくなってしまいますよね。
吉高:何回か(横浜さんの目を)見てしまって、「ごめん、目が合っちゃった」って言ってやり直すこともありましたね。やっぱり話をするときは人の目を見たいんだろうなって思いましたし、普段から私は人より目を見て話してしまうタイプらしいので、余計に「目を見ないように」という意識がありました。
──そんな吉高さんのお芝居に対して、横浜さんはどんなことを感じていましたか?
横浜:やっぱり話をするときって目はすごく大事なんだなと感じましたね。自分の言っていることがちゃんと伝わっているかな…?という不安もあったので、いつも以上に自分の想いをぶつけられたらと思って演じました。あとは、ただひたすらに純粋に明香里のことを想うだけでしたね。見えていないけれど、ちゃんと目を見て伝えることを意識しました。
──今回、明香里と塁という役を演じたことによって、気付いたことや発見はありましたか?
吉高:いつもやっていることでも、(目が見えないと)こんなにわからなくなるものなんだ……と、不安に感じた分、指先の感覚とか匂いとか、聴こえ方とかがすごく敏感になるんだなと思いました。
──塁に触れるシーンはもちろん、メイクのシーンやデートの洋服を選ぶシーンも印象的でした。
吉高:メイクは自分でも練習をしてみたんですけど、やっぱり細かい所は難しいなと思いました。家の電気のスイッチの場所も、あんなに毎日つけているのに全然わからないですし、歩く歩幅も怖くてついつい小股になってしまいましたね。
──横浜さんは塁を演じてみて、気付いたことや発見はありましたか?
横浜:気付いたことは、「愛っていいな」って思ったことですね。
吉高:いいよね~!
横浜:僕はまだ塁と明香里みたいに、その人だけを想って、その人のためにならどんなことでもできると想える人と出会ったことがないので。すごくうらやましいなって思いました。
──塁を演じて「人を愛するとは…?」という、より愛の深い部分が見えてきたのでしょうか?
横浜:ただその人だけを想う。そういうところが塁と明香里はすごく素敵だなと。僕はまだお子様なので(笑)。
吉高:でもさ、恋愛なんてその人たちのルールでしかないから、出会う人によって全然違う影響のされ方をすると思うし、正解なんてないよね。
──これからも愛について気付いていくことがたくさんありそうですね。素敵なお話ありがとうございました!
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映画『きみの瞳(め)が問いかけている』は10月15日(木)先行上映/10月23日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー
(C)2020「きみの瞳が問いかけている」製作委員会
(C)2020 Gaga Corporation / AMUSE Inc. / Lawson Entertainment,Inc.
吉高由里子 スタイリスト:有本祐輔(7回の裏)
横浜流星 ヘアメイク:永瀬多壱(ヴァニテ)/スタイリスト:伊藤省吾(sitor)/衣装クレジット:ジャケット¥66,000、Tシャツ¥14,500、パンツ¥26,000、ブーツ¥62,000 以上全てラッド ミュージシャン(ラッド ミュージシャン 原宿)※全てプライスは税抜き価格になります。