映画『ヒメアノ〜ル』ジャパンプレミアが9日、都内・TOHOシネマズ新宿にて行われた。この日、主演の森田剛をはじめ、濱田岳、ムロツヨシ、佐津川愛美、吉田恵輔監督が出席した。
漫画家・古谷実の同名作品を実写映画化した本作は、恋の悩みや将来への不安を抱えた若者のありふれた日常をコミカルに描いた前半から一転、後半は無機質な連続殺人事件が日常へ浸食する戦慄のサスペンス。ヒメアノ〜ルとは、強者の餌となる弱者を意味する。
冒頭の挨拶からムロツヨシは「『ヒメアノ〜ル』ジャパン・プレミアム、どうぞ楽しんでジャパン・プレミアム!ムロ・プレミアムを宜しくお願いします」と興奮しきりにあいさつ。人間を餌としか思わない狂気の連続殺人鬼を演じた森田は、初主演に「ハードなシーンがたくさんあり、それをどう撮るのか。それを僕がどこまでできるのか興味が湧いた。このタイミングで『森田』という役を演じることができて運が良かったですね」と出演の決め手を語った。
先日開催されたイタリア・ウディネ映画祭での反応に、森田は「凄かったですね、むちゃくちゃ盛り上がりました。とにかく笑いが多い、予想外のとこでも笑いが起き、すごく反応がよかったですね」とにっこり。吉田監督も「ここ笑うとこじゃないよってとこも笑ってましたね。『もうちょっと静かに』と思うくらい大盛況でした」と満足げな表情を見せた。
森田にターゲットにされ、命を狙われるヒロインを演じた佐津川は「どう考えても面白い作品になるだろうなと思って、出演したいと思いました。過激な描写にどうチャレンジしようかみんなで一生懸命考えていて、そこに参加させて頂けてすごく嬉しいですし、自分にとって挑戦的な役でした。自信を持って『観てください』と言える作品になった」と笑顔でコメントした。
岡田のキモすぎる先輩・安藤役のムロツヨシは「森田くんや濱田くんの配役が決まった段階で脚本を渡された」と話し、「僕がこの台本をもらった時に、2人が『この役はどうしてもムロさんじゃなきゃヤダ』って言ってるって聞いたんだけど」と自信満々に明かすも、森田と濱田はキョトンとした顔で「え?言いましたっけ、俺は誰でもよかったけど」(森田)「それ“大人の嘘”ってやつじゃないかな」(濵田)とコメント。するとムロは目を丸くして「バカじゃないの!バカって言って申し訳ない、口を慎みなさいよ!」と笑いながらツッコミ、会場では笑いの渦が起こっていた。
また、狂気的なシーンとは裏腹に繰り広げられる、楽しげな「日常シーン」も見どころの本作。「原作を超える強烈なキャラクターがいた」という濱田は「(ムロ&佐津川)3人で合コンみたいなことをするシーンがあって。お化けきのこって言われてるのかな」と語り、ムロも「原作のまんまの人が来たんですよ!その方が一言セリフを喋ったんですが、原作をポンッと超えたんだよね。観ればわかります、すごいですよ!」と絶賛していた。
一方、イベントでは「狂気」と「楽しい日常」が渦巻く本作にちなみ、キャスト陣それぞれ「ギャップを感じたエピソード」を披露。吉田監督は「森田くんはストイックでまっすぐな感じですが、イタリアで楽しかったのか、限定マグカップなんか買ったりしてた。萌えっとしました」と森田のお茶目な一面を明かした。ムロとは「11年の付き合い」という濱田だが、「ムロ君のギャップ、ないかな〜」と明かし、森田や佐津川も「ないな」「そのまんま」と同意。
するとムロが「なんで場が盛り下がるんだ〜、悪かった」としょんぼりとした顔をみせると、森田が「僕が撮影初日で、その前がムロさんの撮影で、撮影終わっても待っていてくださった。そこで『よろしくな』と挨拶してくださった」とフォローするも「それをしたのも、ここで喋るために(現場で)待っていたんだなと思いますけど」とオチをつけ、笑いをとった。ムロは「正解!いま記者の方がすっごいパソコンパタパタしてますよ!」と嬉しそうな表情を見せていた。
映画『ヒメアノ〜ル』は5月28日(土)よりTOHOシネマズ新宿ほか全国公開
【CREDIT】
原作:古谷 実「ヒメアノ~ル」(ヤングマガジンKC所載)
監督・脚本:吉田恵輔
出演:森田剛/濱田岳/佐津川愛美/ムロツヨシ
配給:日活 公式サイト:www.himeanole-movie.com
©2016「ヒメアノ〜ル」製作委員会