川端康成の同名小説(現代版)をもとに、松雪泰子主演で新たに映像化した『古都』が11月26日より京都先行公開、12月3日に全国公開されることが決定した。松雪のほか、橋本愛、成海璃子が共演する。
京都とパリ、2つの「古都」を舞台に、母と娘の人生が交差するさまを描く。京都の町で伝統の継承に生涯を捧げる呉服屋の姉・佐田千重子と京都伝統の北山杉の里で働く双子の妹・中田苗子を、松雪泰子が一人二役で演じる。また呉服屋の千重子の娘・佐田舞に橋本愛、双子の妹・材木屋の苗子の娘で、京都と並ぶもう一つの古都フランス・パリで一人国立美術大学に通い絵画制作に励む中田結衣を成海璃子が演じるほか、蒼れいな、蒼あんな、葉山奨之、栗塚旭、伊原剛志、奥田瑛二らが脇を固める。監督には、高校卒業後に渡米し、ハリウッドで8年映画作りを学び、帰国後もアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥなど名匠の現場に参加した経験を持つYuki Saitoが務める。
主演の松雪は「今作は、古都の世界観をベースに千重子、苗子のそれぞれの子供たちとの母と娘、親子の物語り、オリジナルの古都を軸に未来に繋いで行く物語りです。現代における、京都の現状。伝統を大切に守ることやその重圧、そして未来に繋いで行く事、そしてそれを担う娘の葛藤。母と娘そして、家族の想い、映像的にも京都の美しい風景やパリの街並みが美しく描かれ静かにゆっくりと、物語りが浸透していく、そんな作品です」とコメントを寄せている。
橋本は「お茶、書道、座禅、日本舞踊と日本の文化や伝統芸能を学ぶことができてとても嬉しかったです」と充実感をのぞかせ、「一部パリロケがあったのですが、京都もパリもだいっすきな町。文化や芸術が大事に守られていて、どちらの土地にも、静かな自信とパワーを感じました。取り留めのない、さらさら流れる水のような印象で、舞ちゃんを演じている上でも、水の感覚はずっとあって、ふわふわしていました。どんな仕上がりになっているのか、楽しみにしているところです」と語る。
成海は「撮影期間は一週間という短い時間でしたが、その分グッと集中して取り組むことができました。現地のフランス人スタッフも素晴らしく、良い撮影現場だったと思います」とコメント。監督のYuki Saitoは「古き伝統をいかに次の世代に継承すべきか?季節の移ろいは変わらないのに、人の価値観は時代と共に変わっていきます。しかし、そのDNAレベルに刻まれた精神は揺るぎません。過去に2人の偉大な映画監督によって映画化された川端康成先生の原作をそのまま焼き増しするのではなく、今の時代を生きる自分の視点で、新しい「古都」に挑戦しました。この志しの元に集まった松雪さんはじめ最高のキャスト&クルーにより、日本の伝統・文化・精神を世界へ発信出来れば幸いです」とメッセージを寄せている。
映画『古都』は11月26日より京都先行公開、12月3日より全国公開
【CREDIT】
原作:川端康成『古都』(新潮文庫刊)
監督:Yuki Saito
出演:松雪泰子、橋本愛、成海璃子、蒼れいな、蒼あんな、葉山奨之、栗塚旭、迫田孝也、伊原剛志、奥田瑛二
製作幹事・配給:DLE
©川端康成記念會/古都プロジェクト