映画『葛城事件』初日舞台挨拶が18日、都内・新宿バルト9にて行われた。この日、主演の三浦友和をはじめ、新井浩文、若葉竜也、田中麗奈、赤堀雅秋監督が出席した。
本作は、無差別殺傷事件を起こした死刑囚の家族が崩壊へと向かっていく様を生々しく描く濃密な人間ドラマ。2012年に『その夜の侍』で監督デビューを果たし、国内外で高い評価を得た赤堀雅秋がメガホンを取る。
理想の家族を求めながらも、崩壊へと向かわせてしまった父親、葛城清を演じる三浦は「お化け屋敷出た後みたいな雰囲気ではなくて安心しました」とあいさつし、持参した新聞の切り抜きを手に取り「試写会の感想が載ってまして『邦画史上、類をみない家庭崩壊映画の誕生!』『二度と観たくない名作』『観ないと一番後悔する映画』と。全国で上映していないので、こうしてたくさんの方に広めていただけたら」と笑顔を見せた。
リストラされ居場所を失う長男・保役の新井は、本作の舞台版では若葉扮する無差別殺傷事件を起こす次男・稔を演じており、「田中さんの出演が決まるまで、バランスとかあるので役が決まってなかったんです。オーディションで若葉くんが(稔に)決まりましたけど、どっちの役でも問題なかった」とコメント。さらに「映画と舞台は別もんですからね。赤堀さん俳優もやっているんですよ。俳優としては正直うちの方が上(笑)でも監督としては好きです!本も演出もすごい好きだし、カット割りもいい。でも俳優になると小芝居をするんですよ。演出では小芝居が大嫌いなのに」と明かし、会場からは笑いがこぼれた。
一方、オーディションで次男・稔役を勝ち取った若葉は「すごく濃密な時間で、撮影中のことはあまり覚えてないです(笑)」と振り返ると、新井から「初日ガチガチだったよね、ガリガリ君みたいにガチガチだったよ!」とツッコミ。過去に若葉と共演した三浦は「彼が10代の頃に息子役で出て、以前は清く正しい子だったんですよ。『目玉焼きの黄身は柔らかくしてって言ったじゃないか』って(笑)」と振り返り、「本読みのときに会って稔役できるか心配だったけど、そのときの雰囲気が稔だったんで、数年で変わるもんだなと。映画観たらわかるけど、不気味だったでしょ!?」と若葉の成長っぷりを喜んでいた。
イベントでは、本作で狂気的な役に挑戦した三浦に「役者人生への影響は?」という質問が投げかけられ、「芸能人として大事なものの一つ、好感度をなくしました。これからは優しいお医者さんとか、物分かりのいい警察官とか選んでやっていきたいと思います」とコメント。フォトセッションでは、公開初日のためパネルの「大ヒット」の文字を隠して臨むなど、笑いの耐えないイベントとなった。
映画『葛城事件』は全国公開中
【CREDIT】
監督・脚本:赤堀雅秋
出演:三浦友和、南果歩、新井浩文、若葉竜也/田中麗奈
配給・宣伝:ファントム・フィルム PG12
公式HP:katsuragi-jiken.com
(C)2016「葛城事件」製作委員会