映画『後妻業の女』完成披露イベントが5日、大阪・戎橋(えびすばし)で「なにわクルーズ会見」、TOHOシネマズ 梅田にて舞台挨拶が行われた。この日、主演の大竹しのぶをはじめ、豊川悦司、笑福亭鶴瓶、監督の鶴橋康夫、原作者の黒川博行が出席した。
直木賞作家・黒川博行の「後妻業」を映画化した本作は、資産を持つ独身男性の後妻に収まり、多額の金品を貢がせる「後妻業」を生業とする女の姿を描く。<後妻業の女>として金持ち男をだます小夜子を大竹しのぶ、彼女とともに老人をだます結婚相談所所長・柏木を豊川悦司、ターゲットとなる不動産王・舟山を笑福亭鶴瓶がそれぞれ演じる。
豪華キャスト陣が来阪し、大阪を代表する風景である道頓堀川を舟で航行しながらの水上会見で大竹は「長い間映画の仕事をしていますが、このような会見は初めてでとても嬉しいです」と笑顔。鶴橋組は雰囲気も良くて、きつかったけど毎日『楽しい、楽しい』と思っていました。撮影が終わって仲間とサヨナラするのが寂しかったくらいです」と撮影を振り返った。
また、豊川との共演に「昔から共演しているので一緒にいて楽だし、楽しいし、芝居なのかわからないくらい自然でいることができました」と語り、「逆に鶴瓶さんの方が“芝居している”という感じでした。鶴瓶さんとのベッドシーンでは、自然と拒否が出てしまいました(笑)」と吐露し、笑いをとった。そんな鶴瓶は「大竹しのぶさんとベッドシーンがあると聞き、本も読まずに出演をOKしました。大竹さんと濃厚な“からみ”があります」と明かすと、大竹から「からんでないです」とツッコミ。続けて「実際には手も触れさせてもらえませんでした。大竹さんは関西弁が非常にうまく、違和感がなかったですけど、関西の人と付き合ったことがあるんじゃないですか?」といじると、「記憶にありません(笑)」と笑みを浮かべ、鶴瓶は「その関西の方には、番組で一緒になった時に共演の報告をしました。彼は『そんな報告しなくていい』と言っていました」と笑いをとっていた。
豊川は「大竹しのぶさんは魅力の塊。恐ろしいくらいです。私が演じた柏木は根っからの悪人ではなく、悪党になりきれないかわいさもあります。小夜子を操っているようで、本当は操られているのかもしれません」と大竹の演技を絶賛し、「映画の中の婚活パーティーでも水上クルーズのシーンがありました。舟に乗り込んだ湊町でも、水川あさみさんとのシーンを撮影しています。大阪の色々な場所が登場しますが、この映画は“大阪”を舞台にしたという点が一番の肝だと思います。大阪には毒を楽しんで、笑う文化がある。人間の本質をパロディ化している映画です」とアピールしていた。
昨年の7月~9月という暑い時期に行われた撮影を振り返り、航行中、今回のクルーズで最も低い橋である深里橋にさしかかると、キャスト・スタッフともども子供の様にはしゃぐ姿も。大阪でも指折りの繁華街を両岸に眺めることができる道頓堀橋界隈に差し掛かると、沿道には大勢の人が集まり、中には子供が「鶴瓶!」と呼び捨てで声をかけると、「呼び捨てにされる喜びというものもある」とにこやかに手を振って応えていた。
映画『後妻業の女』は8月27日より全国公開
【CREDIT】
監督・脚本:鶴橋康夫
キャスト:大竹しのぶ 豊川悦司 尾野真千子 長谷川京子 水川あさみ 風間俊介 余貴美子 笑福亭鶴瓶 津川雅彦 永瀬正敏
原作:黒川博行「後妻業」文春文庫刊
公式サイト:http://www.gosaigyo.com/ レイティング:PG-12
Ⓒ2016「後妻業の女」製作委員会