京都アニメーション最新作『聲の形』が9月17日より全国公開される。この度、入野自由、早見沙織らがアフレコに臨んだレポートが到着。あわせて場面写真3点も解禁となった。
本作は、小学生の頃はガキ大将で“退屈すること”を何よりも嫌う少年・石田将也が、聴覚障害を持つ転校生・西宮硝子との出会いから5年後、それぞれの高校生時代を描く。過去に硝子とのある出来事がきっかけで、周囲から孤立してしまった将也だったが、高校生になり再び硝子と向き合っていく。監督を『たまこラブストーリー』の山田尚子が務め、脚本は「ガールズ&パンツァー」の吉田玲子が手掛ける。石田将也の小学生時代を松岡茉優が演じる。
主人公の石田将也を演じる入間は「監督と最初にお話しした時に言っていた、人と人とが繋がりたいのにそうなれない、伝えたいけど伝えられないという部分の“人の内側にある葛藤”を大切にしていきたいと考えながら演じさせていただきました。最初は指針を決めるまでが大変でした」とアフレコを振り返った。山田監督は「じっくり、台詞の意味と将也という人間を咀嚼しながら丁寧に丁寧に世界を作ってくださいました。そのおかげでもうずっと前から石田将也という青年を知っていたような、ふしぎな感覚を味わいました」と称賛し、「アフレコ中、入野さんは将也と同じ速度で、同じ高さで、同じ温度で彼の世界を観ようと、じっと寄り添っていらっしゃるように感じました。もう信頼しか生まれない状態でした」とコメント。
原作者の大今良時は「将也がどんな声をしているかは実は正直わからなかったんですけど、聞いた時はかなりしっくりきました。ストレスを感じない声というか、演技というか、もしかしたら漫画の読者の人たちが脳内再生していた声ってコレだったのかもしれないなあと思うくらいでした」と絶賛していた。
ヒロインの西宮硝子を演じる早見は「硝子にはいっぱい面白いところがあると思いますが、人間味があるところに惹きつけられました。声は入れてないんですが、誰かが会話している後ろでも結構動いているんです。家族の会話の時にドヤ顔をしていたりして『普段こういう顔をしているんだ』とかわいく思いました」と語る。アフレコについては「しゃべり方や声の出し方など技術的な面も難しかったですし、アフレコ現場は静かな湖畔みたいな澄み切っている空気で、わずかなものの動きとかがすごく伝わってくるんです。でも硝子として聞こえていないはずのものを1つ1つ気にしてしまうと、まったく思っていたものと違う声を あててしまうこともありました」と苦戦した様子をみせた。
ほかキャスト コメント全文
西宮結絃役 悠木碧
「とにかく我慢強くて優しい人です。でも、彼女の若くて不器用な部分が、そんな優しい所を必死に隠そうとしていて...そこがなん とも人間くさくて...。どうしようもなく可愛い子だなと思いました。 また、アフレコ内で、『一番イケメンにして下さい』と言われ、あまりイケメンを担当した事が無かったので、精一杯背伸びしています笑」
永束友宏役 小野賢章
「永束君はお調子者だけど仲間想いで真っ直ぐ。愛されキャラなので良いやつだなぁ〜と思ってもらえるように気を付けて演じました」
植野直花役 金子有希
「人間生きていると、『嬉しい!』『悲しい!』だけじゃなくて、『嬉しいけど・・・』『悲しいけど・・・』と一度にいくつもの気持ちを持つことは多いと思います。そういう気持ちをどのキャラクターも持っていて、とても人間らしい繊細な作品になっています。それ故の難しいとこともあって、『このシーンはこういう気持ちでやってます』と言葉で言うのが私には難しかったです。例えばですが、私は責める気持ちのほうが強いと思っていたけど、ここは思いやりの気持ちがもっとあるんだよ、というようなシーンとかもあって、少しの違いで全く違うので、そういうところが難しいなと思いました」
佐原みよこ役 石川由依
「佐原は、優しくて、とても強い女の子です。でも決して初めからそうだったわけではなく、悔しさや辛さをたくさん経験し、自分の弱さを克服しようと必死に考え乗り越えてきたからこその、強さであり優しさだと思います。だからこそ、ふいに弱い部分を突かれると、急に弱気になってしまう脆い部分もありますが、そんなところもまた、私は好きです。佐原の根底にある弱さに似ているものを私も持っていますが、私は同じ境遇に立ったら、逃げてしまい、自分を直視できないのではないかと思います。常に自分と向き合っていて、困っている人がいたら迷わず助けようとする、そんな優しくて強い心を持つ佐原は、私にとっての憧れです」
川井みき役 潘めぐみ
「誰かのせいにしたい、訳じゃない。自分の思う正義を振りかざした結果、人を傷つけてしまう。彼女の言葉や気持ちに嘘がないからこそ、えぐられるものがあるというか。その不器用さが愛おしくもあり、難しかったところですね」
真柴智役 豊永利行
「真柴くんも他のキャラクターと同じ様に、過去に大きな闇を抱えている子なので、表にどれだけその要素を含めるか、また隠すか、 そこのバランスをリアルに演じる事が難しかったです。あざとくならないよう心掛けたつもりではいますが...いかがだったでしょうか?闇を抱えてはいますが、それでも前を向いて一生懸命生きている様は非常に好感が持てます」
映画『聲の形』は9月17日より新宿ピカデリー他全国公開
【CREDIT】
原作:「聲の形」大今良時(講談社コミックス刊)
監督:山田尚子 脚本:吉田玲子 キャラクターデザイン:西屋太志
アニメーション制作:京都アニメーション
配給:松竹 公式サイト:http://koenokatachi-movie.com
©大今良時・講談社/映画聲の形製作委員会