『恋妻家宮本』モントリオール映画祭、 天海祐希&遊川和彦に5分超えの拍手喝采「全世界が共感するテーマ」

阿部寛×天海祐希W主演、遊川和彦初監督作『恋妻家宮本』が2017年1月28日より全国公開される。この度、第40回モントリオール世界映画祭“ファースト・フィルムズ・ワールド・コンペティション部門”に本作が正式出品され、現地時間9月3日にメイン会場である「シネマ・インペリアル」にてワールドプレミアが行われた。

恋妻家宮本

テレビドラマ「家政婦のミタ」「女王の教室」などで知られる気鋭の脚本家・遊川和彦が映画初監督を務め、重松清の小説「ファミレス」をもとに脚色した本作。熟年離婚が当たり前となった現代において、子供が独り立ちした夫と妻が50代からの夫婦生活とどう向き合うのかをコミカルかつハートフルに描き出す。息子が結婚して独立し、27年ぶりに夫婦2人きりで生活することになった中学校教師・宮本陽平を阿部寛が、妻の美代子を天海祐希がそれぞれ演じ、初タッグを組む。共演に菅野美穂、相武紗季、工藤阿須加、早見あかり、奥貫薫、佐藤二朗、富司純子らが名を連ねる。

恋妻家宮本

“ファースト・フィルムズ・ワールド・コンペティション部門”は、新人監督を発掘することを目的とする部門。今回の公式上映にあわせ、遊川監督と主演の天海祐希が現地入りし、天海の海外映画祭への参加は『狗神』(01年)以来となり、実に15年ぶりの海外進出となった。遊川監督は初監督を引っさげての初参加に。会場である「シネマ・インペリアル」には、本作が熟年夫婦を描く物語とあってか40〜60代以上の男女を中心に、夫婦・カップルら600人以上もの観客が詰めかけ、上映前の会場には200人を超える行列ができた。

恋妻家宮本

上映前舞台挨拶に登壇した遊川監督は「この映画で私は、60歳にして初めて監督をするという夢がかないました。本日がワールドプレミアで、モントリオールのみなさんに、世界で一番初めにご覧いただくことになり、光栄です」と喜びを明かし、フランス語であいさつした天海は「子供が巣立ってしまった中年夫婦を描いているのですが、みなさんにも経験があるんじゃないかな、と思います」とコメント。

上映中、阿部と天海のコミカルなシーンごとに観客からは大きな笑いが沸き起こり、夫婦の心温まるシーンでは感嘆の声とすすり泣く声が聞こえ、常に観客の反応が絶えない賑やかな上映に。エンドロールから上映終了にかけて5分以上にわたり拍手喝采が鳴り止まず、「ブラボー!」という歓声が場内に響き渡りました。遊川監督が描いた熟年夫婦に訪れる問題に、全世界が共感された様子で、上映後2人は大勢の観客に囲まれ、惜しまれながら会場を後にした。

カンヌ映画祭・トロント映画祭の審査員を務めた経験を持つ映画評論家ジョージ・グッドマンは、本作を観て「ものすごく興味深かった。特に主演2人の演技が素晴らしく、心温まる映画でした。この映画祭のほとんどの映画を観ているが、お客さんの反応が一番良い映画。さらに、この映画で描かれて居る夫婦の問題は、全世界が共感できるテーマだと思います」と絶賛のコメントを寄せている。

恋妻家宮本

会場の反応に遊川監督は「観客と一緒に映画を観るのは心臓に良くないですね(苦笑)だけど、会場の方々にたくさん笑っていただけて、嬉しいです。海外の方も共感していただけていたようで、良かったなと思います」と手応え。「世界共通である、笑い、優しさを伝えることが我々の仕事で、それを伝えることで嫌なものを乗り越えていける。そういうところで勝負するしかないから、この仕事には夢があるし、頑張らなければと思っています」と気持ち新たな様子で、「女性が優しいからこそこの世の中は成り立っていると思います。女性の優しさと強さが支えていて、男性はそれに気づくことができるか、それに気づいて愛を表現できるか、というのがこの物語です」と本作に込めたメッセージを語った。

恋妻家宮本

天海は「役者が演じる登場人物の心が変わった瞬間にみなさん笑っていて、共感して笑ってくれているんだと感じました。世界で初めて見る方々の生の声が聞けて、とてもうれしかったです」と語り、「言葉やシチュエーションの細かい部分が伝わらなかったとしても、表情の合間や沈黙で感情は伝わっていたんだなという気がしました。私たちの世代だけじゃなく、私たちより上の世代の方々もゆったりと観ていたのがうれしかったです。日本でもそういう方々も含めてたくさんの方々に観てもらいたい作品です」と映画祭を終えた感想を明かした。

恋妻家宮本

公式上映後、2人はモントリオール最大の観光名所であり、1994年にカナダ出身の歌手セリーヌ・ディオンが結婚式を挙げたことでも有名な「ノートルダム大聖堂」へ。熟年夫婦の危うい結婚生活を描いた本作ですが、初心に立ち返り、2人でブーケを持って記念撮影をしました。さらに旧市街のメインストリートで、モントリオールで最も古い路地の一つである「サン・ポール通り」を訪れ、カフェでお茶をしたりと、年に1度の映画祭で盛り上がるモントリオールの休日を楽しんだ様子。授賞式は9月5日(月)の19時(現地時間)から行われる予定。

映画『恋妻家宮本』は2017年1月28日より全国公開

【CREDIT】
監督・脚本:遊川和彦
キャスト:阿部寛・天海祐希 菅野美穂・相武紗季・工藤阿須加・早見あかり・奥貫薫・佐藤二朗/富司純子
原作:重松清「ファミレス」上下(角川文庫刊)

©2017「恋妻家宮本」製作委員会

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