『GHOST IN THE SHELL』日本初ローンチイベントに世界が熱狂、スカーレット・ヨハンソンが14年ぶり来日!

映画『GHOST IN THE SHELL ゴースト・イン・ザ・シェル』エクスクルーシブ・イベントが13日、都内・TABLOIDにて行われ、主演のスカーレット・ヨハンソンをはじめ、ビートたけし、監督のルパート・サンダースが登壇した。

攻殻機動隊
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日本を中心に瞬く間に世界へと拡散し、世界が熱狂するバイブルと化した日本が世界に誇るSF作品の金字塔『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』がハリウッドで実写映画化。世界でただ一人、脳以外は全身義体の世界最強の少佐率いるエリート捜査組織公安9課。ハンカ・ロボティックスの推し進めるサイバー・テクノロジーを狙う、サイバーテロ組織と対峙するさまを描く。

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Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images for Paramount Pictures

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LEDライトの閃光が駆け抜け、撮影で実際に使われたコスチュームやコンセプトアートなどファン垂涎ものの展示が並び、作品の世界観を細部まで表現した会場に、この日を待ち望んだファンが海を越え世界から大集結。パラマウント映画が日本発の全世界向けローンチイベントを行うのは史上初という異例のイベントということで、あふれんばかりに詰めかけたファンは、期待感と緊張感が入り混じり昂りを隠せない様子。

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いまかいまかと待ちわびる中、押井守監督『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(95)に続き、本作でも音楽を担当する川井憲次によるライブアクトによりイベントが幕開け。攻殻機動隊の世界観ならではの近未来感と、和太鼓など日本の伝統楽器をハイブリッドさせた圧巻のパフォーマンスに会場は大熱狂の渦に包まれた。

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ホストMCから、この度の来日について聞かれたサンダース監督は、この一大シリーズを生み出した日本へのリスペクトを込めて「まず何よりこの作品が生まれた日本に来たかった。日本のクリエイターたちが始めたもので、私たちが次のチャプターを開く役目だから、彼らに誇りをもって自分たちの作品を紹介したいと思ったんだ。リメイクではなく、リイマジニングであり、川井憲次さんも来てくれているけど、(この作品を生み出した)最初のクリエイターたちと一緒に(このローンチイベントが)出来て私はとても嬉しいよ」と挨拶。

サンダース監督にとって本作はどんな意味を持つのかを問われると、「マンガ、映画、アニメといろいろあるけど、すべて盗んですべてをくっつけたよ(笑)それはジョークだけど、これだけ世界中が支持しているものを自身で扱うことができるのは光栄なことなんだ。自分が気に入る作品になっているかどうかをしっかりチェックしたよ。もちろんすでに世界観が出来上がっているシリーズだから非常にプレッシャーもあった。公の目にさらされるしね。でも映画というものはそうやって愛されるものだから、できるだけプレッシャーは感じないようにしたけどね。この仕事ができることが光栄だし、(シリーズの)次のチャプターを自分で作れる、そして成功できる、と信じたよ」と自信を持って本作の製作に取り組んだことを明かした。

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また、なぜ今この『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』が題材に選ばれたのかという理由を「95年に押井さんの作品を観たんだけど、あまりにも先取りしていて、先見がある作品だった。現代テクノロジーが革新し、人類がどう取り入れてどう向き合うのか、何を見て何を買うかというすべてがテクノロジーに支配されこの社会に浸透している。まさに世界がテクノロジーを信じることが一つのテーマで、そこに希望があると私は思ったんだ。私は原作の大ファンだし、自分勝手かもしれないけど、自分が大好きでインスピレーションを受けたものを実写にして世界中の観客に届けたかった」と明かす。

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この作品の世界観とこだわりについて「この作品を観るときっと感情的になるよ。もちろんアクションもたくさんあるし、クレイジーで極端な近未来を描いているけど、一人のキャラクターが自身を発見する旅なんだ。人間の脳が組み込まれたアンドロイドである主人公が、自分が誰であるのかを探そうとしている。サイバーパンクの世界観はキープしつつ、主人公の内面を描いたよ。実写化にあたって、トーン、調子にこだわったんだ。マンガ、アニメを実写化するのはトリッキーで難しい部分があるものなんだけど、非常に原作に強さがあるし、キャスティング、ロケーション、デザインを一から作り上げて、違和感なく信じられるようにしたんだ」と見どころを語った。

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スカーレット・ヨハンソンやビートたけしなど、錚々たる面々が顔をそろえたキャスティングについては「本当に国際色豊かなキャストのみんなと仕事ができたね。スカーレットは女優として20年の経験があるし、サイバーパンクの世界観にもぴったりな容姿を持ち合わせている」と語り、「キャリアを見ても、彼女の姿勢とタフさは素晴らしいし、人間の思考を持つアンドロイドという、機械を通す細かいニュアンスもしっかり表現できる類まれな役者だ。自身が誰なのか、善なのか悪なのか、葛藤をきっちり体現してくれたよ。彼女が参加してくれることは非常に光栄で嬉しかったね」と言及。

「ビートたけしという俳優も、もともと知っていたんだ。『HANABI』『ソナチネ』『アウトレイジ』ももちろんね。私のフィルムメイカーとしての成長にそれらの作品は欠かせないし、この作品へのアプローチとして荒巻役には彼以外考えられなかった。世界中おいかけて、やっと捕まえることができたんだ(笑)素晴らしい演技をしてくれて、この作品が日本から発信したということにおいても強みになってくれたね。二人をはじめスタッフみんなは、地球の反対の小さな島で絆を固くして戦った戦友さ。素晴らしい撮影が出来たよ」と称賛しきりだった。

続けて「いわゆる刑事ものとして話は進んでいくんだけど、自己の発見など感情的に厚い作品だ。映画体験として新鮮で目にしたことのないような未来像で、アニメやマンガの原作の世界観をさらに素晴らしいものにしようとしたんだ。」と本作への自信を大いに語った。

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続いて、本編中の出演シーンの一部がスクリーンに映し出されながら、荒巻役のビートたけしが登壇すると会場のボルテージは最高潮へ。たけしは「こんにちは。渡辺謙です(笑)」とおどけて挨拶し、本作について「いま考えると、昔はアニメというものをバカにしていました。AIの存在感が突出していく割に刀で切ったりとか不思議なことも多かったんですが、この作品はようやく今の時代らしく、違和感なくはまっていると思います。そういった作品に、自分が出られて嬉しいです」と喜びをあらわに。

「容赦なくピストルを打つけど、でも身内には親族のように接する、冷静な判断と冷徹な心を両方持っている男の役でした。英語は嫌だと言ったら日本語で良いとなり、セリフ覚えが悪いとか字が読めないとかいろいろと難癖をつけていて(笑)しまいには、スカーレット・ヨハンソンが俺のカンペを持っていた(笑)あれを写真に撮りたかった!」と驚きのエピソードを披露した。

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Photo by Tomohiro Ohsumi/Getty Images for Paramount Pictures

ハリウッドの現場について聞かれると「自分も日本で監督をやるけれど、演出、カメラワーク、編集はすべてひとりでやっています。この作品はすべて担当を分けてやっていて、ひとつの撮影にカメラが4~5台あるし、廊下を歩くだけで38カットもあった」と話し、「何故なのか監督に聞いたら、こういう画がない!という事態が無いようにしていると。スカーレット・ヨハンソンは、子供のころからずっと旬だし、テイクを重ねるたびに新鮮でプロの凄さをみましたし、自分がいかにいつもいい加減か、ハリウッドの主役とはこういうことかと感じました」と日本の映画現場との違いに驚嘆した様子。

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続いてこちらも出演シーンの一部がスクリーンに映し出されながら、2016年に発表された「歴代最高の北米興行収入を上げた俳優」ランキングに女優で唯一ランクインした正真正銘のハリウッドNo.1女優スカーレット・ヨハンソンが満を持して姿を現すと、会場の興奮はMAXに。

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出演映画では14年ぶりの来日となったスカーレットは、日本への愛着を語り「本当に日本が大好きよ。前回は17歳のときだけど、馴染みを感じられたわ」と声を弾ませた。

本作には並々ならぬ想いを持って臨んだようで「もともとこのシリーズのことは知らなかったの。脚本とアニメの映像を見て、かなり恐ろしいものだと感じたけど、すごく哲学的だったから、実写化でどうなっていくのか、私がどう貢献できるかを考えると魅力を感じたわ。ルパート(ルパート・サンダース監督)に見せてもらったビジュアルが見事だったのよ」と述懐。「少佐という役柄も、旅をしながらユニークな体験をして、今の自分のなかに影=GHOSTを感じている人だから、多くの側面を演じられることが魅力的だったの。演じるために肉体的にもたくさんトレーニングしたわ。マーベル作品をやっている経験も役に立ったし、武器の使い方も覚えたのよ」とコメントした。

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この日共に登壇している2人との仕事は、豊富なキャリアを持つスカーレットであっても貴重で心を震わす体験だったようで「ルパートとは初めからパートナーシップを重んじていたの。かなり大きな熱意が必要だと思ったし、それにはしっかり協力しなくてはいけないとわかっていたから。チームワークを強く意識したし、感じることができたわ」と振り返り、「たけしさんとも仕事をすることになって、これだけ偉大な方と仕事をするときは一歩下がって彼の仕事を観察していたわ。日本語と英語という差があっても、演技というのは『人間』であることなの。内面が大事だし、感情のつながりなのよね。荒巻の存在感を感じたし、言葉は違っても多くの感情をわかちあって、同じ映画言語で、つまり同じ言葉で話している気持ちだったのよ。とても感動的な体験だったわ。言葉を超越するのは美しいことだし、多様な世界で活躍する方々が参加するこのような作品に携われる良さはそこにあると思うの!」と笑顔で語った。

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続けて、「本当に多くのことを学ぶことができたの。人間とかけ離れたものを演じて、人間らしさのニュアンスを出してはいけない難しい体験だったから。内面に複雑なものを抱えているのに外面ではそれを出せないんだから。今までにない特別な体験よね。こういったジャンルの役を、深く突き詰めていけたんじゃないかしら。誇りに思っている作品よ」と想い入れの深い作品になったことを明かした。

サンダース監督が世界へ向けて「他でもない日本でこのローンチイベントを実施できたのは重要なんだ。日本でも特別なものであるこの作品が、世界に広まってまた日本に戻ってくる。そこで観てもらえることを楽しみにしているよ。”攻殻機動隊”に敬意を表して大切にしていることを、誇りをもって日本の皆さんに紹介できるし、スクリーンで観たときには喜んでもらえるはずだ」と自信を大いに語ると、たけしも続けて作品の出来をアピールし「映像がかなりすごいです。悔しいくらいにお金がかかってます(笑)私の映画だと100本出来そうなくらいで、これこそがハリウッドということ。デザイナーをはじめスタッフの凄さに、改めて総合芸術だと感じましたし、参加できたことが本当に光栄です」とコメント。

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スカーレットも世界中のファンに向けて「特別な想いを込めた作品よ。非日常で独特な素晴らしい世界の設定で、視覚的にもアクション満載で圧倒されるし、生まれ変われる成長の物語でもあるの。私が主人公に強く共感を得たように、みなさんにも世界に入り込んで共感して欲しいと思っているわ。ワクワクだけではなく、振り返ってもらいながら、好奇心につなげられる、深く心に響くような作品よ」とアピールした。

最後に、世界初公開となる最新映像が上映されると、1カットも見逃すまいと食い入るように見守ったファンは、期待にたがわぬその仕上がりに大興奮で拍手喝采。熱狂と称賛のスタンディングオベーションが鳴りやまぬなか3人がステージを降りると、入れ替わるようにDJが登場しパーティータイムへと突入。余韻を楽しむように盛り上がり続ける、異例尽くしで大盛り上がりのイベントとなった。

映画『GHOST IN THE SHELL ゴースト・イン・ザ・シェル』は2017年4月日本公開

【CREDIT】
監督:ルパート・サンダース
音楽:川井憲次
出演:スカーレット・ヨハンソン、ビートたけし、ジュリエット・ビノシュ、マイケル・ピット、ピルー・アスベック
配給:東和ピクチャーズ
公式サイト:http://ghostshell.jp/

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