越境した北朝鮮漁師が囚われた“網”とは、南北の分断をテーマに挑んだキム・ギドク最新作『The NET 網に囚われた男』予告

嘆きのピエタ』『メビウス』で知られる韓国の巨匠キム・ギドク監督最新作『The NET 網に囚われた男』が2017年1月7日より日本公開される。この度、予告編が解禁となった。

網に囚われた男

本作は、ある事故により国境を越えた漁師の男に降りかかる理不尽な運命を描く社会派ヒューマンドラマ。 『アリラン』『うつせみ』『サマリア』でカンヌ・ヴェネチア・ベルリンという世界三大映画祭を制覇し、『嘆きのピエタ』で第69回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞(最高賞)に輝いた鬼才キム・ギドクが、トレードマークであった極端なバイオレンスを封印して、朝鮮半島の悲劇を背景に1人の男の半生を描き出す。

主演を『ベルリンファイル』や『容疑者X 天才数学者のアリバイ』などでアクション俳優としても評価の高い個性派リュ・スンボムが務めるほか、主人公の帰りをひたすら待つ妻役を『メビウス』での一人二役が鮮烈な印象を残したイ・ウヌが好演する。共演にイ・ウォングン、キム・ヨンミン、チェ・グィファ、ソン・ミンソクが名を連ねる。なお本作は、11月19日より開催の第17回東京フィルメックスのオープニング作品として先行上映される。

網に囚われた男
網に囚われた男
網に囚われた男

解禁された予告編には、ボートの事故により韓国側へと流された北朝鮮の漁師ナム・チョルが、韓国警察に捕らえられ、亡命を強要されるシーンが切り取られている。舟の故障で仕方なく南側にたどり着いてしまっただけで「スパイではない」と、あくまでも北朝鮮に帰りたいと主張し続けるが、屈強な肉体を持つ漁師のことを特殊部隊出身のスパイだと疑い、執拗な取り調べや、心理的に迫る亡命の強要が続くさま映し出されている。果たして、漁師は北朝鮮に戻ることができるのか、そして漁師はスパイなのか違うのか、漁師が掛かってしまった「網」は何なのかを問いかけ、キム・ギドク監督作品に共通する深い余韻を感じさせる予告編に仕上がっている。

映画『The NET 網に囚われた男』2017年1月7日より新宿シネマカリテほか全国順次公開

【CREDIT】
製作・監督・脚本・撮影:キム・ギドク
出演:リュ・スンボム、イ・ウォングン、キム・ヨンミン、チェ・グィファ、ソン・ミンソク
提供:キングレコード 配給:クレストインターナショナル
公式サイト:www.thenet-ami.com

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