戦後日本文学の最高峰とも称される遠藤周作の「沈黙」を、巨匠マーティン・スコセッシが映画化した『沈黙-サイレンス-』。この度、第42回ロサンゼルス批評家協会賞にて、本作に出演するイッセー尾形が助演男優賞の次点に選出されたことがわかった。
本作は、17世紀江戸初期に、激しいキリシタン弾圧の中で棄教したとされる師の真実を確かめるために日本を訪れた宣教師が、人間にとって本当に大切なものとは何かを模索していく歴史大作。ポルトガル人の若き宣教師ロドリゴを演じる『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのアンドリュー・ガーフィールドをはじめ、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー、日本から窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら実力派俳優陣が参戦する。
現地時間11月29日に発表された、世界の映画賞レースの前哨戦となる「ナショナル・ボード・オブ・レビュー」でトップ10作品に選ばれ、脚色賞に輝いた本作。今回新たに、アカデミー賞前哨戦と名高い第42回ロサンゼルス批評家協会賞にて、激しいキリシタン弾圧を推し進める井上筑後守を演じたイッセー尾形が、助演男優賞の次点に選ばれたことが現地時間12月4日に発表された。
イッセー尾形が演じる井上は、残忍な弾圧政策を推し進める危険人物と噂されながら、物腰柔らかなそぶりで宣教師・ロドリゴに棄教を迫り、追い詰める狡猾な人物。解禁された場面写真は、山中で囚われた隠れキリシタンとロドリゴの前に現れ、「転べ」と迫る井上の姿をとらえたシーン。猛暑と土埃に閉口しながら、手にした扇子で顔にまとわりつくハエを払っている。
同日、ロサンゼルスで行われた初の一般試写会で700人近い観客の前に登壇したスコセッシ監督は、イッセー尾形が演じる井上のキャラクターは「既にオーディションの時に出来上がっていた」と言及。「扇子捌き、蠅をピシャリと打つ動作、口の中の埃、彼が意気消沈する瞬間―私たちは皆、お互いに顔を見合わせて『OK』と言ったんだ」とコメントしている。ロドリゴを演じたアンドリュー・ガーフィールドも「ヘビ使いと一緒の部屋にいたようなものだ。あなたはヘビであり、同時に食べられてしまう人でもあった」と称賛の言葉を贈っている。
映画『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日(土)より全国公開
【CREDIT】
原作:遠藤周作「沈黙」(新潮文庫)
監督:マーティン・スコセッシ
出演:アンドリュー・ガーフィールド リーアム・ニーソン アダム・ドライバー 窪塚洋介 浅野忠信 イッセー尾形 塚本晋也 小松菜奈 加瀬亮 笈田ヨシ
配給:KADOKAWA
公式サイト:http://chinmoku.jp/
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