映画『3月のライオン』前編・後編イッキ見試写会が5日、都内・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、神木隆之介、有村架純、大友啓史監督が登壇。本イベントで出演(後編のみ)が明らかとなった伊勢谷友介もサプライズで駆けつけた。
幼い頃に両親と妹を交通事故で亡くし、孤独を抱え、すがりつくように将棋を指し続けてきた17歳のプロ棋士・桐山零が、同じ下町に住む3姉妹との出会いや数々の対局から人生を取り戻していくさまを描く本作。
主人公・桐山零を演じる神木は「前編は熱い映画、後編はあったかい映画だなって思ったんです。前編は結構対局シーンだったり棋士のこと、それぞれが何を抱えてどういうふうに生きているのかが描かれてる。だから男としてもそうですし、プロとして、この世界で戦っていかなきゃいけないっていう覚悟を前編では感じました」とコメント。後編については「各キャラクターが持っていた孤独だったり苦しみが、ゆっくりと溶けていくイメージ。お味噌汁飲んだ圧のような、あったかい気持ちになります」と言及していた。
今回、出演が明らかとなった伊勢谷が演じるのは、母を亡くした幼い川本3姉妹を捨てて家を出て行った放蕩な父親・甘麻井戸誠二郎。サプライズ登場時にスマートフォンで共演者とセルフィをしたりと、自由奔放な姿をのぞかせた伊勢谷は「好き勝手生きるのも意外と悪くないと思っています」とあいさつし、「当たり前のことをやらない役は刺激的でした」と笑顔。
『るろうに剣心』シリーズなど、今回で3度目の大友組参加となった伊勢谷のキャスティングについて問われた大友監督は「これ不思議でね。脚本書いてる時に浮かんじゃったの、伊勢谷さんの顔が。これ伊勢谷さんやったら面白いなと思っちゃったことに尽きます!」と語る。続けて、これまでの大友監督出演作とは「真逆のキャラクターを振りたかった」と言葉を受けると、伊勢谷は「あれですよね?有村さんは性格ぴったりだからこの役にね?」と、本作で初の悪女っぷりを見せる有村をいじる。「全然違うと思ってるんですけど...え?(笑)」と困り顔を見せる有村に、神木は「違うわ!さっきも取材で『(性格が)違うから大変でした』って言ってましたもん」とフォロー。伊勢谷は「人を腹黒扱いするの好きなんだよね!すごい気持ちいい」と告白。伊勢谷の暴走に神木らはタジタジな様子を見せていた。
そんな伊勢谷との共演に、「本当に助けていただいたことばかりで」と感謝しきりの神木。伊勢谷のあるセリフでエンジンがかかったと話し「零として絶対に負けたくないって思ったんです。(伊勢谷演じる)誠二郎さんってほんわかしていて物腰が柔らかくって、誰とでも仲良くなれそうな雰囲気。でも、その中にとんでもない化け物が住んでる。『君さぁ』ってニコニコ言いながら、『...帰れよ』って。それを感じた時に、油断したら零として吹っ飛ばされると思って、正々堂々、正面で戦わないとと思わせてくれた」と熱く語る。それを聞いた伊勢谷は「長くて何言ってるかわかんなかった(笑)」と“伊勢谷節”をさく裂させた。
劇中で描かれる、零が自分の居場所を探すストーリーにちなみ、キャスト陣へ「自分にとっての居場所は?」との質問が。神木は「風呂」と明かし、「すっごい落ち着く。音楽聞いたり漫画読んだり。30分から1時間の間くらいずっと入ってます。楽しく汗かけるってちょーよくないっすか?」とニッコリ。伊勢谷は「女子か!有村さんのお風呂の話聞きたくなっちゃった!」とツッコミ、笑いを取っていた。
有村は「家のソファー または布団」と答え、「帰ってソファーに座る瞬間が好きです!お風呂あがって、羽毛布団の下に敷いてある毛布に入る瞬間がすごい好きです!」と明かした。一方の伊勢谷は「“志事(しごと)仲間”。一緒に目的を持って動いている人と過ごす時間はやっぱり安心しますね。とにかく仲間といる時」と語り、大友監督も「『現場』だ、楽しいもん!」と同意見。伊勢谷は「2人はそうでもないね!」となじると、有村らは「それはもう大前提です!」「現場は楽しいからね!」とあたふたしながら返していた。
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映画『3月のライオン』は2017年【前編】3月18日、【後編】4月22日より全国公開
【CREDIT】
監督:大友啓史
主演:神木隆之介 有村架純 倉科カナ 染谷将太 清原果耶 佐々木蔵之介 加瀬亮 前田吟 高橋一生 岩松了 斉木しげる 中村倫也 尾上寛之 奥野瑛太 甲本雅裕 新津ちせ 板谷由夏 伊藤英明/豊川悦司
原作:羽海野チカ「3月のライオン」(白泉社刊・ヤングアニマル連載)
制作プロダクション:アスミック・エース、ロボット
配給:東宝=アスミック・エース
©2017 映画「3月のライオン」製作委員会