『映画 太陽の子』有村架純、三浦春馬の言葉「自分たちの仕事・役目は想像力を届けること」考えることの大切さ伝える

映画 太陽の子』初日舞台挨拶が6日、都内・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、柳楽優弥、有村架純、黒崎博監督が登壇した

太陽の子

太平洋戦争末期に存在した「F研究」と呼ばれる“日本の原爆研究”。その事実を基に、3人の若者たちの青春を描く本作の監督・脚本は「青天を衝け」など多くの話題作を手がける名手・黒崎博。彼が10年間大切に温め続けたこの企画に共鳴し、柳楽優弥、有村架純、三浦春馬、田中裕子、國村隼、イッセー尾形、山本晋也、そしてピーター・ストーメアが参加。音楽にはアカデミー賞®5部門ノミネートの『愛を読むひと』のニコ・ミューリー、サウンドデザインに『アリー/スター誕生』のマット・ヴォウレスと、ハリウッドスタッフが続々と参加。さらに主題歌を、製作陣の熱い想いを受け止めた福山雅治が担当し、心に沁みるバラード「彼方で」で物語を深く彩る。

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公開初日を迎えたことに、柳楽は「2年前に撮影を行って、初日を迎えられて皆さんにお届けできて嬉しく思っています」、有村も「広島の原爆の日にこの映画が公開を迎えたことは、とても意味のあることだと思います」と感慨深い様子。

思い出や印象に残っているシーンについて、柳楽は「たくさんありますが、中でも、川のほとりを春馬くんと走るシーンが印象に残っています。春馬くんがすごいタフで(笑)なかなか追いつけなかったのは役のキャラクターとリンクしていて好きなシーンです」と明かす。黒崎監督も「本当にキャラクター通りで、どんどんエネルギッシュに走っていく。柳楽くんもタフなんですが、『もう無理っす』と言うくらい春馬くんはエネルギッシュでしたね」とコメントした。

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有村は、柳楽・三浦との共演に「柳楽さんはとても周りを巻き込む力がすごい強い方。自ら能動的に動くのではなく、柳楽さんの中心に勝手に吸い込まれていくんです。空気が変わるってこういうことなんだと思いました。春馬さんはいろんな個性ある空気をすべて調合して新しいものをつくってくれる。春馬さんがどこにいてもみんなが気持ちよく場が流れていくのを感じました。2人ともとても素敵な役者さんだなと思います」と話した。

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イベントでは、劇中の写真とともに撮影を振り返る一幕が。柳楽は、アクリル板に長い数式を書き描くシーンについて「当日の朝に『これ覚えられるかな』と渡されてみんなで頑張りながら覚えていきました。書き方も慣れがでるように工夫しました」と苦労した様子だった。柳楽・有村・三浦の3人で昼の海辺を歩くシーンについて、現場で大きな蜂の巣を発見したという有村は「すんごい大きな蜂の巣でした(笑)制作スタッフさんが頑張ってとってくださってみんな救われました」、柳楽も「砂浜からピュッと出てくるくらい蜂がいました(笑)」と裏話を明かした。

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日米合作で国際色豊かな顔ぶれが揃った本作。ここで、本編ナレーションを務めたピーター・ストーメアが綴った手紙をMCが代読(下記参照)。その内容に、カナダ・トロントへ赴きピーターとナレーション収録を行った黒崎監督は「最後の最後に揃っていないピースのようだった。心の声としてピーターさんの声がほしかった。すごく愛を込めて演じてくださった。声だけですがすごく存在感があります」とコメントした。

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最後に「こうしてここに立っていると、足りないじゃないかと。なんでここに春馬くんがいないんだろうと。正直悔しすぎる思いがあります。観ていただける皆さんに感じて欲しいのは、このスクリーンの中に一緒に走り切った姿があるということ。柳楽くん有村さん春馬くん、他のキャストスタッフみんなで伝えたかったのは、どんなに難しい状況でも生きて生きて生き抜くしかないということ。少しでもメッセージが届くと嬉しいです」(黒崎監督)。

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「戦時下の話ではありますが、当時生きた若者たちが未来を作るために懸命に生き抜いていく青春のお話。いまは先行きが不透明で考えることすら疲労してしまいますな、考えることを諦めてしまうのは心苦しい。春馬さんもよくおっしゃっていた、『自分たちの仕事・役目は想像力を届けることだ』と。改めて、自分も皆さんも一緒に考えていけたらと思います」(有村)、「今日広島で行われた式典での小学生のスピーチにとても感銘を受けました。個人に対しても、歴史に対しても、忘れていくことが一番怖いなと。映画を通して、皆さんに伝えられていることは平和への第一歩なんだと改めて感じることができました」(柳楽)と挨拶し、イベントは幕を閉じた。

ピーター・ストーメアからの手紙全文


オーディエンスの皆さん、ようこそ。今夜は参加できず申し訳ございません。しかしながら、私の愛する妻と娘は参加させていただいております。

もちろん、私の魂も皆さんと共にここにあります。

この作品は、才能あふれる黒崎監督の情熱から生まれたものです。日本、そして米国から様々な人々が参加し、この価値ある映画が作り上げられました。この作品に参加できたことは、私にとっても名誉なことであります。他の作品の撮影の最中に本作ナレーション収録がカナダのトロントで行われました。私が参加できるよう、黒崎監督はわざわざカナダまでお越しくださいました。

我々人類が学ばなければいけないこと、そして、その学びから明るく希望溢れる未来を創造していかなければならないことを伝えるこの作品に参加でき、自分自身を誇りに思いますし、とても嬉しく思います。

是非『映画 太陽の子』をお楽しみください。お越しいただきありがとうございました。

映画 太陽の子』は8月6日(金)より全国公開

(C)2021 ELEVEN ARTS STUDIOS /「太陽の子」フィルムパートナーズ

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