“同じ瞳を持つ”3俳優が主人公の成長を体現!『ムーンライト』奇跡のキャスティング、その発掘秘話とは?

第89回アカデミー賞で作品賞を含む3部門を受賞、プラッド・ピッドがエグゼクティブプロデューサーを務めた映画『ムーンライト』が3月31日(金)より公開規模を大幅に拡大して全国公開される。

ムーンライト
(C)2016 A24 Distribution, LLC

マイアミを舞台に、自分の居場所とアイデンティティを模索する主人公・シャロンを、少年期・青年期・成人期と3つの成長過程で3人の俳優が演じた本作。これは、10歳の少年期から様々な段階を経て30歳前半までのシャロンの成長を、1人の俳優が年を重ねていかずに描くという、バリー・ジェンキンス監督の大胆な決断から始まり、監督はもちろん、キャスティング・ディレクターであるヤシ・ラミレスを初めとした多くのスタッフによって、“同じを持つ”3人の奇跡のキャスティングが実現した。

ヤシ・ラミレスはキャスティング・ディレクターになる前、未成年の官選弁護人になる勉強をしており、問題を抱えた子供たちのために力を貸していた経歴を持つ。本作の脚本に惹かれたラミレスは「シャロンは誰か手を貸してくれる人が必要だったの。私はそういった子供たちを知っていたし、そんな子供たちのために働いていたから」とコメントしている。

少年期(リトル):アレックス・ヒバート


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ジェンキンス監督は、マイアミ中をくまなく歩いて、出演者募集のチラシを貼ったり、学校や近隣を歩いて周り、この重大な役柄を演じられる少年を探し歩いた。最終的に2人はヒバートを見つけ、他のスタッフに見せるために彼を撮影した。ラミレスは彼をオーディションで見た時、すぐにその幼い目に映る物静かな好奇心と脆弱性に強く惹かれた。誰もが彼こそがふさわしいと確信を持ったのだった。

青年期(シャロン):アシュトン・サンダース


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ラミレスは全国を回り、オーディション・テープや顔写真を見たり、インターネットで高校の演劇プログラムを終了した生徒のビデオクリップを探し回った。最終的に、ラミレスが最初にロサンゼルスで行った数多くのキャスティング・オーディションで見つけたうちの1人だったアシュトンは、それまでにサンダースはインディペンデント映画に出演したことがあり、静けさと不屈の精神を持ち合わせた第2章のシャロンの重要な役どころには打ってつけだった。

成人期(ブラック):トレヴァンテ・ローズ


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ルイジアナ出身の陸上競技界のスターであるトレヴァンテ・ローズは、もともとは第3章の大人になったケヴィン役のために呼ばれていた。しかし、筋肉隆々で男っぽいローズが、街に精通した大人の化身である“ブラック”ことシャロンの役柄に、より適していることに誰もが気づいたのだった。ラミレスは「キャスティング・ディレクターとして、入ってきてすぐ強烈に“これだ”と思うことはあまりないことないのに、ローズは特別だったわ」「彼の男らしい風貌に加えて、彼は観客がキャラクターに対して何か感じる弱さを持ち合わせていたの」と絶賛した。

3人の主人公に共通する瞳


3人のシャロンは継ぎ目なく3つの章でつながっているが、ヒバート、サンダース、ローズの3人は監督の指示で、撮影中会うことはなかった。「私たちがラッキーだったのは、それぞれのパートに最もふさわしい俳優を見つけられたことよ」とラミレスは語る。「3人には3つの違った時期を一貫して流れる、内なる脆弱性という共通の特徴もあったのよ。それぞれの俳優はそれを瞳で表現できて、あのキャラクターの人生の完璧な映画を作るのを助けてくれたわ」と振り返っている。

映画『ムーンライト』3月31日(金)全国公開

【CREDIT】
監督・脚本:バリー・ジェンキンス
エグゼクティブプロデューサー:ブラッド・ピット
キャスト:トレヴァンテ・ローズ、アンドレ・ホーランド、ジャネール・モネイ、アシュトン・サンダース、アレックス・ヒバート、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリス
配給:ファントム・フィルム

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