『未来世紀ブラジル』『12モンキーズ』の鬼才テリー・ギリアム監督が、制作開始から19年の歳月を経て『ドン・キホーテを殺した男』の撮影を無事終了したことを自身のFacebookを通じて明らかにした。
過去19年間の間に8度、撮影を試みた本作の制作は予想以上に難航を極め、実現は不可能とおもわれながらも、ついに日の目を見る日が訪れることになった。ギリアム監督のFacebookには、撮影開始から17年後についに撮影が終了したことや、『ドン・キホーテを殺した男』の制作に従事したすべての人、映画の完成を信じていたファンへの感謝の意が記されており、長きにわたる撮影を終了し、帰宅の途につけることが記されている。
ファンタジー・アドベンチャー・コメディとなる本作の舞台は現代。CMディレクターのトビー・グリソーニが、ドン・キホーテの物語をベースにした老学生の映画を盗作しようとしたところから物語がスタートする。老学生がかつて撮影に訪れた古いスペインの村を訪れたことから、トビーは数々の悲劇的な出来事と冒険の世界へと誘われることになってしまう。
1998年にはジーン・ロシュフォートをドン・キホーテに、ジョニー・デップをトビー役に迎えて映画化に乗り出すも撮影が開始するや洪水に遭い、ロシュフォートの椎間板ヘルニアの発症などによって製作を終了せざるをえない事態に見舞われた。その悲劇的な出来事はドキュメンタリー映画『ロスト・イン・ラ・マンチャ』になるなど、作品の完成は到底不可能と思われていた。
だが、2017年に入って『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジョナサン・プライスをドン・キホーテに、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のアダム・ドライバーをトビー役に迎え、オルガ・キュリレンコやステラン・スカルスガルドらも参加して撮影を開始し、ついに6月に入りクランクアップを迎えたのである。