高杉真宙、葵わかな、清水尋也が『逆光の頃』小林啓一監督に感謝「壁に当てさせてくれる」

映画『逆光の頃』完成披露上映会が10日、都内・新宿シネマカリテにて行われ、主演の高杉真宙をはじめ、葵わかな、清水尋也、小林啓一監督が登壇した。

逆光の頃

「コップのフチ子」の原案者であり、ギャグイラスト「バカドリル」 などで知られる漫画家タナカカツキの同名原作を映画化。原作は全12編から構成されており、日常と非日常、夢と現実、双方の世界を行き来する青年の心情を、京都の街を背景に鮮やかに紡ぎ出していく。映画では「僕は歪んだ瓦の上で」「銀河系星電気」「金の糸」の3編とオリジナル部分を映像化していく。主演を『PとJK』『トリガール!』に出演する高杉真宙が、高杉扮する孝豊が恋心を抱く幼なじみ・みことを『サバイバルファミリー』、10月からスタートするNHK連続テレビ小説 「わろてんか」でヒロインに抜擢された葵わかながそれぞれ演じる。監督・脚本を『ももいろそらを』『ぼんとリンちゃん』の小林啓一務める。

逆光の頃

京都育ちの高校生・赤田孝豊役の高杉は「やっと観ていただける日が来た」と完成に喜び、孝豊の幼馴染・みこと役の葵も「見るだけで京都に行ったような気分になる映画。ということは皆さん、京都から今帰って来たばかりということですね」とにっこり。

京都での撮影を高杉は「最初は周りから“京都に観光をしに来た男の子”と言われていたけれど、撮影が進んでいくうちに“現地の子になった”と言われたのが嬉しかった。自分の学生時代とすり替わるくらいの青春をさせてもらいました」と回想。葵も「皆さんと仲良く同級生のように撮影して、京言葉も撮影の終わりの前日まで稽古をしました。それだけ刷り込んだので京都の子らしさが出ていれば」と熱演を報告。孝豊のクラスメートでバンドマン・公平役の清水は「京都は中学時代の修学旅行以来。街並みを視覚から楽しめました」と振り返った。

逆光の頃

映画『渇き。』以来の共演という清水に、高杉は「久しぶりにセリフで言葉を交わしたし、撮影以外は2人で洋服を見に行ったり、撮影も楽しかったけれどカメラがないところでも京都を楽しんだ」との裏話を披露すると、清水も「真宙との共演は懐かしくて、自分の役者の原点に帰るような気持ちになった」と喜んだ。

高杉と小林監督は映画『ぼんとリンちゃん』以来の再タッグ。小林監督について高杉は「作品への愛がある」と言い、「何度も『もう一回!』と言われて、嬉しいけれど、監督の現場では毎回心が折れて一回帰るというのがある。そんな現場は数多くないので、僕を壁に当てさせてくれる厳しい監督。俳優からしたら嬉しい作品の撮り方をしてくれる」と感謝。これに葵も「いい意味でしつこい監督」とぶっちゃけながらも、「監督の中に役へのイメージがしっかりとあって、そこから指1本でも出たらアウト。その中でいかに演じるかを課題にしていました」と完璧主義な演出スタイルを明かした。

逆光の頃

高杉と葵の証言に清水は「2人が言っている事は全て本当です」と強調し「人間としてコミュニケーションをとるのが上手な人。現場ではいい空気を作ってくれて、気が付かないうちに自分の何かが引き出されている。魔法みたいなものにかけられた気分」と分析。俳優陣の発言に、当の小林監督は「そんなに厳しくないと思うけれど…」と照れながら、「こちらもやりやすかった。ありがたいですね」と嬉しそうな表情。続けて「清水君、誕生日おめでとう!」と、昨日18歳になった清水の誕生日を祝福していた。

最後に主演の高杉は「映画を観て思ったのは“悔しい!”ということ」と切り出すと「それは、何故京都で生まれなかったのか?なぜ京都で学生生活を送らなかったのか?ということを強く思ったからです。皆さんにもそう思ってもらえたら嬉しいし、僕らが演じた役柄がどこかで生きていると思ってもらえれば。リラックスできる映画なので何度も僕たちに会いに来てほしい」とメッセージを贈った。

映画『逆光の頃』は7月8日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開

(C)タナカカツキ/講談社・2017 東映ビデオ/マイケルギオン

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