松本潤「忘れられない作品になった」『ナラタージュ』封切りに万感の想い明かす

映画『ナラタージュ』初日舞台挨拶が7日、都内・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、松本潤、有村架純、坂口健太郎、大西礼芳、古舘佑太郎、行定勲監督が登壇した。

満席の会場で歓声と大きな拍手が鳴り止まない中、松本は「朝早くからありがとう御座います。嬉しいです。10月7日、ようやく公開されました。皆様に触れて頂けるタイミングになりました。たくさんの人に届いてもらえたら嬉しいなと思います」と公開初日を喜び、有村は「撮影が終わってからも公開するまで取材などでずっと泉の気持ちに寄り添いながら、当時の話をすると思い出してしまって、苦しかったなあとか辛かったなあとか思うんですけど、ようやく泉と一緒に前に一歩進める気がしています」と撮影の事を思い出しながら挨拶した。

有村演じる泉の親友を演じた大西からは「秘密の恋ほど激しくて“悶絶”するものはないんじゃないかって思ってます。初日を迎えて、“悶絶”がこの劇場に染み渡ったんじゃないかと思っています」と“悶絶”を推して会場を沸かせた。

行定監督は「企画を頂いたのは12年前で、原作を企画化したいと思っていたが、手に渡ってきたのが10年前で、10年間本当に“悶絶”してたんですよ。本当に。このキャストに出会うまで10年かかった。このキャストに恵まれるために10年間作れなかった。やっぱり映画はつくられるべきときにつくられるもんなんだなと思いました」と、今のタイミングで本作が作られ、公開出来たことをじっくりと喜んでいた。

そして、本作が4年振りの主演映画になった松本は「忘れられない作品になりました。今まで自分が表現してきた表現方法とは違う表現の仕方というのを勉強させて頂きました。本当に行定監督に感謝しております。ありがとう御座います」と語り、有村も「正統派な役が多かった中、いずみのような役柄は初めてで、選んで頂いた事がとても嬉しかったですし、光栄に思っています。23歳という年齢でこの作品で残せた事は今後もすごく大切になるんじゃないかと思っています」と、それぞれ本作で役者としての新たな表現に出会えたことを、しみじみと感じていた。

また、試写会などで先に鑑賞した方々からは、坂口演じる小野に感情移入する人が多かったようで、坂口は「台本をどんどん読み進めていくうちに、一筋縄じゃ行かない役だと思ったが、小野君に対してすごく愛くるしさを感じたので、観ている人にも、どこかで小野君を愛してほしいです」と、複雑な役柄を演じきり、多くの人に感情移入してもらえていることに喜んでいた。

本作のキャッチコピー「壊れるくらい、あなたが好きでした。」にちなみ、キャスト陣に「壊れるくらい好きなもの・人、忘れられないもの・人」を問う一幕も。松本は「観終わった時に、自分が今まで生きてきたことを振り返るような時間だったので、もう会えない人とかのことを考えました。中村勘三郎さんとか、蜷川幸雄さんとか、自分の家族も含めて。自分が人の人生の中でどれだけ記憶に残ることが出来るかを考えたので、強烈に記憶に残っている人の事を思い出した」と話す。

有村は「母の手料理」と伝え、その時のエピソードを話した。坂口は「衝撃的だったのは親父が泣いているのを見た時」、大西は「祖母の影響で知った美空ひばりさん」、古舘は「中学校の頃、当時友達とやっていたプロレス。痛みとして残っている」、行定監督は「台湾で食べた、団子とイカスミで作った“いかだんご”」とそれぞれの記憶を思い出しながらエピソードと共に語っていた。

イベントでは大ヒットを記念して、本作で印象的な“雨水”が入った鏡割りが行われた。最後に松本より「本日より『ナラタージュ』公開になりました。本当に苦い濃密なラブストーリーになっております。たくさんの人の心に届いて、たくさんの人の心に残ってもらえたら嬉しいなと思っています。これから僕らの手を離れ、観客の人の元へ届き、たくさんの人に愛される作品になることを願っています」と、作品に対する愛情を語った。

上映時間はこちら

映画『ナラタージュ』は全国公開中

【CREDIT】
出演:松本潤 有村架純 坂口健太郎 大西礼芳 古舘佑太郎 神岡実希 駒木根隆介 金子大地/市川実日子 瀬戸康史
監督:行定勲(『世界の中心で、愛をさけぶ』『春の雪』『ピンクとグレー』)
原作:「ナラタージュ」(角川文庫刊)
配給:東宝 アスミック・エース
公式サイト:http://www.narratage.com/

(C) 2017「ナラタージュ」製作委員会

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