第22回釜山国際映画祭【オープンシネマ部門】に正式招待された映画『君の膵臓をたべたい』。メイン会場である「映画の殿堂」の野外劇場にて、現地時間10月15日(日)に公式上映された。
公式上映に合わせ、監督の月川翔、本作で主演を務めた浜辺美波の2人が現地入り。ともに国際映画祭初参加となった。釜山・海雲台(ヘウンデ)ビーチに設置された野外ステージ・BIFFビレッジで行われたファンミーティングに登場した2人。当日は朝から雨が降っていたにも関わらず、100人を超える釜山国際映画祭に訪れた一般客やメディアが集まり、大きな拍手で迎えられた。
同映画祭について月川監督は「国際映画祭への参加は今回初めてですが、韓国映画が大好きなので、韓国の皆さんに観てもらえることをとても嬉しく思っています」とコメント。浜辺は、作中のセリフを引用しつつ「“私たちが出会ったのは運命ではなく、私がしてきた選択と、君がしてきた選択が私たちを会わせたんだよ”というセリフがあります。私が今、ここに立てていることや、この映画に出演できたことを運命と言ってしまうのではなく、これまでの努力の積み重ねや、たくさんのご縁のおかげだと思っています」と自身の気持ちを語ると、発言に感銘を受けたのか客席からは大きな拍手が起こった。
既に韓国で10月25日(水)から公開することが決定しており、現地でのポスタービジュアルを解禁した際は、Facebookでいいね!16,000個、書き込み25,000件の反響があり、予告が現地配給会社のYouTubeにアップされた際は、わずか1日で70万回以上再生されるなど、爆発的な反応から注目度の高さも伺え、現地配給会社も韓国での邦画実写映画の新記録を打ち立てたいと鼻息を荒くしている本作。
2人への取材も予想を超える希望数が寄せられ、急遽記者会見の実施へと変更。現地媒体も興味津々のようで、次々と質問があがり、2人は緊張の面持ちながら、それぞれの質問に丁寧に答えていった。現地記者から「『君の膵臓をたべたい』は韓国ではまだ公開していないが、今夜の上映のチケットがすぐに売り切れるほど、非常に話題になっている」と伝えられると、月川監督は「たくさんの方にそう言って頂けますが、まだ実感がありません。でもとても光栄です」と笑顔でコメント。
国際映画祭だけでなく、初の訪韓となった浜辺は「人気のある原作の、人気のあるキャラクターを演じるのにプレッシャーはありませんでしたか?」という質問に対して、「プレッシャーもありましたが、こんなに素敵な女の子を演じられるんだ、と楽しみになりました」と答えた。
【オープンシネマ部門】はその名の通り、映画祭のメイン会場となる「映画の殿堂」の屋外スクリーンでの上映。本年は本作も含め、2017年8月に第74回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され金獅子賞を受賞した『The Shape of Water(原題)』のほか、『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』など計7本が上映された。
幅広い層の映画ファン約5,000人が会場に詰めかけた上映前の公式舞台挨拶では、異例の追加席を設置するほどの大盛況。映画祭関係者も「オープンシネマ史上最大規模の動員だ!」と驚きを隠せない様子だった。観客と野外での広い会場に圧倒されながらも、2人が「アンニョンハセヨ」と笑顔で韓国語の挨拶をすると、会場からは「おおおお」と地響きするような歓声が起こりました。その反応に驚きつつも、月川監督は「このタイトルに怖がらずに観に来てくださって、とても嬉しいです!」と語ると会場は爆笑。あまりの壮観な景色に「皆さんの写真を撮らせてください!」と舞台上から自身のスマホで客席を撮影。
さらに浜辺が「オヌル、クッカジ チュリュギョ ジュセヨ.(今日は、最後まで楽しんでください。)」と韓国語で語ると、さらに大きな「おおおおおおおおおお!」という歓声が沸き起こった。2人は来場した観客との記念撮影を行い、終始笑顔で舞台挨拶を終えた。
上映中には、浜辺とともにW主演を務めた北村との2人のシーンに涙を流す観客が続出。風も強く気温も低い環境の中でも、エンドロールが終わる最後まで席を立たずにいる観客がほとんどで、上映が終了するとスタンディングオベーションが起こった。浜辺の魅力と、月川監督が生み出した美しい映画に観客は息をのみ、“キミスイワールド”に会場全員が酔いしれた。
映画『君の膵臓をたべたい』は大ヒット公開中