アル・ゴア元アメリカ副大統領が出演し、地球と人類の未来を予見するドキュメンタリー『不都合な真実』の続編、『不都合な真実2:放置された地球』が11月17日(金)より全国公開される。この度、ゴア氏が元アメリカ副大統領という経験と前作を経て“政治家には出来なくて、映画には出来ることとは?”という観点から本作について語った。
前作から10年、アル・ゴア元アメリカ副大統領が予見した「真実」の如く、地球はかつてないほどの危機に瀕している。止まらない地球温暖化に拍車をかけるような、トランプ現アメリカ大統領の国際的地球温暖化対策「パリ協定」の脱退。
本作は「人間の知恵と情熱により、気候変動による危険は乗り越えられる」という信念を貫き、戦い続けるゴア氏の姿を追い、地球に起きている衝撃の「現実」を映し出す。
前作が公開後に世界的なムーブメントへと発展したことを受け、「“映画は長編メディア”であることを学んだ」というゴア氏。その理由について「発信元が多様化しすぎてニュース環境が無秩序になり混乱している昨今では、特にそうだと思いますが、まとまった人数が劇場内で、2時間もの間集中して映画を観るのですから、何か重要なメッセージを伝える方法として、これに勝る方法は無いのではないでしょうか」と持論を展開。
ゴア氏は、10年前を振り返り「(公開前は)僕はこの危機とその解決法を1度に100人の観衆に伝えられれば満足だった。500人もいれば大成功だった。だから映画によって、何百万人もの人々に訴えかけられるなんて思いもよらなかった。僕にとっても刺激的だったよ。あんなに多くの人に僕が心から信じるメッセージを伝えられたんだからね。現在人類が直面する最大の危機をもっと効果的に多くの人に伝えられてとても満足だったよ」と述べている。
そして、現在気象変動の物語は新たなチャプターを迎えていると続けるゴア氏は、私達には解決策があると断言。「そしてあとは、政治的意思を高め、出来るだけ早く解決に向けて実行に移してもらうよう説得するのみです。私の経験から言わせてもらうと、政治的意思自体が再生可能な資源なのです」と言及した。
自身の信念について「アメリカ大統領ほど世界を変えられる地位はないという考えに陥って苦しんだことはないが、大統領という地位を勝ち取れなかったからこそ他の方法を見つけることができたと嬉しく思っている」と語るゴア氏。
政治家でないからこそできることが多くある。「生きている限り、取り組んでいくつもりだ」と確固たる決意をもって活動を続けるゴア氏のひたむきな姿は、しっかりと本作に刻まれ、そして観る人の胸にも同様に爪痕を残すことだろう。
アル・ゴアは、アメリカの副大統領を8年間務め、2000年の大統領選では、元・アメリカ大統領ジョージ・ブッシュと一進一退の攻防戦の末、約0.03%の僅差で惜しくも敗戦。その後は、政治家としてではなく、環境活動家として世界中を飛び回り、大勢の気候チャンピオン(気候変動への対策を地域単位で具体的に行う若者)を養成したり、国際的な環境政策に影響を及ぼしたりと、終わりの見えない戦いに挑んでいる。
前作『不都合な真実』は、第79回アカデミー賞で2部門(長編ドキュメンタリー賞/主題歌賞)受賞、ドキュメンタリー映画史上に残る記録的大ヒットを記録。翌07年には地球環境問題啓発に貢献したとして、ゴア氏へノーベル平和賞が授与された。
映画『不都合な真実2:放置された地球』は11月17日(金)よりTOHOシネマズみゆき座ほか全国公開
【CREDIT】
監督:ボニー・コーエン、ジョン・シェンク
製作総指揮:ジェフ・スコール、デイヴィス・グッゲンハイム、ローレンス・ベンダー、ローリー・デイヴィッド、スコット・Z・バーンズ、レスリー・チルコット
原題:An Inconvenient Sequel: Truth to Power
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