ウィル・ポールター『デトロイト』限界突破の快演を語る、撮影中泣き崩れたエピソードも

ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』のキャスリン・ビグロー監督最新作『デトロイト』が2018年1月26日(金)より公開される。この度、凶悪な警官を演じたウィル・ポールターのコメントと場面写真が到着した。

デトロイト

本作は、1967年にアメリカ・デトロイトで実際に起こった残虐な“暴動”の中の恐怖に満ちた“戦慄の一夜”の事件を描く。主演に『パシフィック・リム:アップライジング(原題)』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のジョン・ボイエガを迎え、共演にレヴェナント 蘇えりし者』のウィル・ポールターが名を連ねる。ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』のキャスリン・ビグローが監督を務める。

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この度到着したのは、凶悪な警官を演じたウィル・ポールターのコメントと場面写真。『メイズ・ランナー』『レヴェナント:蘇えりし者』などに出演し、本作で早くもアカデミー賞®《助演男優賞》ノミネートが有力視されるウィル・ポールターが語る役作りとは。

本作で凶悪な差別主義者であるデトロイト市警の警官クラウスを演じたポールターは役作りついて「とても難しい役だ。間違った事実を信じ込んでいる男の心理、間違った意見を信じている男、人種差別主義者を演じるためには、その役に無知になりきる心構えが必要だった有色人種は白人種への脅威であるという考え方に事実や論理があると考える人がいたら、間違っていると思う。そういった事実は一切ないから。事実はその逆なんだ。そんな人間の心の中に入り込むのは怖かった。人間として、とても乏しい生き方だと思う」と語る。

そして、クラウスという人物像については「彼は、当時の警察が利用していた方法、すなわちアフリカ系アメリカ人を刺激して、攻撃的・暴力的な反発を促し、黒人たちを正当に逮捕できるとした敵対的戦法を統括した人物だった」と分析したことを明かした。

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残忍で、暴力的で、有色人種に対する排他的な行動をするクラウスという役柄を演じ続けることは、大きなジレンマと苦痛を伴ったという。ポールターがその重荷に耐えられなくなったことがあると明かすのは、本作に登場する実在の人物ラリー・リードを演じ、先に発表されたNAACP(全米有色人種地位向上協会)賞で、主演男優賞にノミネートされたアルジー・スミスだ。

スミスは「ウィルがセットの中で、突然泣き崩れてしまったことがあった。彼は、ビグロー監督を見上げてこう尋ねた。『あと何回このシーンを撮り続けなければならないのですか? もう耐えきれません』と。聞いていた僕たちも、押さえていた思いが一気にこみ上げてきた。彼を抱きかかえようとしたけれど、自分も一緒に泣き崩れてしまった。その時、演技をするだけでもこれほどまでに苦しみや痛みを感じるのに、これが現実のものだったとしたら、これ以上に痛ましいものだったに違いない」と痛感したと振り返っている。

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本作で描かれる、「アルジェ・モーテル事件」は、50年間封印された衝撃の事件だ。その当事者を演じることについてポールターは「真実を語らなければならない、という責任を感じた。真実を語ることで、こういったことが二度と起こるのを阻止できればという気持ちから。歴史は繰り返されている、という気持ちも心のどこかにある」と心の内を打ち明けている。

徹底してリアルなシーンを再現するために、全身全霊で取り組むキャストたちを容赦なく追い込んだというキャスリン・ビグロー監督は、「キャストたちが、演じる時に抱く感情には気に掛けていた。特にウィルにとっては、役柄としても精神的につらいものだったはずです」と語っている。

映画デトロイトは2018年1月26日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国公開

【CREDIT】
監督:キャスリン・ビグロー 脚本:マーク・ボール
出演:ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、ジャック・レイナー、アンソニー・マッキー
提供:バップ、アスミック・エース、ロングライド 配給:ロングライド

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