斎藤工、映画や役への真摯な姿勢みせる 監督業についても言及「最初で最後の気持ちで作っている」

映画『サラバ静寂』キックオフトークイベント(第二部)が15日、都内・SIBUYA LOFT9にて行われ、斎藤工、森本のぶ、監督の宇賀那健一が出席した。

サラバ静寂
(左から)SUMIRE、宇賀那健一監督、斎藤工、森本のぶ

斎藤による乾杯の音頭「おっぱい」で幕を開けたキックオフトークイベント第二部。音楽を心から憎んでいる警察官・杉村役を怪演している斎藤は「先輩の俳優さんに教えていただいたんですが『主演を輝かせるのは助演である』『助演を輝かせるのは主演である』と。その関係性から、(本作において)僕がダークゾーンに行けばいくほど、彼ら(吉村界人ら)がより輝くんじゃないかなと思って演じました」とコメント。

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今回、約10年ぶりに共演を果たした斎藤と森本。予告編からも確認できるが、斎藤が森本の耳を舐める場面は斎藤自身のアドリブだったことが明らかに。ファンから「えー!」と驚きの声が上がる中、斎藤は「彼(警察官・杉村)なりの儀式というか、順序みたいなものがあって、役に入り込んでいたので『彼ならやるかな』と。今回の映画が音をテーマにしているので、耳には音を象徴するものがあった。森本味でした(笑)」と笑顔をのぞかせた。

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宇賀那監督は「現場でも色々と提案していただいた。群馬の現場に衣装や小道具が入ったトランク2つもってきていただいて…時間がない中ディスカッションを重ねてくれて、なおかつ毎シーン工さんは何かを持っているんです。チュッパチャップスも台本にはないアイテムで、役者さんとして色んなことを提案してくれるので、監督として贅沢な時間を過ごさせていただきました」と、斎藤の作品に対する姿勢に感謝していた。

イベントは、斎藤が「齊藤工」の名義で長編監督デビューを果たし、高橋一生が主演を務める『blank13』についてもトークが進んだ。

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斎藤は「最初は実話を基にした葬儀場でのシュチュエーションコント劇を映像配信しようと思っていた。でも、映像募集している企画に出したら通って、1時間くらいのものを70分尺にしたら『映画祭に出せるんじゃないか』と思って。企業さんをちょっとずつ口説いていって、無理やり映画にしていったのが正直な生い立ちです」と映画化に至った経緯を述懐。「(映画祭に出品する)それなりのものができたと思っていますし、知り合いでもある金子ノブアキが素晴らしい音をつけてくださったので」と自信をのぞかせた。

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さらに、監督次回作について「海外の監督が僕の作品を気に入ってくれてホラーのアジア企画の日本枠としてプレゼンしてくれて。それが通って、企画書を出して審査が通った状態ですね。僕は計画的に映画を撮っていくというか、毎回、最初で最後の気持ちで作っています」と明かす。

「俳優業より監督業の方がスポーツ的。結果で未来を作っていかなきゃいけない。ある意味、失敗は許されないシリアスさをもっている」と語った。

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blank13』を鑑賞した宇賀那監督は「工さんの人柄がすごく出ている作品。各部署への信頼、キャストへの信頼をすごく感じる愛のある作品。タバコを吸うシーンが好きなんですが、タバコを吸うだけなんだけど、(演者に)背負わせるものがある。キャストの力を信じる、工さんの愛を感じるシーンでした。めちゃめちゃ面白かったです!」と絶賛した。


黒い暴動♥』などで知られる宇賀那健一が監督を務める本作は、音楽などの娯楽が禁止された世界を舞台に、音楽を知らずに育ってきた若者たちが、 ひょんなことから音楽を聴いてしまったことから巻き起こる騒動を描く、静かなるノイズミュージック映画。ファッション雑誌「装苑」専属モデル・SUMIREがヒロインを務め、吉村界人、若葉竜也、森本のぶらが共演する。音楽を心から憎んでいる警察官・杉村役で斎藤工が出演している。

映画『サラバ静寂』は1月27(土)よりユーロスペース他にて公開

【CREDIT】
出演:吉村界人・SUMIRE・若葉竜也・森本のぶ/斎藤工
企画・脚本・監督:宇賀那健一

©『サラバ静寂』製作委員会

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