3月24日(土)より公開される映画『BPM ビート・パー・ミニット』が、“フランスのゴールデングローブ賞”と称されるリュミエール賞にて、作品賞を含む史上最多6部門受賞の快挙を達成した。
本作は、第61回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した『パリ20区、僕たちのクラス』の脚本・編集を担当し、監督作『イースタン・ボーイズ』では第70回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門の最高賞を受賞したロバン・カンピヨ監督の長編第3作目。1990年代のパリを舞台に、エイズの感染による差別や不当な扱いに抗議し、政府や製薬会社などへ変革に挑んだ実在の団体「ACT UP」(※)の活動を通して、若者たちの恋と人生の輝きを描く物語。ACT UPのメンバーだったというカンピヨ監督自身の経験が物語のベースとなっている。
第70回カンヌ国際映画祭においてグランプリを受賞、さらに第90回アカデミー賞 外国語映画部門のフランス代表にも選出され、ヨーロッパ映画賞作品賞をはじめ、サテライト賞およびインディペンデント・スピリット賞の外国語映画賞ノミネートなど世界中の映画祭で旋風を巻き起こしている。
13部門にノミネートされていた“フランスのゴールデングローブ賞”と称されるリュミエール賞にて、作品賞、監督賞(ロバン・カンピヨ)、男優賞(ナウエル・ペレーズ・ビスカヤート)、脚本賞(ロバン・カンピヨ、フィリップ・マンジョ)、新人男優賞(アルノー・ヴァロワ)、音楽賞(アルノー・レボティーニ)の史上最多6部門受賞の快挙を達成。これまで同賞では『アデル、ブルーは熱い色』の4部門が最多受賞だったが、本作がその記録を大きく塗り替えた。
ロバン・カンピオ監督 コメント
今まで語られてこなかったこの物語を、あらゆる方法で表現し映画化する必要があると考えていました。映画が政治に直接、影響を与えるとは考えていないです。この作品は、今機能していない何かを改善しようと訴えているわけでも、懐古的作品でもありません。敬服している人や、愛する人、共に笑った人をなくすという暗黙の悲しみを描いているのです。そして、生き残った僕たちは、今もこの病気と闘い続けるべきだと思っています。
※「ACT UP」
正式名称:the AIDS Coalition to Unleash Power =力を解き放つためのエイズ連合
アクトアップ・ニューヨークは 1987年3月にニューヨークで発足したエイズ・アクティビストの団体。エイズ政策に感染者の声を反映させることに力を入れ、差別や不当な扱いに抗議して、政府、製薬会社などに対しデモなどの直接行動に訴えることもしばしばある。現在は全米各地やフランス、インド、ネパールなどにもアクトアップが作られている。
映画『BPM ビート・パー・ミニット』は3月24日(土)より公開
© Céline Nieszawer