二階堂ふみ&吉沢亮「感無量です」、『リバーズ・エッジ』主題歌手がけた小沢健二からメッセージ受け取る

映画『リバーズ・エッジ』公開記念舞台挨拶が18日、都内・TOHOシネマズ新宿にて行われ、キャストの二階堂ふみ、吉沢亮、森川葵、上杉柊平、SUMIRE、土居志央梨、監督の行定勲が登壇した。

リバーズ・エッジ

主題歌「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」は、かねてより岡崎京子と親交があり、その固い絆で知られる小沢健二へ、映画製作サイドから主題歌提供を依頼したところ快諾。夢のタッグが実現したことによって生まれた。小沢健二にとって初の映画主題歌となり、楽曲には二階堂ふみと吉沢亮が“Voice”として参加している。

リバーズ・エッジ

小沢健二からの手紙(下記参照)に、二階堂は「…感無量です」としみじみ。吉沢も「感無量です。ふみちゃんと初めてご一緒させていただいた時(『オオカミ少女と黒王子』)に、ふみちゃんが『リバーズ・エッジ知ってる?』って。そこから始まったものが、こうして想いはじめて3年くらい経って公開されていることに不思議な感じです。『お客さんに観ていただいて映画は完成する』と誰かが言っていましたが、本当にたくさんの方にこの映画が広まっていけばいいなぁと思います」と胸の内を明かした。

リバーズ・エッジ
吉沢亮

行定監督は「映画が作られることも完成することも、すごく奇跡的なことだと思っています。二階堂ふみと出会い、『リバーズ・エッジに興味あるか』と言われ、興味がないわけがないと。本当に偉大なる漫画家・岡崎京子が描いた最高傑作を映画化するなんて、おこがましい気持ちでした」と吐露。

リバーズ・エッジ
二階堂ふみ

映画化への原動力となった二階堂の熱量に感化されながら「『自分がハルナをやるには、もう時間がない』と。僕らはそれに火をつけられるわけです。一種の挑戦状をもらいました。映画はたくさんの人の力を借りて完成していく。そこに小沢さんが加わり、ベルリンが僕らの映画を観てくれる。奇跡的なものが今日こうして帰結していくわけです。僕らの想いがたくさんの人に広まっていけばいいなと思います」と感慨深く語った。

リバーズ・エッジ

小沢健二 手紙全文


もうずっと前の冬の夜

もうずっと前の冬の夜、岡崎京子さんの家に行くために東京の路上で二階堂ふみさんを待っていると、真っ暗な中に、ふみさんが一人で現れました。療養中の京子さんに負担をかけないために、一人でいらしたのだと思います。ふみさんとぼくは暗い坂を登って、京子さんの家に入りました。

ふみさんが『リバーズ・エッジ』の映画化にかけた熱量は、小宇宙を創れるくらいのものです。それをふみさんは静かにたたえて、京子さんに話をしていました。そこから流れ出した水がこうやって、映画となってみなさんに届きました。

ラッシュを見た時は、ふみさんの顔が京子さんそっくりに見える場面があり、驚きました。あれはなんなのだろうと、今も思っています。吉沢亮くんのあの横顔から川を鳥が飛んていくシーンは、記憶して、再生して、何度も考えて、音にしていきました。ぼくにとってのヒントは、ふみさんの肩でした。

そうやってできた主題歌『アルペジオ』に声を入れるスタジオでは、ふみさんは言葉の感情を音楽にして、逆に亮くんはすっきりとリズムに凛々しく、録音していました。

ぼくは『アルペジオ』については、「若い人にどう聞こえるか」とか「若い人がどうのこうの」は一切考えませんでした。そういうのは、漫画を描いていた頃の京子さんや、その頃のぼくは嫌いだったし、今も嫌いです。当然。笑

世田谷の小さな空間から流れ出した水が、大きな川になって、流れています。

本当に大きなものって、実は結構個人的で、小さくて、かっこ悪くて、理屈が合わなくて、それでも自然に体が動いてできるのではないかと思います。自然に体が動く方向へ、思い切って飛んで、がんばって。

本当に良かったです、『リバーズ・エッジ』。

小沢健二


若者たちの生と欲望を鮮烈に描く本作。原作は、バブルが弾け世紀末を間近に控えた90年代を舞台に、それまでの“少女マンガ”とは対照的なリアルなセックス描写、愛や暴力を描写し、都市に生きる若者たちの欲望や不安、焦燥感といった現実を果敢に描き出したもの。『世界の中心で、愛をさけぶ』『ナラタージュ』の行定勲監督が漫画原作の映画化に初めて挑む本作には、二階堂ふみ×吉沢亮のほか、森川葵、上杉柊平、SUMIREら日本映画の新時代を担っていく華やかな若手キャストたちが集結した。

映画『リバーズ・エッジ』は全国公開中

©2018映画「リバーズ・エッジ」製作委員会/岡崎京子・宝島社

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