日本人女性の鳥海ひかり氏が、カリフォルニア芸術大学(カルアーツ)の一年生時に制作した、想像力に富んだファンタジックで美しい短編アニメーション『KOISHI』をご紹介します。極めて日本的な題材を繊細で躍動感あるタッチで描かれており、『かぐや姫の物語』や『崖の上のポニョ』などを彷彿とさせます。カルアーツは、ティム・バートンやジョン・ラセター、ブラッド・バードなどのクリエイターを多数輩出している芸術大学。
『KOISHI』は、父親を失った悲しみに暮れる小さな少年が、鯉のぼりに父の面影を見出し、その喪失を乗り越える姿を、躍動感溢れるタッチで描いた1分30秒のモノクロのアニメーション。音楽を奥野大樹氏が担当。タイトルには、鯉のぼりの「鯉」と「恋し(い)」がかけられており、「会いたいのに、会えなくて寂しい」という気持ちと、男の子が風になびく鯉のぼりを必死に追いかける姿が見事に重なっています。
ぜひ長編映画でも彼女の作品を見てみたいと思わせる素敵な作品です。