<こだわりのミニシアター特集1>シアター・イメージフォーラム

独特の雰囲気を味わえるミニシアターは、大作映画を上映するシネコンとは違い、それぞれのセンスで厳選した作品を上映しています。今回の特集はそこにスポットライトをあて、まだ知られていないミニシアターの魅力を紹介していきたいと思います。

その記念すべき第1回目は、渋谷駅から徒歩8分にある<シアター・イメージフォーラム>。支配人の山下さんにお話を伺いました。

 

第1回 映画×アート<シアター・イメージフォーラム>

[遠くからでも目立つ外観<シアター・イメージフォーラム>]

渋谷・表参道という様々なカルチャーが混在する街に位置し、一見映画館には見えない特徴的な建物。それが<シアター・イメージフォーラム>です。打放しコンクリートの内装と、ガラスと曲線が効果的に使われている外観は、建築物としても非常に見応えがあります。

 

数々の文化施設を手掛けられた建築家・高崎正治氏によって建築設計され、外からでも目に留まる “階段”がとても印象的なデザインになっています。

施設内には“フェイク”の階段もあり、そこに置かれた数多くのチラシは名物となっています。また地上に1つ、地下にも1つシアターが設けられているのですが、地下に映画館を作るというのは試行錯誤され大変だったとのことでした。

[関連記事やチラシに埋め尽くされた劇場内]

作家性、芸術性のある作品を上映していきたいという想いから
元々、個人の映像作家たちが自分たちの作品を上映しようとイメージフォーラムという組織を立ち上げ、次第に配給などにも活動を広げていき、2000年にアート系映画を主とした映画館としてオープンしました。上映作品は《作家性のある新作映画》《監督の特集上映》《ドキュメンタリー》を3本柱に選んでいるのだそうです。

最近では、メキシコ麻薬戦争の狂気を裏側から描いた『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』を配給・上映され、大きな話題となりました。

 

イメージフォーラムの魅力とは
建築物としてはもちろんのこと、映画館としてのこだわりは、「ずばりスクリーンの大きさ」とのこと。確かに建物の規模からするととても大きく、映画鑑賞に没入できます。

また、イメージフォーラムは映画を“観る”だけには留まらず、映画制作の“ワークショップ”を行ったり、“映像作家の発信場所”でもあるので、映画について色んな関わり方が出来る場所となっています。

 

[シアター・イメージフォーラム支配人 山下さん]

さらに<イメージフォーラム・フェスティバル>という日本最大規模の映像フェスティバルも主催されており、山下さんは映画祭について「なかなか大きな劇場では上映されないような個人の作品でも最近では発表の場が増えているが、映画祭として大々的に上映されるのは少ないのでないか」と語ってくれました。

作家性、芸術性ある作品を文化活動として継続するため、採算度外視でも続けていくというアツい想いがこちらに伝わってきました。

 

今後の注目作品は?

[『だれも知らない建築のはなし』] (C)Tomomi ISHIYAMA

世界的に著名な建築家で知られる安藤忠雄らが日本の現代建築の可能性とその限界について熱くトークバトルを交わす『だれも知らない建築のはなし』が5/23(土)から公開。

もともと2014年ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展で出品されていた40分の作品をご覧になった山下さん。「ぜひ劇場で上映したい」と監督にお話しされたところ、わざわざ追加撮影・再編集が行われたのだそう。まさにここでしか観られない作品となっています。

そして、この作品を皮切りに《ART&CINEMAシリーズ スタンプラリー・キャンペーン》が開催されます。これまでも数多くのアート・ドキュメンタリーを上映しているイメージフォーラムですが、今年は7作品が連続公開されます。

そこで1作品につき、1つのスタンプがもらえ、5つ以上集めると、Pass the Batonとコラボレーションしたオリジナルアイテムを先着(数量限定)でプレゼント。

まさに“イメージフォーラムらしい”作品が集まりますので、この機会に<アート×映画の世界>にどっぷりはまってみてはいかがでしょうか?

 

[『ピクニック デジタルリマスター版』]

もう一つのお薦めとして、『ピクニック デジタルリマスター版』が6/13(土)より公開されます。

ジャン・ルノワール監督(お父さんは、印象派の画家ルノワール!)による幻の作品で、戦時中プリントが紛失するなど数奇な運命を辿った映画ですが、「映画の魅力が凝縮された作品」と山下さん一押しの作品ですので、お見逃しなく!

なお、上映時間は40分と短いですが、特別鑑賞チケット兼ポストカード 当日一律 ¥1,000(税込)均一となっています。

アート、ドキュメンタリーという言葉はどことなく格式が高いように感じられますが、アート=難解では決してなく、観終わった後に《何となくためになったなぁ》とか《こんな世界があるんだなぁ》と新しい経験をきっとさせてくれると思います。

 

<シアター・イメージフォーラム>は、なかなかスポットが当たらない映像作家や作品を少しでも世の中に発信していきたいという気持ちがたくさん詰まった映画館でした。多種多様なゲストによるトークショーも数多く行われているので、ぜひぜひHPなどをチェックしてみてくださいね。
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