池松壮亮、満島真之介、大倉孝二らが出演する映画『君が君で君だ』が、6月16日(土)~6月25日(月)にて開催されている第21回上海国際映画祭のGALA部門に出品され、上映&舞台挨拶に主演の池松壮亮、松居大悟監督が出席した。
本作は、好きな女の子の好きな人になりきって、自分を捨て去り、10年間彼女を見守ってきた3人の男たちの愛の結末を描いた恋愛譚。日本の伝説のロックシンガー“尾崎豊”に池松壮亮、世界中の誰もが知るハリウッドの名俳優“ブラッド・ピット”に満島真之介、日本の歴史を大きく変えた人物“坂本龍馬”に大倉孝二がなりきる。共演にキム・コッピ、高杉真宙、向井理、YOU、中村映⾥⼦、⼭⽥真歩、光⽯研、監督・脚本を『アズミ・ハルコは行方不明』『アイスと雨音』などで知られる松居大悟が務める。
上海国際映画祭は、会期中に国内外約500作品が上映されるアジア圏最大規模の映画祭。本作は映画祭の中でも注目のGALA部門に出品。本作は、上海最大級1200人超の座席数を誇る「SFC Shanghai Cinema Hall 1」にて上映され、主演の池松壮亮、松居大悟監督が舞台挨拶&ティーチインを行った。
松居監督が「みなさんこんにちは、松居大悟です。今日はどうもありがとうございます」と中国語で挨拶。池松からは、「みなさんこんにちは、池松壮亮です。今日はお越しいただきありがとうございます。こうして上海まで来たのですが、僕が伝えたいことは映画に込めたので、とくに言いたいことは無いのですが、なぜ上海まで来たのかというと、上海に来ると、上海ガニを食べさせてくれるということで来ました。笑」と池松節で会場の笑いを誘った。
作品ついて、松居監督は「この映画をつくるのに7年間かかったのですが、いわゆる人を好きになって、相手も好きになるという、当たり前の愛ではない、愛のかたちを描きたかった」とコメント。司会者から池松に「チャレンジしたことは?」の質問に、「人毛(髪の毛)を食べたこと。それがいちばんきつかった」とその撮影を振り返るエピソードに、会場は笑いと興奮が入りまじり大盛り上がりをみせた。
さらに、ティーチインの時間となり、司会者が質問を求めると、一斉に手が上がる。来場者から「映画の内容に関すること」や「この愛の異質さ」を尋ねるものなど、限られた時間に数々の質問が続いた。映画でキャストたちが歌っている尾崎豊の“僕が僕であるために”について聞かれた松居監督は「この映画は、“君が好きだと気づく以前の気持ち”を大事にしたいと思って作りました。“僕が僕であるために”は尾崎豊が愛情の在り方を歌っているような曲だと思っていますので、それを彼らに歌っていただきました」と答えた。
メディア取材では、作品で描かれている恋愛観について聞かれた池松は「この恋愛に対して、あのようなことはしたことはないけれど、かすかに身に覚えがある」と答え、さらに松居監督について聞かれると、「松居監督は舞台もしている。普通の映画現場よりも長く、稽古を行なう。俳優から湧き上がってきたことをもとに、言葉が多いタイプではないけれど、強い言葉を投げかけてくれる。これまで何本も一緒に作品を作ってきたので、ある程度通じ合えている関係性だと思う。その中で今回は、 言葉がなくても通じ合えていたのかもしれない。松居監督は“言葉になる前の何か”を、映画を通して、毎作品かたちにしている人。映画を通して、愛という言葉に疑念を持ちながらも探していく。映画を作ることへの希望を感じている」と答えた。
映画『君が君で君だ』は7月7日(土)より全国公開
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