映画『人魚の眠る家』大ヒット御礼舞台挨拶が28日、都内・新宿ピカデリーにて行われ、篠原涼子、西島秀俊、スペシャルゲストとして主題歌を歌う絢香が登壇した。
満員御礼の会場から盛大な拍手で迎えられた篠原と西島だったが、MCから今朝発表された第43回報知映画賞で主演女優賞を篠原が授賞したことについて触れられると、「私のような人間がもらっていいのかなと思いつつ…でも心の中では本当に嬉しいです。堤監督をはじめとしたスタッフの方々に守られ、魅力的なキャストの方々にリードしていただいたおかげだと思います。映画を代表して私が賞をいただいた気持ちです」と恐縮しつつも、授賞の喜びを語った。西島も「本当におめでとうございます。本当によかったね!」と満面の笑み。
「撮影時は毎日段取りから号泣して、1日泣いて帰るというのを繰り返すほど役に没頭して熱演していたので、これは賞をとらなきゃだめだろうと思っていました」と、幾度にもわたって共演してきた篠原を讃えた。
そしてここで、スペシャルゲストとして本作の主題歌「あいことば」を歌う絢香が登場。「私もこんな素晴らしい作品に携われて光栄です。こういった場に来るのは初めてですが、今日はよろしくお願いいたします」と挨拶をした。
「私の作曲家としてのキャリアの中で、特別に誇れる一曲」と、絢香自身がコメントしている「あいことば」が生まれた経緯について聞かれると「究極の状況下にいる母と娘、そしてその家族の絆や関係性をどういう言葉で表すのがいいかなと考えていた時に、実際に触れられないし見ることができないけど、でも心で感じられる様なそんな言葉が見つかったらいいなと思っていました。そこで出てきたのが曲の冒頭の『透明な愛言葉』というフレーズです。心から愛した大切な誰かを失うことは誰もが経験しますが、別れた後の世界でも希望や救いを求められたらいいなという思いでこの楽曲を制作をしました」と楽曲の中でも印象的な冒頭のフレーズの誕生秘話を語った。
さらに実際に完成した映画を観て「本当に感動しました。映画を観て、家族や大事な人が側にいることは決して当たり前なことじゃないんだと思いました。人を愛することや生きることってこういうことなんじゃないかなとすごく深いところで考えさせられました」と1週間は余韻が抜けなかったという感動を述べた。
初めて「あいことば」を聴いた時の感想を聞かれた篠原は、「この作品のためにここまで思いを寄せてくれる曲があるのかと思うくらい震えました。映画の中で眠り続ける娘の瑞穂を思い出す歌詞でありながらも、自分の子供だけでなく恋人や、身近な大切な人を想像して聴くことも出来る曲でもあるんだなと思いました」と思いが溢れて感想が止まらない様子。
さらに篠原はこの曲を聴くとつい歌いたくなってしまうそうで、家だけでなくカラオケに行った時にも「すごく歌っています!1日に2回くらい歌っちゃいます」と暴露し、絢香も「嬉しい…!」と喜んでいた。
サプライズプレゼントとして、絢香が「あいことば」を生披露されることが発表され、観客席からは拍手喝采。登壇していた篠原と西島も観客席に移動し、観客と共に絢香の歌声に聴き入った。生歌を間近で聴いた感想を求められると篠原は「涙が出そうだったけど、舞台に立たないといけないので我慢しました。本当に素敵で、気持ちがぐっときてしまって、生で拝見できて幸せすぎます」と答え、西島は「感動しました…いや、感動しました」とあえてシンプルな表現でその感動を表現。
そして「涙なくしては観れない」という感想が多く寄せられている本作にちなんで、ハンカチでは足りない観客に本日用意されたのはピンク色のタオル。タオルを手にした観客たちと一緒に写真撮影を終えた篠原は「今日は本当にありがとうございました。この作品は本当に多くのスタッフの方々をはじめとしたたくさんの方々の熱量が詰め込まれた作品です。私自身、始まって5分で涙が止まらなくなった作品は初めてでしたし、いろんなことをたくさん経験し、学ばせていただきました。今日はゆっくり感動して帰ってください」とコメントし、舞台挨拶を締めくくった。
映画『人魚の眠る家』は全国公開中
(C)2018「人魚の眠る家」製作委員会