映画『フロントランナー』記者会見が21日、都内・日本記者クラブにて行われ、来日したヒュー・ジャックマンが出席した。
1988年、米国大統領選挙。コロラド州選出のゲイリー・ハート(ヒュー・ジャックマン)は、史上最年少にして最有力候補“フロントランナー”に躍り出る。知性とカリスマ性を兼ね備えた彼は、ジョン・F・ケネディの再来として大衆に愛され、当選は確実視されていた。だが、マイアミ・ヘラルド紙の記者が掴んだ“ある疑惑”が一斉に報じられると事態は一変する。
主演のヒュー・ジャックマンをはじめ、ヴェラ・ファーミガ、J.K.シモンズ、アルフレッド・モリーナらが出演。監督は『マイレージ、マイライフ』でアカデミー監督賞と脚本賞にノミネートされたジェイソン・ライトマンが務める。
昨年の『グレイテスト・ショーマン』に続き、約1年ぶりの来日となったヒュー。今作について「必ず議論が生まれる作品だよ。いま、話し合うべき映画だね」とコメント。ジェイソン・ライトマン監督とのタッグに「ずっと仕事がしたかった。その機会を待っていたんだ。白黒のないような、非常に複雑なキャラクターを描いている。いろんな気持ちを起こさせてくれるストーリーを作っているんだ」と明かす。
報道陣から、ヒューがいままで演じてきた役とは全く違う点を指摘されると「非常に頭のキレる役柄なんだ。僕とは全然違う人間だね(笑)そういう役にチャレンジしたかった。この作品を観ると、いろんな議論が生まれて、答えを出していないところも興味深かったね。いまの政治制度に対して考えさせられるような作品になっているよ」と言及した。
また、学生時代にジャーナリズムを専攻していたといい、「俳優になっていなければ、皆さんのように記者としていたかもね。この映画で描かれているようなことは、政治家とマスコミにおけるターニングポイントだと思う。(政治家に対し)『不倫をしていますか?浮気をしていますか?』という質問は、以前は絶対にありえない質問だった。そういうことが初めて起きた時代を描いているんだ」とコメントした。
実在の人物ゲイリー・ハートを演じるにあたって、入念なリサーチをして役に反映させたというヒュー。「彼の人生において、一番辛い3週間だったと思う。実際に会った時にそう言っていたからね。彼は昔も今も理想主義者なんだ。ジョン・F・ケネディの再来、変革のできる政治家だと思われていた。10年先を見ていたんだ」と話す。
続けて、「若い人たちにインスパイアを与え、若い人たちにとても支持されていた。まだ無名の頃のスティーブ・ジョブズとランチをして『これからの時代はコンピューターの世界になる』『全ての教室にコンピューターを入れたい』と話していたり、石油にこだわりすぎているアメリカの戦争を危惧していたり…過激派組織が中東に生まれること、テロの警告もしていたんだ。彼が大統領になっていたら非常に違った世の中になっていたと思う。より良い世界を築けた人間ではないかと思う」と真摯に語った。
映画『フロントランナー』は2月1日(金)より全国公開