3月8日(金)公開の映画『運び屋』より、『グラン・トリノ』以来10年ぶりに主演を務めたクリント・イーストウッドが今作と自分自身について語る特別動画インタビューが到着した。
今回、クリント・イーストウッド自身が最新作『運び屋』を語る約3分間の特別動画インタビューが到着した。主人公のキャラクター、キャストの重要性、そして創作と若さの秘訣を明かす貴重なコメント、運び屋を追う捜査官を演じるブラッドリー・クーパーらキャストとのメイキングシーンも盛り込まれた貴重な映像だ。
巨匠が演じた主人公は、退役軍人で事業に失敗して運び屋となったアール・ストーンだ。「まるでロビン・フッドみたいだ。違法なことで金を稼いでいるが、困っている人を助ける慈善家でもある」と分析する。だが運び屋としての“旅路”は一筋縄ではいかない。「良くなる前に悪くなる。最終的には、家族の大切さに気付き変化する。でも孤独も嫌いじゃない。だから、一人旅に出かけることも多い。麻薬カルテルは、一度も捕まらず、スピード制限も守る彼を気に入る。運び屋としては完璧だからね」と、マイペースな安全運転で運び続けるアールが、ないがしろにしてきた「家族との関係」に気づいていくことを示唆する。
アールを取り巻くキャスト陣も重要な役割を担っている。「キャスティングは映画製作の重要な部分だ。ぴったりのキャストを選べば、すべてうまくいく。素晴らしいキャストが揃って、大満足だよ。運がよかっただけかもしれないがね」というイーストウッドの言葉の通り、アールを追う麻薬捜査官を演じるブラッドリー・クーパーやローレンス・フィッシュバーン、そして巨大麻薬組織のボスを演じたアンディ・ガルシアなどの名優たちと終始にこやかに撮影するメイキング映像が映し出される。「ドラマや演技、映画で役を演じる面白さは、感情やアイデアが湧き出してくることだ。頭で考えるより、内面の声を聞くべきだよ。基本的には、観客に心を伝えることだと思う」と、俳優出身の監督は現場で湧き上がるインスピレーションを大事にして撮影を進めていたことを明かしている。
豪華キャストの中で最も重要なキャラクターは、ブラッドリー・クーパーが演じるコリン・ベイツ捜査官だ。「ベイツ捜査官は、誰がコカイン販売を牛耳っているかを探っているが、探すべき相手がわからない。最後には誰だかわかるが、追いつ追われつのサスペンスが展開する」と、“謎の運び屋”を追う麻薬捜査局によるスリリングなドラマもこの映画の見どころだ。
俳優として60年余のキャリアを誇るイーストウッドは常に挑戦を続けている。運び屋アール・ストーンを演じることで、同世代はもちろん、若者たちにも様々なメッセージが伝えられるからこそイーストウッドはこの役を自分が演じると決めた。「若い時はたくさん役を演じ、中には社会的価値のあるものも、アクション満載の娯楽作品だけのこともある。いろいろな機会がある。でもある段階に達したら、少し自分に負荷を課す作品を探すことも必要だ。言えなかったことが言えるような作品を選ぶこともね」と作品選びの重要性を語る。
『運び屋』のメインテーマは、「学ぶことに年齢は関係ないということだ。年を取っても学べる。そうしながら、人に教えることもできる」ことだ。「私はいつも異なるタイプの物語に興味がある。西部劇でも、現代劇でも、どんな作品でも、私はずっと新しいもの、脳を刺激するものを探そうとしてきたし、この作品もそうだ」と、常に新しい刺激的な物語を探し続けているイーストウッドにとって、『運び屋』は今こそ撮るべき作品だった。「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」では日米双方の視点から戦争を描き、「ジャージーボーイズ」ではミュージカルを、「15時17分、パリ行き」では、実際の事件の当事者を出演させるという演出で世界を驚かせたイーストウッド。果たして『運び屋』では、どんな驚きを見せてくれるのか?
また、エンディングで流れるトビー・キース『Don’t let the old man in』を使ったのは、「ゴルフをしながら、いろいろなことを話していた。この映画のこともね。 彼が若さの秘訣は何かと聞いてきた。私は、『絶対に年寄りだと思わないことだ』と答えた。すると彼が『そうか、今の言葉で何か作ってみよう』と言ったんだ」と、趣味であるゴルフがきっかけだったことを明かしている。
運び屋の仕事の先に浮かび上がる、人生において大切なもの。学び続けるイーストウッドがアール・ストーンを通して伝えようとしたメッセージを、劇場でしかと受けとめてもらいたい。
映画『運び屋』は3月8日(金)より全国公開
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