映画『天気の子』初日舞台挨拶が19日、都内・TOHOシネマズ日比谷にて行われ、監督の新海誠をはじめ、醍醐虎汰朗、森七菜、本田翼、吉柳咲良、小栗旬が登壇した。
前作『君の名は。』(2016年)から約3年ぶりとなる新海誠監督の新作『天気の子』は、天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻弄される少年と少女が自らの生き方を「選択」する物語。東京にやってきた家出少年・帆高が出会った、不思議な力を持つ少女・陽菜。ふたりの恋の物語は、美しく、切なく、新たな時代を迎えるあらゆる世代、そして全世界へのメッセージとして描かれる。
帆高役を醍醐虎汰朗が、陽菜役を森七菜がそれぞれ演じるほか、小栗旬、本田翼、吉柳咲良、倍賞千恵子、平泉成、梶裕貴らが声優キャストに名を連ねる。
公開初日19日(金)15時時点で『君の名は。』(2016年8月26日(金)公開/興行収入250.3億円)対比で118%の動員を記録。大ヒットスタートを切った。公開初日を迎え、新海監督は「完成させるつもりでもちろん作ってはいたのですが、『本当に完成するのだろうか?』という気持ちがずっと最後まで残っていました。とうとう観ていただけて…夢のようです」と感慨深い様子。
だが、「実はまだちょっと不安。とても自分勝手のような映画かもしれないんです。少しわがままな選択をする映画で、『自分もそうだよ』『私もそうだよ』と思っていただける。と同時に、『そうは思わない』という意見もあると思います。これからたくさんの意見を浴びることになると思います。それが怖くもあり、楽しみでもあります」と述べた。
続けて、「アニメーターたち、スタッフの磨いてきた技の結晶を浴びていただけたら幸せです。最初に自分の考えたものを、キャストの皆さんがもっともっと何百倍も素敵に持ち上げていってくれて。本当に幸せでした」と胸の内を明かした。
「(公開初日を迎え)胸がすごくいっぱい」と話す醍醐は、「どうしていいかわからない感情のままここに立っているんですが、約半年間チームの方々とともに主人公として身を置かせていただいて、役者としてはもちろん、人間としてステップアップできたんじゃないかなと思える作品になった。身を置かせていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいです」と込み上げる想いを明かす。
醍醐が声を当てる帆高が東京で出会う不思議な力を持つ少女・陽菜役を演じる森も「(公開初日を迎え)嬉しい気持ちでいっぱいです。私自身も『天気の子』が大好きなので、いろんな感想をお聞きしたいなと思っています!」と笑みを浮かべた。
新海組初参加となった小栗は「光栄です。参加させていただけて。いつアフレコ現場に行っても、みんなが初々しくて、そのみずみずしさにあてられて日々を過ごしていました。(ステージに)出る前に『緊張するね〜』『緊張してきちゃった』って話していて…『取り戻さなきゃな、その気持ち』と思って今日ここにいます(笑)」と明かす。共演した醍醐が「憧れの俳優さん。すっごいいい匂いがするんです!『香水なに使っているんですか?』って聞いたら高くて…小栗さんが『次会うとき買ってきてやるよ』って言ってくださって、今日楽屋に持ってきていただいて!今、つけています!」とハニカミ。粋な計らいを告白された小栗は、「好感度がだいぶ(笑)」と照れ笑いを浮かべていた。
本田は、今作の魅力について「この作品を観ていて、監督のやり遂げる力みたいなものが帆高くんに乗り移っていて、帆高くんのまっすぐな姿勢っていうのは、大人の自分たちから見ると無謀で止めたくもなるんです。でも、それを振り払うくらい強い力を感じて、監督の作品への強い想いを観たような気がします」と明かす。小栗も「その純粋さに素晴らしいなと思いましたし、勇気をもらいました。監督も言っていましたけど、わがままな選択かもしれない。そういうわがままな選択が『若いから』と言わずに、いつまでも選択できる自分でいたいなと思いました。やっぱり音楽の持つ力ってすごいんだなと。『すげー!』って思いました」と絶賛した。
前作『君の名は。』に続き、主題歌「愛にできることはまだあるかい」をはじめ、RADWIMPSの詩(うた)とメロディーが彩りを加える本作。5曲の主題歌、26曲の劇伴を手がけたRADWIMPSとの再タッグに、新海監督は「完成しても『まだやる』と。さらに映画が一段上がるように、今月に入っても彼らは音楽の部分をいじっていました。本当にしつこいんですよね(笑)学ばせてもらったことがたくさんあります」とコメントした。
前作の大ヒットを受けて、今作の目標を「年に何百本もある映画の一本に過ぎない。この映画を観て、少しでも楽しい気持ちになっていただければ、あとは何でもいい。(RADWIMPSの楽曲にちなみ)『なんでもないや。』と思っています(笑)」と笑みをこぼした。
映画『天気の子』は全国東宝系にて公開中
(C)2019「天気の子」製作委員会