映画『残された者-北の極地-』ジャパンプレミアが12日、都内・新宿バルト9にて行われ、マッツ・ミケルセンが登壇した。
本作は、飛行機が墜落し北極で窮地に立たされた男を描くサバイバル映画。『残された者-北の極地-』のプロモーションと、13日(金)から開催されるハリウッド・コンベンションのために来日したマッツ。実は6日からすでに日本に来日しており、ここ数日は観光で京都をめぐっていたという。「京都では自転車を借りて、いろいろとまわっていたんです。美しい街のお寺を巡ったり、丘を越えて温泉に入ったりしました。それから毎日、日本食をいただいたりしていたんですよ。ただ自転車で9時間くらい移動したときは驚かれましたけどね」と笑っていた。
厳しい自然の中で行われたという本作。「常に事件が起きているという状況で、35日間の予定が、19日しか撮影ができなかったんです。例えば作品で嵐のシーンを撮ろうとすれば、突然お日様が出てきたり。天気の中で撮影しようとすると雪が降ってきたりして。だから途中からあきらめて、天気に合わせてフレキシブルにやろうということになりました」と振り返る。
本作のメガホンをとったのは新人監督のジョー・ペナ。この作品に出演する決め手について「エージェントから、いくつか読んでほしい脚本が送られてくるんですけど、今回は『ハンニバル』のマーサ・デ・ラウレンティスから電話がありました。映画を撮ったことがない若者の脚本で、今読むべき脚本だと言われて。だから(積んであった脚本の中の)下にあったそれを読んだんです。すごいな、美しいなと。誠実に書かれているなと思ったんです。それから監督のジョーさんと2時間ミーティングをしたんだけど、僕が感じたことを彼も同じように感じていて。2か月後にはアイスランドで撮影をしていたんだ。ただラッキーだったのは、この企画は最初は火星が舞台だったんで。そのままならアメリカ人の役者が配役されたかもしれないので、よかったなと思いました」と笑いながら付け加えた。
この日は、花束ゲストとして結婚出来ないキャラとして大ブレークした“残された者”佐藤仁美が登場。マッツさんに花束を渡した佐藤は「素直にかっこいいですね。ハッピーオーラがすごい。すごくカッコいい。それは皆さんと同じ気持ちです」とコメント。一方のマッツは日本語で「アリガトウ」と返していた。佐藤自身、テレビのロケで北極圏の過酷さを経験したことがあり、「わたしも(カナダの)レゾリュートというところに行って、映画と同じ体験をしました。その寒さを思い出しました」と感じるところもあった様子。
さらに「実は北極圏では、寒さよりも風の強さの方が大変でした。風が吹くととても寒くなるんです」と語ったマッツの言葉に「分かります。ちょっとでも風が吹くとすぐに行けるところが1時間くらいかかってしまって。心身ともにやられるんですよね」と共感した様子の佐藤。さらにマッツが「寒すぎると食べることが出来ずやられるんですよね」と語ると、「分かります」としみじみ。さらに「やはり人は一人では生きていけない。誰かがいないと駄目なんです」というマッツの言葉に、「人のぬくもりは大事だと思います。恋人だったり、家族だったり、友だちだったり。生かされてるのはまわりのおかげ。こういう人のぬくもりって大事だなと思いますね」とかみしめるように語る佐藤だった。
映画『残された者-北の極地-』は11月8日(金)より新宿バルト9ほか全国公開
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