映画『フォードvsフェラーリ』が1月10日(金)より公開される。クリスチャン・ベイル、半端ない役作りでアカデミー賞主演男優賞を狙う。
歴史上、最も伝説的なレースで、絶対王者フェラーリに立ち向かった2人の男の奇跡のような“挑戦の実話”を描いた『フォードvsフェラーリ』が1月10日(金)より公開される。全米公開時には、堂々の初登場1位で大ヒットスタートし、すでに世界中で多くの観客や映画評論家からも絶賛を集めている。
アカデミー賞の前哨戦と言われる第77回ゴールデン・グローブ賞ノミネーションで、クリスチャン・ベイルが主演男優賞にノミネートを果たし、『バイス』に続き2年連続で主演男優賞受賞という快挙が期待される話題作。
歴史を変えた2人の男の熱い友情と、不可能に挑戦し続ける姿を描いた奇跡の大逆転の物語は、映画批評サイトRotten Tomatoesでも評論家92%、観客98%(共に12/9現在)という高い評価を獲得しており、今後の賞レースの動向にも注目が集まっている。
第77回ゴールデン・グローブ賞ノミネートが発表され、クリスチャン・ベイルが主演男優賞にノミネートされたことにより、一層アカデミー賞の有力候補としての印象も強くなってきた本作。マット・デイモンとクリスチャン・ベイルの2大ハリウッドスターが、1966年のル・マン24時間レースという、歴史上最も伝説的なレースで、絶対王者フェラーリに立ち向かった、キャロル・シェルビーとケン・マイルズという実在の人物を演じていることでも話題だ。
近年、アカデミー賞の主演男優賞を受賞する俳優たちが演じた役柄には、【実在の人物】であることが多い。例えば、日本でも大ヒットした『ボヘミアン・ラプソディ』ラミ・マレック(2019年受賞・フレディ・マーキュリー役)や、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ゲイリー・オールドマン(2018年受賞・チャーチル役)、『レヴェナント:蘇えりし者』レオナルド・ディカプリオ(2016年受賞・ヒュー・グラス)、『博士と彼女のセオリー』エディ・レッドメイン(2015年受賞・スティーヴン・ホーキング博士役)、『ダラス・バイヤーズクラブ』マシュー・マコノヒー(2014年受賞・ロン・ウッドルーフ役)など、この5年だけでも全て実在の人物だ。
本作の主演で賞レースの常連ともいえるクリスチャン・ベイルは、実はアカデミー賞の主演男優賞をまだ受賞したことがない。だが本作では、破天荒で型破りな一流レーサーケン・マイルズという実在の人物を熱演しており、過去2度ほど、主演男優賞にノミネートされながらも逃してきたが、ここ数年のアカデミー賞主演男優賞受賞者の演じる役柄に注目すると、もしかしたら、今回、悲願の受賞となるのかもしれない。
共演のマット・デイモンはクリスチャン・ベイルの演技について「並外れた演技をしている」と話し、続けて「彼は僕が知っている中でも最高の役者の一人」と大絶賛。そのため、マット・デイモン演じるキャロル・シェルビーとクリスチャン・ベイル演じるケン・マイルズの関係性を作っていくことも非常に容易かったと話す。今回もクリスチャン・ベイルの役作りはすごかったようで、「僧のように仕事に献身的だった」という。ケン・マイルズ、本人に近づくために、体作りをし、天才ドライバーであったことから、実際に1週間かけてドライビングテクニックを学び、劇中では、自身の運転でレーストラックを走っている。さらにはケン・マイルズ本人の当時の様子を知るために、息子であるピーターとランチをしながら、彼の人となりを学んでいったという。
ただ10年以上クリスチャン・ベイルと付き合いのあるジェームズ・マンゴールド監督に言わせると、ケン・マイルズという人は、「クリスチャン・ベイル、そのままだ」とも話しており、役作り以前に非常に似たタイプの人間だったようだ。マンゴールド監督が本作出演をオファーした際に、まだ悩んでいたクリスチャン・ベイル。しかしマンゴールドは「おい、この人は君そのままじゃないか。納得してくれないか。これは君なんだから!」と出演を説得。クリスチャン・ベイル本人は「どういう意味だ?僕は大馬鹿で、誰にも好かれていないというのか?」と笑いながら話し、本作出演を快諾した。
実在の人を演じさせたら他の追随を許さない、最高の演技で、観客を魅了してくれるクリスチャン・ベイル。完璧なまでに本人になりきるその役作りや姿勢に、そろそろアカデミー協会も、敬意を示さざるを得ないだろう。
映画『フォードvsフェラーリ』は2020年1月10日(金)より全国公開
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